ウード奏者 松尾 賢 のブログ(アラディーン主宰者)

ウード奏者、ダラブッカ奏者、サズ奏者、歌手、アラブ、トルコのオリエンタル音楽演奏家・作曲家である松尾賢のブログ。

沖縄でのWS終了~。

2011-11-22 03:48:05 | 音楽
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去年から沖縄でのイベントや、ワークショップなどでお世話になっている斉藤あさみさんが主催する沖縄のアラブ音楽サークル「シュクラン沖縄」の第1回WSに講師としてお招きいただきました。

シュクラン沖縄関連のWebSite
http://<wbr></wbr>infophr<wbr></wbr>aaathit<wbr></wbr>.ti-da.<wbr></wbr>net/(あさみさんのHP)
http://<wbr></wbr>www.fac<wbr></wbr>ebook.c<wbr></wbr>om/Praa<wbr></wbr>thit.As<wbr></wbr>ami#!/p<wbr></wbr>rofile.<wbr></wbr>php?id=<wbr></wbr>1000029<wbr></wbr>6969089<wbr></wbr>6
(Facebook)

さて、今回は、去年から継続してきたWSの内容(オリエンタル音楽の歴史、ベリーダンスの歴史などなど)よりも、実際にリズムを学び、楽器の叩き方を学び、演奏をして行こう、というのが目的です。

実際、東京、神奈川、千葉にて、それぞれのスクールにも呼ばれて、同じようにレッスンのクラスを持っているのですが、その沖縄版という形です。

以前から、ず~っと提唱してきた事ですが、リズムを学ぶには、ダフ、またはタンバリンで、基本リズムを学ぶことが大事です。

何といってもダフは旧約聖書に出てくるぐらい古い時代からある楽器ですし、ユーラシア大陸と北アメリカ大陸に、それぞれ名前を変えて存在する楽器ですから。

そこをベースにしてから、ダラブッカやレクなど、様々なヴァリエーションやデコレーションを学ぶ訳ですが、

私のレッスンで特に強調するのが、各リズムのノリと、そのリズムの背景、そしてメロディとの関連です。

私自身、エジプトに行った時に、実際に学んだ事と、それ以前に学んでいた事のギャップを感じたことから始まり、

その後、個人的に「この人は!」と思った海外のダンサーや、ミュージシャンが来日する時に個人レクチャー等を受けたり、

その情報を元に、本を読んだり、インターネットで検索したり、と様々な知識をまとめて体系化しました。

勿論、私自身、まだまだ学ぶ事、学びたい事は、いっぱいあるのですが、

ともあれ、リズムの事を学ぶだけでも、ベリーダンスは勿論、オリエンタル音楽についても、さらに深い理解が得られると思います。(実際に私がそうでした。)

ちなみに、ダフやタールと呼ばれるタンバリンのような片面枠太鼓の(最近はハンド・ドラムとも言っている)語源は以下のアラビア語の動詞から来ているようです。

ダフは、????? (アラビア語のフォントが表示されない人の為に:daffa)、羽を羽ばたかせる、という動詞が語源です。(Hans Wehr:A Dictionary of Modern Written Arabic)。つまり鳥のように羽をバタバタ羽ばたかせるように演奏する所から、その名前がついたようです。

別名のタールは?????(暗い音のta の tarra)、研ぐ、鋭くさせる、成長する、発芽する、という動詞が語源のようです。(同上)タールという呼び名は主にマグレブと呼ばれる国々、つまりリビアから西、チュニジア、アルジェリア、モロッコで使われる名称です。

ベリーダンスの生成過程から見ると、19世紀後半から発展してきた斬新な舞踊です。西洋のバレエ音楽とアラブの音楽を取り入れた所から出発し、フォークロア、ムワッシャハ等の音楽を取り込みながら発展してきているので、リズムを多く知る必要があります。

情報量の多さに面食らってしまったかもしれませんが(笑)、来年の7月に共に演奏できるよう頑張りましょう!

シュクラン沖縄はメンバーを募集中だそうですので、皆さん気軽に参加してください。

写真:WSを終えて記念撮影

ウードのケースを注文

2011-11-16 06:29:05 | 音楽
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先日、ウードのハードケースを注文しに行きました。

前回の日記に書いたように、今のメインの楽器の7コースのウードもかなり使い込んできているので、楽器の指板を自分でリペアしたり、

弦の種類を見直したり、と色々やっていて、結果楽器が更に調子よくなってきました。

さて、楽器以上に考えなければならないのが「ケース」。

トルコに行ったときに購入したスポンジが厚手のソフト・ケースを愛用していますが、やはり満員電車の中に入るときは、いつも緊張しっぱなしです。

更に、12月には始めてのツアーを九州で行うので、いつも使っているハードケースは持ち運びが不便なので、それまでには何とかしたい。

イベントの詳細はこちらへ、
http://<wbr></wbr>www18.o<wbr></wbr>cn.ne.j<wbr></wbr>p/~alla<wbr></wbr>deen/ne<wbr></wbr>ws.htm

という事で、弦を購入している時にお世話になっている、下北沢のフォルテ楽器さんに相談したところ、岡野ケースさんを紹介して頂き、先日注文して来ました。

岡野さん、楽器のケースを作って、この道60年!という大ベテランの方で、今では全国からいろんな楽器のケースの注文受けて製作されています。

物凄く気さくな方で、色んな楽器のケースを作った話を教えていただきました。私が聞いただけでも、ヴァオリン、チェロ、ビオラ、ビオラ・デ・ガンバ、コルネット・ヴァイオリン、リュート、マンドリン、マンドセロ、ギター、ホルン、馬頭琴、コントラバス、アコーディオン、リコーダー等等。

楽器マニアである私にとっては物凄く刺激的な話で、楽しくお話を聞かせて頂きました。

さて、私のウードの方は手際良く、テキパキと、あっという間に型紙を取って準備完了。あとは完成を待つのみです。

ちなみに、サンプルとして見せていただいた、出来立ての馬頭琴のケースは本当に美しくて、軽くて一目惚れしてしまいました。

色々と注文も聞いてくださるので、本当に助かります。お値段もお手頃です。

とはいえ、こういった素晴らしい職人さんを支える部品のメーカーが廃業して無くなって行っているそうで、良い部品を手に入れるのも大変になって来ているとか。

私も以前は製造業界にいたので、状況は手に取るように分かります。メーカー受難の昨今を、国が保護するなり、何とか変えて欲しいものです。

長年培ってきたノウハウや技術は一朝一夕では出来上がりません。

もちろん、製造業界の毎年のラインの見直しは賞賛に値するし、その結果技術力がアップする訳ですが、

それを、単純なコスト・パフォーマンスとして追及していると、結局自分の首を絞める結果になる訳で、そういった考え方を根本的に見直すべきなのだと思います。

ともあれ、出来上がりが楽しみです。

岡野ケースさんのHPは以下に。(注文をとりたい方は電話で、との事です。)
http://<wbr></wbr>www6.oc<wbr></wbr>n.ne.jp<wbr></wbr>/~okano<wbr></wbr>21/

写真:岡野さんの工房とウードのハードケースの型紙の作成風景

ウードの指板改造

2011-11-07 04:04:46 | 音楽
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自分の7コースのウードも、師匠の常味さんから譲り受けて、はや3年が経過。

先日のブラウンブックの仕事の為に弦を総換えした時に、レとラのコース(7コースなので4番目と5番目)の指板がかなり減っていた事に気づきました。

うーん、変なビビリ音が鳴り響いていたのは、このせいだったのか~。

という事で、今日は久しぶりのオフ日だったので、指板に貼るゴルペ板を買いに。

ちなみにゴルペ板が分からない方に説明をすると、フラメンコ・ギターに張り付いている表面板保護のプラスチックの板の事です。

フラメンコ・ギターには、コードをかき鳴らす奏法は勿論の事、指で表面板を叩いてリズムを鳴らしたり、アクセントをつけたりする奏法があり、

勿論そうすると、撥弦楽器にとって命の、デリケートな表面板が傷つくため、薄いプラスチック製の板を張って保護します。

さて、まず最初に渋谷に出向いたものの、お目当てのゴルペ板が見つからず、新大久保にスパイスを買いに行くついでにクロサワ楽器に行きましたが、

結局、渋谷で見つけた小さなゴルペ板しかなく(メーカーにも在庫がないかもと言われました。)、

結局2枚買って、つなぎ合わせる事にしました。

家に帰って、早速、表面板を丁寧にサンドペーパーで削って、弦で削れた部分がなくなるまで綺麗に仕上げて、ゴルペ板を貼り付けました。

結果は、今まで以上にピッチが安定し、フィンガリングも楽になりました!

これで、今後指板も削れる事無く、安心して演奏できます。

実は、このアイデアは、師匠の常味さんに教えて頂いた方法です。良くフレットレス・ベースにもそういった工夫がされていますよね。

ウード奏者の方々、お試しあれ。

ラウンジ・ウード、終わり~!

2011-11-04 01:06:02 | 音楽
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六本木のTSUTAYAにて行われた、ページフリップ出版者の創設者であり、日本の漫画家・姫川明さん(実はお二人の女性)との共同作品「Gold Ring」???? ????? の作者であるカイス・セドキさん、とのトーク・ショーでのラウンジ・ウード、無事終了しました。

カイス・セドキさんは、3日間、「素晴らしい演奏をありがとう」と帰り際に毎回挨拶をしてくれた人で、紳士だなぁ、この人って思いました。

トーク・ショーで面白かった逸話は、中東では永井豪の「グレンダイザー」が物凄く流行ったそうで、永井豪氏も「グレンダイザー?マジンガーZ じゃなくて?」と驚いたそうです(笑)。

カイス・セドキさん、キャプテン翼が大好きだったそうで、中東では「キャプテン・マジッド」として放映されていて、幼い頃は中東のアニメだと本気で思っていたそうです。

実は、日本のアニメーションは、アルプスの少女ハイジとか、キャンディ・キャンディとか、キャシャーンとか、元々ヨーロッパを舞台にしていたり、無国籍な内容だったりした事が、好都合だったらしく、

世界でテレビが普及するにつれて、放送局の悩みの種の「番組」を増やさずに、日本のアニメが良く流されていたそうで、

これが、今日の日本の漫画&アニメが世界的に普及する要因になったそうです。

ともあれ、カイスさん、最初はIT関係に勤めていたそうで、その仕事に情熱が持てず、現在の仕事に変えたそうです。

やっぱり、世界中、夢を実現する人は、同じような道を行くのですね。

また姫川明さん達のトークも面白くて、絵を描くのに参考資料としての女性の写真が撮れず苦心したり、と、色々な苦労話が中東らしいものばかりでした。

大勢の方がトークショーに集まり、大盛況でした。おめでとうございました!

今回の機会を与えてくれたブラウンブックの編集長、Mr.ラシッド・ビン・シャビブ、スタッフの小澤さん、関係者の皆さんに、心から感謝いたします。

写真右:姫川明、カイス・セドキと記念写真
写真左:ブラウンブック編集長のラシッド・ビン・シャビブと

11月3日、六本木TSUTAYAにてウードを演奏します。

2011-11-03 03:33:25 | 音楽
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本日はドバイの出版社ブラウンブックのパーティーで、ラウンジ・ピアノならぬ、ラウンジ・ウードでした(笑)

昨日の東京デザイナーズ・ウィークでの演奏といい、今日の演奏といい、人前で、20曲以上の古典曲、特に10拍子のサマーイ形式の古典曲をたくさん弾いたのは初めて。

ブラウンブックのアーティスティックな雰囲気にサマーイ形式の抽象的な現代曲っぽい旋律と響きは合うようです。

さて、明日は六本木TSUTAYAで、ドバイ人のQais Sedki(カイス・セドキ)さん原作の「Gold Ring」という漫画(姫川明 作画)のイベント&トーク・ショーが夕方6時からあります。

私は、またラウンジ・ウードをやっていると思います。

ちなみに、この「Gold Ring」を200冊無料配布するそうです(!)。
私が頂いたのはアラビア語、しかもフスハー(正則アラビア語)で書かれています。

漫画でアラビア語を学びたい人はチャンス!

このイベントの詳細は以下のサイトでチェックしてみてください。
http://<wbr></wbr>willowi<wbr></wbr>ck.sees<wbr></wbr>aa.net/<wbr></wbr>article<wbr></wbr>/233113<wbr></wbr>150.htm<wbr></wbr>l

写真左:東京デザイナーズ・ウィークのブースで伝統的衣装に身を包むブラウンブックのドバイ人スタッフ
写真中、左:演奏前のウードと、アート作品とのコラボ・ショット