ウード奏者 松尾 賢 のブログ(アラディーン主宰者)

ウード奏者、ダラブッカ奏者、サズ奏者、歌手、アラブ、トルコのオリエンタル音楽演奏家・作曲家である松尾賢のブログ。

ベリーダンスと音楽の夜@横浜 第27夜 後記

2014-09-27 01:02:10 | 音楽
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9月20日は、「ベリーダンスと音楽の夜@横浜 第27夜」でした。予約の時点で、久しぶりのSold Out となり、また、エジプトから帰国直後の演奏となりました。

お越しいただいた皆様、真にありがとうございました!

今回のエジプト滞在で、木村伸子ちゃんの人脈と、奈良県在住のカーヌーン奏者のシンゴ君からの人脈の双方からレッスンを受けられ、更にエジプトから新しく楽器を購入した未知子の演奏と音は、想像通り素晴らしく、

また、当日体調が悪かったものの、サムズでの初登場となった伸子ちゃんのヴァイオリンの音は、サムズ関係者を驚かせていました。「あれは、エフェクター使っていませんよね?」と店長の小山さんが聞いて来る位の衝撃だったようです。

さて、私の方もエジプトにて触れた一流のミュージシャンの音と、演奏家としての姿勢の影響を受けて、個人的に満足の行く演奏が出来ました。

初めて見に来られた方々も多かったようですが、皆さん、演奏は勿論のこと、各ダンサーの皆さんのパフォーマンスに心底楽しんで行かれた様で、とても素晴らしい一夜となりました。

今回出演していただいた、Ruka さん、Nina さん、Peco さん、Hina さん、そして随分前からオファーをしていて、9年目にして出演して頂けた、Tomomi さん、素敵なパフォーマンス、ありがとうございました!





生演奏で踊るハフラ!vol.3 後記

2014-09-26 04:28:27 | 音楽
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さて、8月31日は「生演奏で踊るハフラ!vol.3」でした。

主催のSalma さんが情熱を持ってオーガナイズしているイベントの第3弾ですが、毎回、色々と考えさせられるイベントです。

そもそも、生演奏で踊るという機会が日本ではほとんど無いといって等しく、ベリーダンスを教える側、エジプト人や、海外のダンサー、日本人の先生も含め、基本的には、CDなどの固定の音源で振り付けを教えることから始める為、

こうやって、貴重な機会を与えられる側は、きっと戸惑っているんだろうなぁ、なんて思いながら、時間の無い中、さくさくリハーサルを進めて行く訳ですが、

我々のリハーサルの音を録音して、当日初顔合わせで、ゲネで確かめて本番に至る、という人も少なくありません。

こうなると、生演奏で踊るという事の意味合いを、もう少し掘り下げる必要があるのではないか、と、毎回思いつつ、いつも「良かったね」で終わるので、残念な気分になります。
(とはいえ、参加したダンサーの皆さんは、それぞれ頑張ってくれています。)

知識が無い、という事について言えば、ダンサーに限らず、ミュージシャンの方も大した知識がある訳ではない、と言い切っても良いと思います。(勿論、私が尊敬していたり、凄いと認めている人々は除きます。)

私も、こういう活動を始めたころは、トルコと、エジプトの音楽とか、アメリカで作られている中東風ベリーダンス音楽の区別を大して分かっておらず、

エジプトに実際に行って、自分の持っていた知識と、実際に触れる音楽が、かなりかけ離れていたことに衝撃を受け、それから日本に帰ってきて更に勉強しなおした訳ですが、

やっぱり、踊る側も、音楽の基本的な知識を知らないと、せっかく生演奏、特に融通の利く楽団を従える訳ですから、本当の意味での醍醐味が味わえないのではないでしょうか?

例えば、CDと一番違う部分は、タクシームと呼ばれる即興演奏のところ。

タクシームには二つあって、リズムが伴奏に無い、自由リズムの即興演奏タクシームと、一定のリズムの伴奏の上で演奏される即興演奏の二つがあります。

アラビア語で、この区別を何と言うか未だに知らないのですが、トルコ語では、前者をウズン・ハワ、後者をクルク・ハワと呼ぶそうです。

当たり前ですが、即興演奏は、演奏技術がしっかりしていないと出来ません。

この辺りは、ジャズとかの経験がある人や、勘が良いミュージシャンは出来るわけですが、概してジャズ出身のミュージシャンは、演奏時の音程が悪い人が多かったり、オリエンタル音楽の複雑なメロディや、構成についていけない人が多く、

それに対して、音大とか西洋クラシック出身のミュージシャンは、譜面で書かれるている音程や、メロディの演奏は上手でも、即興が出来ない、または出来てもつまらない内容になったりと、

やっぱり、オリエンタル音楽はしっかりと学ばない限り、絶対に出来ない音楽だといって過言ではないと思います。

同じように、ダンサーも、即興で踊れるようになるためには、しっかりした技術が必要になるわけです。今まで共演したダンサーの中で、上手なダンサーは、間違いなく即興も上手です。

ちなみに、タクシームをどう踊れば良いのでしょうか?という質問を受ける時がありますが、それに対する答えは「良いダンサーのコピーをしてください」といつも答えます。

我々も、タクシームを勉強する際は、勿論コピーをします。コピーをしない限り、良いタクシームがどうなっているか、構造が分からないためです。

となると、良い振り付けには、必ずタクシームでの踊り方の振り付けがついている訳ですが、これを自分流に消化して、初めて「自由にタクシームが踊れる」わけで、結局は技術を磨く、音楽を理解するという事に尽きるのです。

色々と書きましたが、一番大事なのは、機会を得て踊ること、つまり経験数が大事なわけで、プロも、プロで無い人も、とにかく、こういった機会を多く持ちたいですね。

次回がいつか分かりませんが、機会があれば、またよろしくお願いいたします。




ベリーダンスと音楽の夜 第100夜 後記

2014-09-25 01:54:56 | 音楽
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さて、書き溜めていた事を、時間の流れから。

まずは、8月30日の「ベリーダンスと音楽の夜 第100夜」、満員御礼ありがとうございました!

カーヌーンの未知子が、私に秘密裏にメンバーと話し合い、サプライズで、写真に写っているアルバムを作ってくれました!今までの「ベリーダンスと音楽の夜」の歩みを、アコーディオンの佐々木絵実さんが丁寧に私のブログを調べて、今までの出演者などを全て網羅してくれたり、と、時間をかけて作ってくれました。感謝感激であります。

きっと、ミッチーがいなければ、アラディーンの男共は、「おめでとうございます。」「100回、お疲れ様です。」と、言葉で済ませていたであろう(笑)出来事になる所でしたが。

とはいえ、第1回と銘打って創めた当初、100回で終わりにしようと思っていたのは、本音なのですが、ほぼ9年間、毎月イベントを無事故で行って来れたのは、参加してくれた全ての人のお陰、特に、参加してくださったダンサーの皆さんのお陰です。

勿論、まだ続きます。

実際、アラディーンは、日本で一番長い歴史を持つオリエンタル音楽のグループになりました。音楽的なレベルはさて置き、私の師匠の常味さんのファルハよりも先に結成しましたし、グループとしての活動は、横浜のサムズアップでの「ベリーダンスと音楽の夜@横浜」を加えると、既に126回を越え、更に、小編成でのショーや、コンサート(公開、非公開も含む)などを加えると、約500回以上の演奏を人前で行った計算になります。

今まで演奏した曲は100曲以上、レパートリーとしてグループで演奏出来る曲は常時80曲以上あります。

とはいえ、この9年間の間、結成当時のメンバーは入れ替わり、ペタシ君、安藤君以外は、この4年間の間に入ったメンバーですが、結成当時より、素晴らしいパフォーマンスを行っていると思います。

振り返ってみると、アラディーンを始めた当初、集めたメンバーは私以外、オリエンタル音楽が何なのか全く知らないミュージシャンばかりで、私が一から教えて来た所から始まり(この辺りは、いまだに同じですが)、その後、ダンサーの皆さんに色々と曲を教えてもらって、そこから、不明な点、足りない所は、自分が勉強し、というサイクルを繰り返して今に至ります。

また、ミュージシャンも徐々にですが増えつつあり、エジプトや、他のアラブ諸国で直接学びに行く人も多くなり、良い事だと思います。

寄せ書きに、様々、多くの人からメッセージを頂きましたが、ミッチーが、「アラディーンが多くの人から愛されているのを実感しました」とアルバムの編纂作業を行っているときに感じた通り、見に来てくださった皆さんと、何より一緒にショーを作り上げてくださったベリーダンサーの諸姉妹の皆さんがあればこそのアラディーンの「ベリーダンスと音楽の夜」な訳で、

これからも頑張って続けて行きたいと思います。

皆さん、よろしくお願いいたします!