イレグイ号クロニクル Ⅱ

魚釣りの記録と読書の記録を綴ります。

「海を歩けば―アジアの生物多様性に魅せられて」読了

2020年09月04日 | 2020読書
小菅丈治 「海を歩けば―アジアの生物多様性に魅せられて」読了

南西諸島を中心に、台湾、ベトナム、フィリピンなど、日本に近い東南アジア海域の熱帯性の無脊椎動物の研究をしている研究者の著作だ。
この本に取り上げられている生物はすべて干潟の砂泥質の海岸に住むものばかりだ。具体的にはカニ、アナジャコ、ユムシといった、ほとんど食材としては有用ではなく、したがって水産業でも役に立たない生物ばかりだ。分類や生態がわかったとしてもおそらく何の役にも立たないものであると思う。ましてや僕にとって沖縄や東南アジアの海なんて無縁だ。それゆえに何も考えずに読める。
自然の摂理のひとつがそこにあって、間接的には何か影響を受けているかもしれないが、ほとんど人類の未来には何の関係もない。でも、すぐそばにそういう世界があるというのはなんだかホッとする。

コロナウィルスも同じように自然の摂理のひとつだがこっちはやっかいだ。本当はどこまで厄介なのかというのは僕にはわからない。インフルエンザと比べてどうなんだろう。死者が1300人を超えたというけれども、毎年インフルエンザで死ぬ人ってもっと多かったりしないのだろうか。老人は重症化するというが、インフルエンザでもどれくらいの老人が重症化するのかという比較もされているのだろうか。
まあ、どちらにしても、このウィルスをしのいだとしてもまた新たなウィルスが発生するかもしれないと思うと世界中の人が疑心暗鬼になって今の生活を崩せないだろう。日々マスクをして人の集まるところに行かない。とにかく人と離れて生きる。
これが新しい生活様式となるのだが、わが社の売り上げも先月は前年比19%マイナス。一時に比べればましじゃないかと思ってしまうのはそうとう感覚がマヒしてしまっているからだ。2割も売り上げが落ちたらえらいことだ。リストラも現実味を帯びてくるのではないだろうか。僕みたいに首にしたいやつはまだまだいるだろうし・・。
テレビドラマも現在をリアルに描こうとすると登場人物はみんなマスクをしている。アクション映画も格闘する前に、「Are you 陰性?」と声をかけあってから始めなければならないとなると滑稽だ。
ただ、マスクはやる気のない表情を半分隠してくれるし、今月からはコロナ休暇がまた増えてきて週1回もらえる。週休3日だ。釣りに行く日をセーブしないと体力が持たなくなりそうなほど休日が多い。
屈辱的なコンビニ店員の仕事もコロナのおかげで中途半端に終わってくれた。そして、3密は避けろというが、僕の生活はこれまでと全く変わっていない。世間体が保てないところだけマスクをつけるだけだ。
だから、ずっと新しい生活様式が続けばいい。会社もリストラがない程度に疲弊すればいい。

ウィルスがどこかにいると思うとホッとはしないけれども僕にとっては海辺の生物と同じだ。
本文と全く関連性のない文章になってしまった。
最後に少しだけこの本に関して・・。
文章やその内容から、かなりお歳の著者かと思って奥付けを読んでみたら、僕と同じ歳のひとであった。この人もきっと自分のやりたいことができている人だと思った。
この本は生物学の書架ではなくて日本文学の書架に並んでいたが、それはきっと著者の無脊椎動物に対する愛ゆえなのだろう。

もっと最後に・・。
アベ総理の退陣にあたって面白いコラムを読んだ。その趣旨は、「ウィルスには忖度する心がないのでアベさんに対して忖度してくれなかった。だからコロナに負けて辞職となったのだ・・」
これは的を射ているなと思った。

コメント
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