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ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

日本語正文の無い、国民の暮らしの隅々にまで影響を与えるTPP協定の、承認強行決議を狙う愚かな与党議員

2016年10月31日 | 日本とわたし
昨日は興奮し過ぎて、プチ徹夜をしてしまいましたので、今日は文章や画像をお借りして、緊急の、暮らしを直撃するTPP協定についてお話します。

TPP協定文は、8400ページもあります。
そのうち、日本語に訳されている部分は、たったの3分の1程度です。
当然ながら、自民党・公明党の与党の議員たちのほとんどは、その内容をほぼ、はっきり言って全く、理解できていないことは明らかです。
読もうともしていない、と思います。
そのような、全く理解できていないもの、理解しようとしても不可能なものを、分かったようなふりをして、国会で強行採決しようと狙っています。

でも、巷には、こんなにも、TPPについての問題、恐ろしさについて、情報があふれているのですから、
もし議員がまともな神経を持ち、自分の職務について責任を感じているのなら、せめて日本語で書かれた内容を、読もうとするはずです。
そしてもし読んだら、何が何でも採決を阻止しなければ、と思うはずです。

なので、今の国会には、特に自民党議員には、そういう常識や倫理が、全く存在していないように見えます。
ここまで何でもかんでも右に倣え、上に従えといった政治は、見たことがありません。
本当に、かなり危険な崖っぷちに、日本は追い込まれてしまっていると思います。
強行採決は、明日の11月1日にも、行われる可能性が出てきたと聞いています。
みなさんには、まだできることがあります。
議員事務所に足を運んでください。
電話をかけてください。
ファックスを送ってください。
メールを送ってください。

わたしたちの暮らしを破壊するなと。
自分で理解もできていないくせに、賛成などするなと。



Kenta Ohashiさんが、フェイスブック上でまとめてくださっていた、非常に分かりやすい『TPPについて』を紹介させていただきます。

↓以下、転載はじめ










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TPPで変わること
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産地偽装はなくなります。
だって、産地表示がなくなるから。
 
軽自動車はなくなります。
だって、アメリカ車が売れなくなるから。
 
日本の保険はなくなります。
だって、外国の保険が売れなくなるから。
 
地元で仕事、なくなります。
だって、安く移民も雇いたいから。
 
セーフティネットなくなります。
だって、お金にならないから。
 
ぼくらのお金はなくなります。
だって、お金持ちに行くようになるから。
 
全部、仮定の話です。
だって、黒塗り読めないから。
 
だけど、本当の話です。
だって、資本家のための物だから。
 
TPPが話題です。
ぼくはTPPに反対です。
 
助け合うことが必要です。
支え合うことが大切です。

 
 
========
TPPとは
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◆TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)

TPP協定は、オーストラリア、ブルネイ、カナダ、チリ、日本、マレーシア、メキシコ、ニュージーランド、ペルー、シンガポール、米国、ベトナムの、計12カ国による包括的な経済連携協定。

  
<メリット>
○ 関税の撤廃により、貿易の自由化が進み、日本製品の輸出額が増大する。

○ 整備・貿易障壁の撤廃により、大手製造業企業にとっては、企業内貿易が効率化し、利益が増える。

 

<デメリット>
○ 海外の安価な商品が流入することによってデフレを引き起こす可能性がある。
○ 関税の撤廃により、米国などから安い農作物(特に米)が流入し、日本の農業に大きなダメージを与える。

○ 食品添加物・遺伝子組み換え食品・残留農薬などの規制緩和により、食の安全が脅かされる。

○ 医療保険の自由化・混合診療の解禁により、国保制度の圧迫や、医療格差が広がると危惧されている。

 

<問題点>
貿易の自由化により、日本の輸出額が大きくなると言いつつ、米国産業が大量に関税上乗せ無しで入ってくるので、
外需は拡大しても、内需は崩壊する可能性が高い。

将来、国民皆保険が無くなり、民間の保険に入らないと、無保険状態になる可能性がある(オバマケア次第かも)。
それでなくても、日本の民間保険は、外資参入によって壊滅する恐れがある。
セーフティネットの崩壊
所得の少ない人は、病院に通うことが難しくなる

残留農薬、産地表記など、食の安全基準が、各国足並みを揃えることになる。
あくまで企業の利益を大きくする狙いなので、大量生産・大量消費を促すために、経済活動にとって不利益になる安全基準が、軒並み排除される
 
○ 安い人件費を確保するため、移民受け入れが促進される可能性がある。
地元で、地元の人間を雇用する保証制度なども、廃止の可能性がある。
 
地産地消の学校給食は、自由貿易に反するとして、条例を取り消される恐れがある。
結果として、外国産の食品が給食に並び、地方農家が大打撃を被る
 
などなど…。
 
 
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国際条約は日本の法律よりも憲法よりも上の法。
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そんな国際条約に、グローバル企業の利益を確約するための条例が盛り込まれれば、
「健康で、文化的な、最低限の生活を営む権利」が、大きく脅かされることになる。
 
更に、一度決まったことは、どんなに国民にとって不利益があっても覆せないという、ISD条項(ラチェット条項)が盛り込まれている
 
「社会のための企業」から「企業のための社会」へ。
 
お隣、韓国では、2012年に、TPPに先行して、アメリカとFTA(自由貿易協定)を締結している。
その結果、韓国で利益をあげたアメリカの投資ファンドに、課税を課したところ、
逆に5000億円の賠償を請求され、更に、「自由貿易に反する」という理由で、63の法律が、改訂に追い込まれている
 
つまり、韓国では既に、FTAにより、企業が国より上に立ち、法律を変えることができる状態になってしまっている

 
******* ******* ******* *******

続いてこれは、狐狸庵居士さんが書いてくださった、国連人権理事会の『独立専門家』の方が発表された、要請文の内容です。
この要請文は、今年の2月2日に出されたものです。
その文章を、翻訳してくださったのが、狐狸庵居士さんです。

↓以下、転載はじめ

署名も批准もするな! 
TPP署名式の直前に、国連が、各国政府にたいして異例の呼びかけ

【百々峰だより】2016年2月24日
http://tacktaka.blog.fc2.com/blog-entry-254.html

国連人権理事会の「独立専門家(Independent Expert)」である、アルフレッド・デ・サヤス氏(Alfred de Zayas)は、
TPPの署名式が直前に迫っている、2016年2月2日に、関係各国政府に、署名も批准も拒否するよう要請しました
 
国連機関が、このような「署名拒否」「批准拒否」の要請をおこうなうことは、極めて異例のことであり、
TPP「環太平洋連携協定」と呼ばれている貿易協定が、いかに人権と国家主権を踏みにじるものであるかを、如実に示すものとなりました。

 
しかも、この協定の正文は、英語・スペイン語・フランス語のみで作成され、5000頁をこえるものなのに、日本語で正文が作成されていません
ですから、与党の国会議員どころか日本政府の閣僚も、ほとんど内容を知らないのです。
にもかかわらず、彼らはこれに賛成し、署名と批准に、狂奔・邁進しています。
 
カナダは、TPP協定書として、英語だけでなく仏語のものも、正文として作成するよう要求しました。
これは、ケベック州が、英語だけでなく仏語を公用語としているからです。
ところが日本は、アメリカに次ぐ巨大な経済力をもち、日本が脱退すればTPP協定が成立しないにもかかわらず、
日本語による正文作成を、要求しませんでした

 
安倍政権は、選挙スローガンとして、「美しい日本をとりもどす」と叫んでいましたが、
日本語による正文なしの交渉では、国益を守れるはずはありません
「豊かな日本を売り渡す」ことになるだけです。
このような姿勢は、大学院博士課程までも日本語で教育できるにもかかわらず、大学を「英語化」しようと狂奔している、文教政策と瓜二つです。
 
それはともかく、以下は、人権・健康・環境に、巨大な悪影響をおよぼす危険性があるとして、TPPの「署名拒否」「批准拒否」を呼びかける、
国連人権理事会「独立専門家」アルフレッド・デ・サヤス氏の声明文を、私が翻訳したものです。
英語原文は、下記URL(国連人権高等弁務官事務所)にあります。
http://www.ohchr.org/EN/NewsEvents/Pages/DisplayNews.aspx?NewsID=17005&LangID=E

国連人権理事会「独立専門家」デ・サヤス氏の、TPP 「環太平洋連携協定」に関する声明

Statement by the Independent Expert on the promotion of a democratic and equitable international order, Alfred de Zayas,on the upcoming signing the Trans-Pacific Partnership

貿易は、それ自体が目的ではなく、国際的な人権体制の文脈で見られる必要がある。
なぜなら、それは各国に、拘束的な法的義務を課すものだからだ。
貿易協定は、「孤立的な」法制度ではなく、透明性と説明責任を含む、国際法の基本原則と合致しなければならない。
それらは、人権条約の履行義務を遅らせたり、回避したり、弱体化させたり、実行不能にさせたりするものであってはならない。

私は、世界中の市民社会が、圧倒的に反対しているにもかかわらず、TPPに参加予定の12カ国が、条約に署名しようとしていることを、憂慮している。
なぜなら、それが、多様な利害関係者と民主的な協議をすることなしに、秘密裏の交渉でつくりあげられた産物だからだ。
したがって、TPP(Trans-Pacific Partnership「環太平洋連携協定」)は、根本的な欠陥があり、署名または批准すべきではない。
今のところ条項には、各国による規制や、修正の余地がないからだ。

議会は、 TPP署名の事前と事後に、人権・健康・環境への影響評価が、確実におこなわれるようにするうえで、重要な役割を担っている。
また、TPPから脱退しても、「国家として生き残る」ことができる条項が、条約の中に組み込まれていることを保障させるという点でも、議会の役割は極めて重要だ。

国連「人権理事会」にたいする、私の2015年報告書(A/HRC/44/30)は、
この貿易協定の、時代遅れのモデルの主要な法的問題を説明し、21世紀にふさわしい、総合的な貿易協定をつくりだすよう要請した。
それは、人権と発展を条項のなかに組み込んだ、新しい型の貿易協定だ。
また、報告書には、具体的な「行動計画」も含まれており、人権と発展を犠牲にすることなく、貿易を発展させる戦略も提起されている。
また、その「行動計画」は、そのような貿易が、持続可能となるような指針も、定式化している。

国連総会にたいする私の2015年の報告(A/285/70)では、
「投資家ー国家紛争解決(ISDS:Investor-State Dispute Settlement )仲裁条項」は、根本的に不均衡、かつ不正・不当なものだととして、その廃止を呼びかけた。
なぜなら、この条項によれば、この特別法廷では、投資家は政府を訴えることができるのにたいし、政府は投資家を訴えることができないからだ。
貿易と投資の紛争は、国家の司法権、および国家対国家の司法体制にもとづきながら、法の支配の下で解決することができる。

ISDSをめぐる、最近30年間の憂慮すべき経験は、投資家と国家の間に、重大な非対称性があったことを示している。
これは、将来の貿易協定で、繰り返されてはならないことだ。
いま残されている選択肢は、 市民社会が要求しているように、現状のままではTPPに署名しないか、署名しても批准しないことだ。
それが、民主的に選出された、議会の責任である。

もし、TPPが発効すべきものであるならば、それが国際法に合致しているかどうかは、国際司法裁判所(ICJ:the International Court of Justice)で争われる必要がある。
ICJに要請すれば、ICJは今すぐにでも、勧告的意見を出すことができるだろう。
というのは、貿易協定と国連憲章との間に矛盾がある場合(これには国家の主権、人権、開発にかかわる条項が含まれている)、国連憲章が優先させるべきだと、ICJは宣言しているからだ。

世界中の監視団は、TPPに反対している。
なぜなら、それは、出発したときから、国際人権規約ICCPR(the International Covenant on Civil and Political Rights「市民的および政治的権利に関する国際規約」)の19条、および25条にたいする明確な違反であり、
それがもたらす「規制恐怖」‘regulatory chill’のゆえに、国家が不当な企業活動を、規制できなくなるからだ。
にもかかわらず、今や、企業のロビー活動家たちは、TPPを、署名のテーブルにまで持ち込むことに成功している。

もし、全ての関係12カ国で、TPPの賛否を決める国民投票が実施されれば、満場一致で拒否されることは、確実だ。

各国の貿易大臣が、2016年2月4日、難問山積のTPPに署名する目的で、ニュージーランドのオークランドへ集まってきたが、
署名式を前にして、私は、TPPの当事国政府にたいして、
「人権条約を遵守する義務」、および「持続可能な開発目標(the Sustainable Development Goals)を達成するという当事国の最近の公約」を再確認し、それを公に表明することを、ここに強く要請するものである。


<註1> 
アルフレッド・デ・サヤス氏(米国)は、国連の、「民主的で公正な国際秩序を推進」に関する、最初の「独立専門家」として、
国連人権理事会によって任命され、2012年5月に仕事を開始した。
氏は現在、ジュネーブ外交大学院の、国際法教授である。
詳しくは、下記を参照。
http://www.ohchr.org/EN/Issues/IntOrder/Pages/IEInternationalorderIndex.aspx

<註2>
前述の通り、TPPの協定文には、日本語による正文がありません。
しかも、5000頁をこえる大部のものです。
そこで、山田正彦氏(元農林水産大臣、TPP交渉差止・違憲訴訟の会幹事長)や内田聖子氏(アジア太平洋資料センター事務局長)などが中心となって、「TPPテキスト分析チーム」が起ち上げられました。
この集団によるTPP協定文の詳しい分析は、下記にあります。
アジア太平洋資料センターに掲載されている【TPP協定文分析レポート】
http://www.parc-jp.org/teigen/2016/tpptext201601.html
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日本からやって来た、すてきな若者たちと語り合い、感じたこと思ったこと

2016年10月31日 | 日本とわたし
もう零時をとっくに過ぎたので、HAPPY HALLOWEEN!!
(この二人が大統領選挙を闘っているってことが、マジでHALLOWEEN?!なアメリカ…)


さて今日は、日本からやって来た、すてきな若者たちに会いに、マンハッタンまで出かけました。







どっきょくん、愛基くん、まなちゃん、塩田くんの4人です!
SEALDs時代からずっと、ずっとずっと、画面の中の彼らと一緒に、怒ったり笑ったり泣いたりしてきたので、
今回、わかちゃんとどっきょくんが作ってくれたこのチャンス、にゃんとしても逃してなるものかと、発表会前の準備もほったらかして行って来ました。

彼らは、あと1週間に迫ってきた大統領選挙の様子を、生で体感してみたいということで、アメリカのあちこちに出かける予定なのですが、
バーニー・サンダーズの選挙活動に参加したわかちゃんの経験談や、こちらの選挙に対する市民の実態を聞きたいということで、
超過密スケジュールの合間を縫って、この食事会&お話会に参加してくれたのでした。

愛基くんもまなちゃんも、そして関西の塩田くんも在米のどっきょくんも、何の土壌も無いところから大きなムーブメントを作り上げた、あっぱれな若者なのだけど、
彼らがあっぱれであればあっぱれであるほど、負のエネルギーを背負った人間がワラワラと寄ってきて、
その背負っているネガティブ玉を、ガンガンと投げつけてくるという、困った現象が起こりやすい社会だから、
彼らの疲弊はもちろん、それでもなんとか立ち上がるんだと、自分を鼓舞し続けなければならない環境の厳しさを思うと、
よくもまあ、とりあえず元気そうで(もちろん時差ぼけで少々眠そうだったけど)、新しいアイディアを形にするために模索する気力を保っていることよと、
多分、彼らのお母さんよりもちょいと年上のおばちゃんのわたしは、嬉しいやら誇らしいやら、彼らの顔を眺めながら、ジーンとしていたのでした。

日本の政治活動には、悲壮感が漂い過ぎている。
考えや思いが、少しでも違ったりズレたりすると、会話がそこでストップしてしまうか、最悪の場合は、それまで培ってきた関係までも絶たれてしまう。
選挙というものに、市民が参加できない、しにくいシステムが作り上げられてしまっている。
政治的な運動に使う映像が、まだまだダサい。
視覚に訴えるものだから、お洒落な、あるいは新しい感覚のビデオを作ると、非難される。
市民活動というものが、まだまだ定着していないので、選挙の時だけ大慌てで活動し、そして選挙が終わったらスーッと消えてしまう。

そういう問題をなんとか解決できないものかと、彼らは戦略を考えている真っ最中なのです。
そこで、アメリカ在住組の女子たちと、オキュパイ運動に参加している人たちを撮り続けてきた黒田さん、そして内田くんが、こちらの様子を語りました。

まずは貴重な経験をしたわかちゃんから。
彼女は、バーニーのラリーを見たことから、彼に興味を持ち、ボランティア事務所に出向いたのだけど(ここが彼女の"まずは体当たり"のすごいとこ)、

でも、選挙権を持っているわけでもないし…と、さすがに中に入る勇気がなくてウロウロしていたら、
中にいる人から声をかけられて話をしているうちに、ボランティアすることになったそうです。

やることになったのは、ボランティアをまとめている事務所の手伝い。
なので、ボランティア運営方法を間近に見て、やり方を理解できるようになったわかちゃん。
ウェブサイトで何回となく見てきた、バーニーのボランティア運営の実際を、細かく知ることができたその話は、とても興味深かったです。

彼のウェブサイトの最初の画面に現れてくるのは、まず募金です。
金額はなんと5ドルから。
もちろん上はいくらでも大歓迎なのでしょうけれども、あなたがしようと思う金額はいくらですか?と、直球で聞かれます。
わたしは(金額的にちょっとトホホなのですが)、この5ドル募金を何度もやりました。
その募金をやった後に出てくるのが、ボランティア募集のページ。
そこには、事細かに、どのようなボランティアがあるのかが書かれてあって、そこから選べるようになっています。
電話かけには、シンプルで分かりやすいマニュアルが用意されていて、それを元にして話を進めます。
でも時には、話がうまく進まないような場合が出てきます。
そうすると、ボランティアの前に設置されたモニターに、こう言ってごらんと、答える言葉が打ち出されてくるのだそうです。
余計な事は一切言わない。強制もしない。
電話かけをする時間割は、1時間ごとに区切られていて、そこから自分のやりたい時間を選べるのだそうです。

そして(これはわたしの経験談なんですが)、一度でも募金をしたり、名前を登録したりすると、
『近所のスタバの前で募金活動するけど、来る?』とか、
『どこそこのお家で、支援ポスター作るけど、来る?』、みたいな調子で、
毎日のように、知らないけれども結構近所に住んでる、別に運動員でも何でもない人から、メールが送られてくるようになります。
行きたかったら行く、やりたかったらやる、やれる時間が合えばやる、というノリで、だからちっとも重荷にならないのです。

アメリカも(というか、特にアメリカは、とも言える)てんこ盛りの問題を抱えている国だけども、
政治が毎日の暮らしに染み込んでいる度合いは、日本のそれよりもうんと高いです。
小学校の低学年のクラスで、『大統領への道』なんていうテーマで、候補者になるにはどうするか、などということを、ちびっ子たちが学んでいます。
中学高校では、討論クラブというものがあり、自分が望んでいない意見を自分の意見として会話を進めたりしながら、
どのような状況でも、気持ちをブレさせず、冷静に最後まで討論を続けることができる能力を競う大会があったりします。
だから、当然のように、政治のこと、議員のことなどが、子どもから大人まで、普段の会話にガンガン登場します。
選挙が近づこうものなら、毎日の挨拶代わりに、候補者の名前や政策について、短い会話を交わします。
「今日は天気がいいよね〜」と言ってるぐらいの気軽さで。

そして何より、討論をしている間に、違う意見、納得がいかない意見が相手の口から発せられても、
それはそれとして聞き、だからといって感情的になったり、拒否したりせずに会話を続けることができます。
たとえ感情的になるようなことがあっても、すぐに切り替えることができます。
そしてその、討論能力は、家庭の場で、学校で、職場で、まだ小さい子どもの時から、繰り返し繰り返し習得されていくものなので、
それが色々な場で、色々な人種の間で、色々な文化や言葉や立場の違いを乗り越えて、会話の終わりに、いい話ができたねと、にっこり笑って別れることができるのです。
だから、最終的に同じ思いである、同じ方向に進もうとしている、同じ目標を目指しているのならば、
性質ややり方や考え方や計画に、ズレがあったり相違があっても、いい関係やつながりを保っていけるので、
運動の幅や深さが、どんどんと大きくなっていき、人の動きも多様性を増していくことになります。

そういう運動の一部として、町や市の議会に頻繁に足を運び、議会を監視する人が多いし、それは有権者として当たり前の行動だと思っています。
そうかと思えば、自分たちの考えや要求を聞いてくれと、自分たちの家に議員を呼び、話をし、それについて議会で話し合って採決してくれと迫ったり、
その採決の行方をめぐっては、もちろん議会に足を運び、それに反対するような議員は、次の選挙は無いものと思えとばかりに鋭い視線を注ぎます。
その迫力たるや…何回も目の当たりにしましたが、議員がとてもナーバスになっているのがよく分かります。

などなどの話をしているうちに、これってはっきり言って、日本会議がこの50年もの間、コツコツと積み重ねてきた運動じゃん!という結論に至りました。
日本会議は、とても民主的な運動でもって、非常にひん曲がった方向に、日本を動かそうとしてきました。
方向は間違っているけれども、方法はお手本にできる。
日本会議にできることは、わたしたちにもできる。
わたしの中に、そんな希望が、ふつふつと湧いてきたのでした。

「体が少なくともあと5つ欲しい」と言った愛基くん。
「ひどい言葉や、卑猥な画像を送り付けられたりして、SNSを閉じました」と言ったまなちゃん。

SEALDsの中心に立っていた若者たちの中には、そういった度を越した中傷や言葉や映像の暴力を受け、心を病んでしまったり、活動を一切止めてしまった人もいます。
さらには、就職活動を妨害されたり、運動を理由に、採用を拒否された人もいます。
なんて悲しい社会でしょうか。

それでも、いや、だからこそ、まだまだやっていきたい、やり続けなければならない。
結果は、自分たちの世代では出ないかもしれない。
自分たちの次、いや、その次でも、出ないかもしれない。
でも、やり続けなければ、誰かが始めなければ、それは永遠に出ないまま、どんどんと国は弱り、困り果て、いずれは消えて無くなってしまうかもしれない。
だからやる。
その誰かになる覚悟をした若者たちの目は、見つめれば見つめるほどに愛おしく、まだこちらが励まされるような力が宿っていました。

市民運動に積極的に関わっている若者にこそ、良い就職先が見つかりやすく、生活の基盤をしっかり保ちながら、さらに運動を盛り上げていける環境がある。
そういう社会を実現させなければなりません。

なぜならば、世界の問題解決よりもまず、自分を取り巻いている問題を解決しないと、何も始められないし考えられない。
自分が生活していけるかどうかもわからないのに、そんな世界の問題について考えるような、そんな余裕なんて無い。
これは、愛基くんが沖縄時代に過ごした、彼と同年代の若者の言葉です。
だから動けない。
まずは今日、明日の暮らしを成り立たせないといけないから。
高江や辺野古に、沖縄の若者の姿が無いと、不満や疑問を投げつけてくる人がいるけれど、そういう現実があることも知って欲しい。

若者の閉塞感、貧困を、まずなんとかしなければなりません。
そういうところに目を向け、素早い政策を実行し、結果を出せる人を、政治の舞台にどんどん上げていかなければなりません。
政治家の政策を待つのではなくて、こちらから政策を政治家に与え、それを実行させる。
困っている若者が、自分たちの暮らしの向上を実現するための政策を政治家に与え、それを実施させる。
それぐらいの強い態度を見せていかないと、政治家はどんどんこれからも劣化していってしまいます。

公職選挙法も、世界一高額な供託金制度も、学校の教育も、国会での質疑応答の猿芝居方式も、記者クラブ制度も、
どれもこれもが、市民を政治の世界に近づけないようにしよう、近づきにくくしようというものばかり。
もう国ぐるみで、あえて言えば国策で、政治をどんどん質の悪いものに、非民主的にしていこうとしているのですから、
そんなものを相手に闘おうというのは、相当な根気と体力と楽観力が必要になってきます。
だから、ひとりやふたりにお任せ、というふうにしてはいけない。
責任者にならせてはいけない。
いったい誰が、どこで、どんなふうにやってるのかもあやふやな、だけでも誰かが、どこかで、何かをやってるというような、
良い意味での『顔無し』『名無し』が、いろんな思いや願いを抱えながら、同じ目的に向かって協力し合っていく。
そんな多様多彩なムーブメントが、日本全体津々浦々で、じわじわと広がっていく様を、
わたしはこれからも、強く願いながら、彼らのような素敵な若者たちを、心から応援していこうと思います。

今日は、逢えて本当に嬉しかった。
楽しい時間をありがとう!


食事のあと、次の訪問先へのフライト待ちを使って、チェルシーマーケットまで出かけることに。




せっかくだから、記念写真!
どっきょくん、荷物デカ過ぎ!




チェルシーマーケットは、思いっきりハロウィーン仕様。






さて、ニューヨーク組は、「ダコタパイプライン建設反対アクション・マネキンモブ」をすることになりました。
12月最初の週末ということで、その頃わたしは日本から戻ったすぐで、マネキンやってる間に、目が白目になってしまうかもしれないけれど、がんばるぞ!


*おまけにしちゃってごめん!
どっきょくんの、アメリカ大統領選のリポートです。
彼が自分の目で見て、足を運んで、参加者へのインタビューもして、感じたこと、考えたことを書いてくれています。
↓以下の各写真をクリックしてください。リポートが出てきます。


http://sealdspost.com/archives/4660

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