ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

日本の空と海と地面を、米軍の軍事訓練に使われているということを、あなたはどう捉え、考えていますか?

2016年12月17日 | 日本とわたし
佐賀県では、自衛隊の、オスプレイ配備計画が立てられています。
一昨日16日、防衛省は、沖縄でのオスプレイ墜落事故を受け、
「仮に、佐賀にオスプレイ配備された場合でも、墜落事故の原因とされる「空中給油訓練」に関しては、空港周辺や有明海上、訓練飛行経路上では想定していない」と説明しました。

防衛省は、「沖縄と違って、佐賀では危険な訓練はしませんよ」と言っているに等しいのです。
 
ちなみに、北部訓練場のヘリパッドがすべて完成すれば、年間4000回も、沖縄上空で、オスプレイの飛行訓練が行われると言われています。
(日刊IWJガイド・オスプレイ墜落の現場を歩く原佑介記者の報告)より


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海が美しすぎる…さぞ汚されたのだろうなあ…。


どんな場所でも、どんな状況下でも、どんな立場の人間でも、記念撮影をしてしまう現代人(?)、と考えればいいのでしょうか?


『着水』だ、『不時着』だ、『制御された不時着』だ。
いや、あれはどう見ても『墜落』だ。
『謝罪』になっていない。
いや、『遺憾』は『謝罪』と同じ意味だ。
それよりあなたたちは、『責める』前に一言でも、負傷した乗員の容態を『案じる』ことはできないのか。

様々な言葉が行き交った数日間に、ずっとわたしの頭の中に渦巻いていたことは、報道に携わる人たちの姿勢がやはり、劣化しているのではないかということでした。
一部の方々を除き、言葉遊びに終始するだけで、一番根っこの部分(普段は隠れて見えないけれども、ここが問題の根っこなのだという部分)を、
このような事故が起こってもなお、誰も、どの社も、浮かび上がらせて検証し、考察し、そしてそれを記事に書こうとしません。

このオスプレイに限らず、今までも、沖縄県沖の上空で、空中給油の夜間訓練を実施されていました。
そして、訓練中の事故により、普天間地区の集落からほんの1キロメートル先に墜落したのです。

米軍の普天間飛行場は、住宅密集地(文教区も含む)のど真ん中にあり、『世界一危険な基地』と呼ばれています。
第二次世界大戦前の、あんな巨大な飛行場が建設されてしまう前のこの地域には、美しい水をたたえる泉が点々と存在していました。
人々は、その泉を水源にして、土壌の豊かな丘陵地で、畑作を営んでいました。
そしてあの、世にもおぞましい地上戦に巻き込まれ、4人に1人という大勢の人たちの命が奪われ、強制隔離されていた捕虜収容所から戻ってきたら、勝手に基地が造られてしまっていたのです。

1945年、沖縄戦の最中に、アメリカが用地を接収し、陸軍基地として建設。
1960年、海兵隊に移管。
1972年、沖縄返還が実施されたが、日本が米軍に提供するかたちで存続が決定。
基地面積の約9割が私有地。
今現在、約2800人の地権者がいる。
以前から、事故の危険と騒音に苦しむ周辺住民の間では、基地閉鎖を求める声が上がっているが、
普天間基地は、米軍の極東・中東戦略の重要拠点となるため、基地閉鎖の実現はかなり困難である。


太平洋戦争での敗戦、降伏により、1945年から日本は、アメリカ軍を中心とする連合軍によって占領されていました。
この占領は1951年、サンフランシスコ平和条約が結ばれたことによって終了した、と表面上では言われていますし、
わたしもそれを、つい最近までの間、ずっと信じてきました。
けれども、沖縄の基地問題を学んでいるうちに、占領はまだ終わっていないではないか、と思うようになりました。

サンフランシスコ平和条約が結ばれた際に、同時に結ばれた日米安全保障条約(日米安保)によって、占領終了後も、アメリカ軍が日本に居残ることになりました。
そしてその日米安保条約と、アメリカ軍やアメリカ軍の軍人・兵士らが、日本国内において、法律的にどのような地位でいるのかを定めた協定である、日米行政協定(1960年地位協定として正式に条約化)が結ばれました。

この条約によって、アメリカ軍に施設や地域を提供する、具体的な方法が定められ、その施設内での特権や税金の免除、兵士などへの裁判権などが与えられています。

また、アメリカ軍の兵士・軍人などについても、一応は日本の法律を守るよう義務付けられていますが、
同時に、旅券(パスポート)やビザについては不要、軍発行の運転免許証で国内を走行できるなど、数々の特権が与えられています。

さらには、アメリカ軍内部での犯罪や、アメリカ軍兵士・軍人や関係者、家族同士の犯罪の場合、アメリカ軍に優先的な裁判権があることになっています。

また、アメリカ軍の公務中、つまり兵士・軍人として働いている最中の犯罪・事件などについても、アメリカ軍に優先的な裁判権があることになっています。

そして、1978年から毎年、日本国民の血税から米軍に支払われる『思いやり予算』。
1978年は62億円だったのに比べ、去年の2015年には、1,899億円に膨れ上がっています。

あのニコルソン中将の、非公開の会見と記者会見で見せた態度は、そのような恩恵と支援の上にあぐらをかいた人間の姿として、わたしの目には映りました。

片肘をついたり、


仁王立ちで腕組みしたり、


「住宅地を避けるために航路を変更し、名護市の東岸を目指したパイロットを誇りに思う」

このようなことは、米軍内部の集まりの中で言えばいいのではないでしょうか。
沖縄は日本の県の一つです。
そのような民間の、空や海や土地を汚したり、壊したりしたのです。

確かに、オスプレイの空中給油は、他の軍用機と比べ、難しいとされています。


が、オスプレイの低空飛行は常に、住民の方々に、墜落の恐怖と耐え難い騒音被害を押し付けています。
そんな中、不慮の出来事から誘発された事故の、最悪の結果を回避する決断と努力は、極々当たり前のことです。
その努力の結果、最小限の被害(?)に収められたことは、褒めるに値するかもしれませんが、
事故を起こした側の責任者として会見を開いているのに、まるで部下を前にして説教を垂れているような口調と態度をみると、
やはり米軍内部には、日本を占領しているという意識があるのではないか、と疑われても仕方がないと思います。

軍人ならではの理屈と強弁。そして不遜な態度。
それを全く指摘しない(できない)、政府と当時あの場にいた人たち。
日本は属国であり、沖縄はまだ戦後の占領下にいる。

そのことに気づき、わたしたち日本の沖縄のために、自分自身のために、そして未来の子どもたちのために、
属国と占領のしがらみから、一歩外に足を踏み出さなければならない。
まずそのためには、この事故を終わったこととして流さず、日本における『米軍の軍事訓練』を、日本市民がどう受け止め、暮らしの中に位置づけるのか、
そのことについて、日本全土できちんと話し合わなければならない時がきているのではないか、
そんなことを、しみじみ考えさせられた数日間でした。

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先日のオスプレイ墜落事故に関する、ニコルソン中将による記者会見(質疑応答)の内容を、勝見貴弘さんが翻訳してまとめてくださいました。
勝見貴弘さんは、HRN事務局次長、Office BALÉs代表を務め、今年の10月まではWFM本部執行理事を、8月から10月までは参議院議員秘書(外交安保担当)をしておられた方です。
また、IT通訳翻訳者でもある勝見さんが訳してくださった文章は、とても読みやすく、的確にまとめられているので、ここで紹介させていただきます。
勝見さんはまず、英文の文字起こしをされ、それを日本語に翻訳してくださったわけですが、
30分の日本語のビデオの文字起こしでさえ、4〜5時間かかるわたしにとって、この作業の大変さは、気が遠くなるほどのものです。
本当にありがたいと思います。

ツィッター上に流されたツィートのまとめは、ここでお読みください。
色分けをしてくださっているので、とても読みやすいです。

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↓以下、転載はじめ
普天間沖での、MV-22オスプレイ墜落事故に関する、在日海兵隊司令官・四軍沖縄地域調整官ローレンス・D・ニコルソン中将による記者会見①(質疑応答編)
【会見書き起こし&全文対訳】2016.12.14
http://tkatsumi06j.tumblr.com/post/154513044606/動画付き会見書き起こし全文対訳20161214普天間沖でのmv-22オスプレイ墜落事故に関
出典:公式Facebook動画『Live: Lt. Gen. Lawrence Nicholson on the MV-22 Osprey incident. Tune in now.』|III MEF Marines(2016年12月14日)
※23:00辺りから




背景

2016年12月13日、オバマ大統領の任期終了まで1か月というところで、遂に起きてしまった、日本国内での、在沖海兵隊所属MV-22オスプレイ輸送機の「墜落」事故。
幸い、乗組員は少なく5名のみで、全員生還したという。
また、地元にも、人的・物理的被害は、まったく生じていない。
当初、『個人声明』を出した段階で想定していたように,やはりパイロットは、住宅地を避けて、懸命な、人道に配慮した操作を行っていた。
が、賢明な努力にもかかわらず、最終的には、機体は「墜落」「大破」していた。
 
バザップによると、国内の報道では、「着水」「不時着」「不時着水」等(読売・産経・日経・朝日・毎日・時事・NHK系)、表現が乱立したが、
国外では、Go Down(墜落・落ちる)、Crash(墜落)、Mishap(不慮な事故)、Ditch(不時着)という表現が、同じく乱立した。
とくに注目されたのが、軍関係の『海兵隊タイムズ』や『星条旗新聞』(但し正規の機関紙ではない)が、「Crash」を使用したことだった。
 
では、肝心の、在沖海兵隊の当初(12/13)の公式発表はというと、"landing in shallow water"(浅瀬への着水)だった。
後日(12/14)の記者会見でも、この表現は大筋では変わらなく、唯一、"hard-landing"(強硬着陸)であることを認めるに留まった。
一方、日本語版在日海兵隊公式サイトは同日(12/14)、「浅瀬に不時着」という表現を使用した。
最終的に、在沖海兵隊第三海兵遠征軍司令官で、在日米軍沖縄地域四軍調整官 (OAC) である、ローレンス・D・ニコルソン中将は、「制御された着陸」("controlled landing")だった、との見解を述べた。
 
以下は,その発言を行った記者会見を、英語で書き起こして全訳したものである。
通訳は完全に無視して、あくまで独自に書き起こした原文を翻訳している。
 
今回はその『会見本編』。
動画では、冒頭から会見が始まる。



在日米軍側登場人物
Lieutenant General Lawrence D. Nicholson
ローレンス・ニコルソン中将

第三海兵遠征軍司令官及び在日米軍沖縄地域調整官
Major General Russell A. Sanborn
ラッセル・サンボーン少将
第1海兵航空団司令官

国内メディア側登場人物
※氏名及び内容など聴き取り可能な方,情報提供お願いします。
毎日新聞・サトウ記者
○○記者(素性不明)
共同通信・スダ記者
沖縄タイムス・ヤスダ記者
○○記者:(聞き取り不能)
沖縄テレビ・ヨシダ記者
時事通信・○○記者
琉球新報・ナガミネ記者


『質疑応答編』

①『謝罪』について-I

毎日・サトウ記者: 
毎日新聞のサトウと申します。
今回の事故について説明がありましたけれども、今回の事故については、沖縄県民は、大変な不安と恐怖を感じていると思うのですけど、調整官のほうから謝罪の言葉はないのでしょうか。

Lt.Gen. Nicholson: 
We spoke with Vice Governor Ageta. We have regret… We regret… We certainly regret this accident. But we do not regret the great work of a young pilot and the decision he made not to endanger the Okinawan people.And I think we must understand:Yes, we regret that this accident took place, but this was good, hard training that we were doing. So… yes, of course we regret the incident. Absolutely we regret the incident.Does that answer you question?
ニコルソン中将: 
先ほどアゲタ副知事ともお話しましたが、遺憾には思っています。遺憾です。この事故については、当然ながら遺憾に感じております。しかし、わが若きパイロットが行った素晴らしい働きと、沖縄の人々に類が及ばないようにと行った判断については、遺憾に思っておりません。事故が起きたことは遺憾に思っておりますが、しかしこれはとても良質で、困難な訓練のためであったことを理解していただきたいと思います。勿論、事故のことは遺憾に思っております。全くもって遺憾に思っております。これで質問の回答になっているでしょうか?



②『謝罪』について-II

○○記者(素性不明): 
ということは「謝罪」はしないと?

Nicholson:
What does “regret” mean? Regret is an apology.We absolutely regret the incident, and I think a… regret IS an apology.Okay? Next question.
ニコルソン中将: 
"Regret"(遺憾である)とは、どういう意味でしょうか。『遺憾である』ということは、"apology"(謝罪)を意味します。『われわれは全くもって、今回の事故を遺憾に思っております』──『遺憾』は『謝罪』なのです。よろしいですか?では次の質問を。



③ 他のオスプレイの胴体着陸の報について

共同・スダ記者: 
共同通信のスダと申しますけども、昨日、普天間基地で別のオスプレイが胴体着陸、ベリーランディングしたという情報があるのですが、それは事実でしょうか?

Nicholson:
Right. Yes, we had an Osprey last night, also that had been flying last night, to effect a safe-landing on the pad, an alternate pad at Futenma.Regular, safe-landing, but had a problem with the landing gear. General Sanborn, may be you add more to that while she translates?
ニコルソン中将: 
はい、そうですね。昨晩、別のパッド、普天間のパッドに安全着陸を試みたオスプレイがありました。通常の安全な着陸でしたが、ランディングギアに問題がありました。サンボーン将軍、何か追加することがあれば、彼女が通訳している間に…。


沖縄タイムス・ヤスダ記者: 
沖縄タイムスの記者のヤスダと申します。昨日の件について、日本政府やアメリカ側は『着水』とか『不時着』という言葉を使っておりますけれども、機体は大きく損傷していて、『墜落』ではないかという見方もあるのですがが、どのようにお考えでしょうか。

Nicholson:
So about the “Osprey in the water,” as he came in trying to get closer to the shore… is it a ‘crash’? Is it a ‘hard-landing’? Is it a ‘controlled’… I think we’re missing on words. The important point is that the pilot was trying to get to the shore. He saw the shore, he tried to get to the shore, and he ‘brought the plane down’ on shallow water, which was not very deep water, as close to the shore as possible, without going over the buildings. So I would say it was a ‘controlled’ landing,“ but surely, there was absolute damage to the aircraft as he landed the airplane.”
ニコルソン中将: 
"Osprey in the water"(オスプレイの着水)についてですが、彼は海岸に近付こうとしていて…あれがcrash(墜落)だったのか、それともhard-landing(硬着陸)だったのか。それともcontrolled(制御された)…言葉に囚われすぎだと思います。ここで重要なのは、パイロットは海岸に辿り着こうとしていたということ。海岸が見えたので、居住地の上空を飛行することなく、海岸にかぎりなく近いところまで辿り着こうとした。そして浅瀬に機体を降下させた(brought the plane down)。しかも本当に浅い箇所だった。なので私は"controlled landing(制御された着陸)"であったと思う。しかし、着陸を試みたときに機体を著しく損傷した。それは確実です。



④ 波の力による機体の破壊(質問外)

Nicholson:
So I know the airplane today in the water was pounded everywhere by the waves. So… any more about that?
ニコルソン中将: 
ですから、機体のあらゆる箇所に波が激しく打ち付けたのです。 (サンボーン少将に向かって) このことについて付け加えることは?


Maj.Gen. Sanborn:
Yes, Sir.The wave action alone was causing the aircraft to break apart.Hence, that’s why we put security around it while we wanted to quickly have salvage & rescue going on.
サンボーン少将: 
はい、閣下。波の活動だけで機体が分解されていきました。だから、機体の周囲の安全を直ちに確保してサルベージ&レスキューを迅速に展開しようしたのです。


Nicholson:
So the [damage of the] airplane today is based on the waves. It certainly had it breaking apart into little bits. It was a hard-landing. It was not a good landing for the airplane.But it was enough that all five people can survive. And I think that’s important.
ニコルソン中将: 
したがって機体〔の損傷は〕基本的に波によって生じたものでした。機体を散り散りに分解するだけの力があったようです。勿論、強硬着陸でした。機体にとってよい着陸ではありませんでした。しかし、それでも5名が生存できる程度のものだったのです。私はそのことが重要だと思います。



⑤住宅地の回避行動について

○○記者: 
(聞き取り不能)墜落サイトは安部集落までとても近いところだったと思うのですけど、パイロットの方はその近くに集落が存在することを認識されていたのでしょうか。そこにランディングさせたことについてはいかがお考えでしょうか。

Nicholson:
I’ve talked to the pilot. I’ve talked to the Squadron Commander. He knew exactly where he was. And that’s why he went in where he did, because he knew there’s a residential area, there.I think it was a conscious decision not to try to fly over but to go down. Because he knew the plane was in trouble.
ニコルソン中将: 
パイロットと話しました。航空隊の司令官とも話しました。彼は、自機がどこにいるか正確に把握していました。だから彼はあの方向に向かったのです。居住地であると知っていたからです。そして、彼はその上を飛ぼうとはせずに,墜落させるという意識的な判断を行ったのだと思います。機体に問題が生じていることを把握していたからです。



⑥生存兵たちの容態について

沖縄テレビ・ヨシダ記者: 
沖縄テレビのヨシダと申します。よろしくお願いします。いま2人が治療中ということなのですけれども、具体的な容態、意識があるのかなどについて教えていただけないでしょうか。

Nicholson:
Thank you. Thank you for your question. It’s a nice question to have. Yes, both arrived conscious, both were able to talk when they came in. One of them we think will be released tomorrow with some broken bones [pointing at the shoulder]. The other one is a little more serious and will be in a little longer. But thank you for the question. And we expect, again one to be released tomorrow, the other will probably be there a few more days, may be another week.
ニコルソン中将: 
ありがとう。この質問をしてくださってありがとう。とてもうれしい質問です。はい、両名とも到着時には意識があり、両名とも話すことができました。1名は明日、骨折を抱えながら〔肩を指しながら〕退院できると思いますが、もう1名のほうは若干深刻でもう少し入院を続けるでしょう。でも、訊いてくれてありがとうございます。繰り返すと、1名は明日退院できて、もう1名はあと数日ほど、あるいは一週間ほど入院が必要でしょう。



⑦沖合での訓練の重要性について

時事通信・○○記者: 
時事通信の○○と申します。普天間の基地近くに住まわれている一般市民の方々のお話を訊くと、『今回海の上に落ちているんだから、自分の家の上にも落ちるかもしれない』というような懸念を持っている地元住民の方が多くいらっしゃいます。そういう方々に対して、中将は一体どういう説明ができるのでしょうか。

Nicholson:
So, there’s a reason we train so far offshore. There’s a reason our Harriers and our Hornets train a 150 miles offshore, doing air-to-air combat maneuver, a 150 miles offshore, in designated training areas approved by the Government of Okinawa and the Government of Japan. This is where we train. And we don’t do it over Naha or Ginowan City or Urasoe. We don’t do that here.
ニコルソン中将: 
われわれが遠く沖合で訓練を行うことには理由があります。われわれがハリアーやホーネットの空対空戦闘訓練を150マイル(約230キロ)離れた、沖縄政府と日本政府が認めた指定訓練区域のある沖合で行うことには理由があるのです。われわれはそこ〔訓練区域〕でしか訓練を行いません。那覇や宜野湾市や、浦添市〔の上空〕ではやらないのです。


Now, for Ospreys, it’s the same thing. We don’t do refueling with tankers. We don’t hit tankers over land.All refueling is done… 10, 20, 30 kilometers offshore.And that’s obviously [from] our concern for the safety of the Okinawan people. We do it as much offshore as we can. You don’t hear helicopters flying in the night. Where are they flying most of the times here in Okinawa? Offshore! Doing big loops around the island, offshore. Our refueling and our work is done offshore.
オスプレイについても、同じです。エアタンカーを使った給油〔訓練〕は島の上空では行いません。タンカー給油も島の上空では行いません。給油訓練はすべて、10~30キロ沖合で行っているのです。明らかにこれは沖縄の人々の安全を考慮してのことです。かぎりなく沖合に離れて行うようにしているのです。夜間ヘリコプターの飛行する音は〔滅多に〕聴かないでしょう。では大半の間は沖縄のどこを飛行しているのか?沖合ですよ!島の周りをぐるぐると大きく周りながらね。給油訓練もその他の訓練も〔すべて〕沖合で行っているのです。

Now, yes. Sometimes we fly Ospreys into landing zones,because we have to practice that.We have an obligation to be ready when called, with our full set of skills.
たしかに、時にはオスプレイが離着陸ゾーンに飛来することがあります。しかしそれは、その訓練が必要だからです。出動がかかった時に即時に対応するためには、あらゆる技術を完全に身に付けておく必要があるからです。


⑧ 海保や警察の協力について

琉球新報・ナガミネ記者: 
琉球新報のナガミネといます。今回、事故現場ですべて …(以下聴き取り不能)

Nicholson:
We could not do the investigation. We could not secure the crash site. We could not do a lot of things without the Japan Coast Guard and without the police. They’re providing incredible support for us to be able to begin salvage operations. So that’s a very very important piece. They all are… they are critically important. And without them we can’t get anything done. Especially, since it’s not on our base. So it’s not on base… and without their support, we will have tremendous problem. We would not be able to effectively investigate.
ニコルソン中将: 
海上保安庁や警察がいてくれなければ、捜査はできません。彼らがいなくては現場の確保もできません。多くの様々なことができません。サルベージ活動を行うために、大変心強い支援をくださっています。だから、彼らは〔われわれの活動にとって〕大変に大事な一部です。不可欠といえます。彼らがいなければ、何もできません。とくに、基地内ではないからです。そう、基地内ではないのです。ですから彼らの支援がなければ、大変なことになっているでしょう。効果的な捜査を行うことができなくなっていると思います。



締めの挨拶

⑨「謝罪」について-Ⅲ

Nicholson:
Okay, alright.
Let me wrap it up.
Ladies and gentlemen, first of all, thank you for attending.
You asked a tough question [pointing at somebody in the audience].
ニコルソン中将: 
では、ここで締めくくりたいと思います。紳士淑女の皆さん、まずは来てくださってありがとうございます。
 (誰かを指さして)難しい質問をされました。「謝罪はないのかと」と。


Do I apologize?
謝罪はないのか?

I do apologize.
謝罪はあります。

a.「謝罪」すること

I apologize to the Okinawan people, who, perhaps will lose faith and confidence in the Osprey based on this accident. And I hope that they will not. Because I hope after we have explained why we believe the Osprey went down–after striking the fuel line–that they will understand that this is not a mechanical issue with the Osprey.
この事件によってオスプレイに対する信用や信頼を失ってしまうかもしれない沖縄の人々に謝罪します。そして、そうならないことを願います。オスプレイが墜落した("went down")のが、機体システム上の不具合ではなく、給油ホースの直撃を受けてのものだという説明で理解いただけることを願います。

b.「謝罪」しないこと

Here’s what I don’t apologize for.
私が謝罪しないのは次のことについてです。

I don’t apologize for the hard work we’re doing every night offshore in training.
われわれが沖合で毎夜訓練を行っていることについては、謝罪はしません。

I don’t apologize,okay, for the many hours that our marine sailors, soldiers, and airmen are working in defense of this alliance.
わが海兵隊員たち、水兵たち、陸兵たち、航空兵たちが、この同盟を衛るために何時間もの時間を費やしていることについては、謝罪はしません。

I don’t apologize for the time away from home and deployments that our marine sailors, soldiers, and airmen have in the defense of Japan.
わが海兵隊員たち、水兵たち、陸兵たち、航空兵たちが、日本を衛るために、家を離れて時間を過ごし、〔日本に〕配備されていることについては、謝罪はしません。

We work hard together with the Government of Japan. And I… I have no apologies for that. That work we do is important.
われわれは日本政府とともに汗水を流しながら〔国防に〕取り組んでいます。そのことについて謝罪することはありません。その取組みは重要だからです。

So we don’t apologize for our training, and we don’t apologize for being ready.
ですから、訓練については謝罪はしません。また常に即応体制を整えていることについても、謝罪はしません。

But we’re grateful.
しかし謝意は示します。

We’re grateful for the great partners; the Japanese Ground Self-Defense Force, the Japanese Air Self-Defense Force, the Japanese Maritime Self-Defense Force.I’m grateful for those partners that we work with everyday in the defense of this alliance.
われわれは、素晴らしいパートナーたちに感謝しています。日本の陸上自衛隊、日本の航空自衛隊、そして日本の海上自衛隊。この同盟のための毎日ともに防衛に取り組む彼らパートナーたちに感謝しています。

I hope that many Okinawan will look at the Osprey, after four years of successful performance here in Okinawa, and agree and understand that is a very valuable, and important part of the defense of this alliance.
沖縄の多くの方々に、オスプレイの、沖縄におけるその四年間の良好な実績をみて、オスプレイがこの同盟関係を衛る上で、いかに希少で重要であるかを理解いただければと思います。

I hope you’ll understand and agree that there is risk and danger in training; at night, in good weather and bad weather, but that… that training is necessary, and that training is important for our two countries.
そして夜間の訓練には、それが良い天候であれ悪天候であれ、リスクと危険が伴い、それでも訓練は必要であり、訓練は日米両国にとって重要であることを理解し、共感していただければと思います。

And I hope you’ll agree that we should all be very proud of our flight crew, that took a bad situation and prevented it from becoming a disaster.
そして、最悪の事態が大惨事に至ることを防いだわがフライト・クルーたちをとても誇りに思うということにも、共感し、ともに誇りに思っていただければと思います。

Again, I thank each of you for coming today.
I hope you have great holiday season.
今日おいでくださった皆さんひとりひとりにあらためて感謝申し上げたいと思います。
皆さんがよい休暇を過ごされるよう願っております。


We regret this incident. Absolutely, we regret this incident. But we know, all of us in this room know how important our training is.
われわれはこの事故を遺憾に思っています。まことに、この事故は遺憾であると思っています。しかし、この部屋にいる皆さんはもう、訓練がいかに重要であるか、わかっていただけたかと思います。

Thank you.
Arigato gozaimasu.
ありがとうございました。
アリガトウゴザイマス。


『会見本編』へ続く


参考文献

・【比較】オスプレイ墜落事故、各報道機関はどう伝えたのか|BuzzAp!(2016年12月14日)
Crew rescued after MV-22 incident off coast of Okinawa | MARINES(2016年12月13日)
II MEF Commander addressed MV-22 incident off the coast of Okinawa|MARINES(2016年12月14日)
(日本語)オスプレイの乗組員を無事救助|在日米海兵隊(2016年12月14日)

・(日本語) 在沖縄米軍トップがオスプレイについて記者会見
|在日米海兵隊(2016年12月16日)※NEW
・個人声明『沖縄県キャンプシュワブ沖で起きたMV-22オスプレイの”海上への墜落”事故に関する個人声明』(2016年12月14日) ※英語が原文

⚪︎日:http://www.twitlonger.com/show/n_1speeu5
⚪︎英:http://www.twitlonger.com/show/n_1speerh
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