ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

こんなこと祝うな!「51%の使えない土地を返して残りを最大限に開発し、オスプレイの訓練区域を広げる」

2016年12月21日 | 日本とわたし
この写真が目に入ってきた時、胸の奥がズキンと痛みました。
まるで、森が深くえぐられ、膿と血の混じった体液が滲んでいるかのように見えて、本当に苦しく、悲しい思いでいっぱいになりました。


いったいどうして、こんなことが起こってしまうのでしょうか?

今日22日は、この森の破壊を祝う日です。
祝ってなるものか、と思っていたら、「祝う必要などない」という声が聞こえてきました。

「祝う必要ない」 北部訓練場返還式典 海外識者が声明
【琉球新報】2016.12.19
http://ryukyushimpo.jp/news/entry-414577.html#prettyPhoto



【ワシントン=問山栄恵本紙特派員】
米国やオーストラリアなど、海外の識者や市民運動家22人は17日、
名護市で予定される、米軍北部訓練場の過半の返還に伴う式典に対し「祝うことなどない」と題する共同声明を出した。

声明は、翁長雄志知事が、東村高江周辺でのヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)新設を止めるために、効果的な行動を起こさなかったと批判し、
「返還が、周辺地域の軍事強化につながる限りは、何も祝うことを見いださない」と強調した。

共同声明を出したのは、オーストラリア国立大のガバン・マコーマック名誉教授、国際平和ビューロー副会長のジョセフ・ガーソン氏、元米陸軍大佐で外交官も務めたアン・ライト氏ら。
 
声明は、日米両政府によるヘリパッド建設強行を批判し、市民らによる反対運動を支持する、と表明
オスプレイ墜落事故で、
「沖縄の人々は、危険性への恐怖感を新たにしている」と指摘した。
 
県、県議会に対しても、機動隊による実力行使を阻止するための、効果的な対策を講じなかった、と批判した。
 
声明は、オバマ大統領、安倍晋三首相、翁長雄志知事、新里米吉県議会議長宛て。







サンデーモーニングが、沖縄の高江の現状を、詳しく報道しました。
動画は、下記の青文字の部分をクリックすると出てきます。

沖縄高江米軍ヘリパッド工事差し止め認めず
【サンデーモーニング】2016.12.11
http://www.dailymotion.com/video/x54xq8y

動画をここに載せることができませんので、文字起こししました。



アメリカ軍のヘリパッド建設が進む、沖縄県東村高江。




住民が、騒音などを理由に、工事の差し止めを求める、仮処分の申し立てを行っていました。


那覇地裁はこの日、「住民に、重大な健康被害が及ぼされるとは言い難い」として、住民らの訴えを退ける決定をしてしまいました。


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着陸帯差し止め仮処分申請却下 北部訓練場で那覇地裁
【琉球新報】2016年12月7日
http://ryukyushimpo.jp/news/entry-407389.html

東村と国頭村に広がる、米軍北部訓練場のヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)建設を巡り、東村高江の住民31人が、国を相手に、工事の差し止めを求める仮処分申し立てで、
那覇地裁(森鍵一裁判長)は6日、ヘリパッド完成後の騒音や、低周波音被害の違法性が、「十分に疎明されているとは言い難い」として、申し立てを却下した
住民側は、決定を不服として、福岡高裁那覇支部に、即時抗告する方針を示した。
 
ヘリパッド建設自体について、初めての司法判断。
森鍵裁判長は、国が、高江で実施する騒音測定結果が、環境影響評価での騒音予測の範囲内である、と指摘。
そのため、同評価には、「一定の合理性がある」と認定した。
同評価の予測値が、環境基準を下回っていることから、「違法な航空機騒音が発せられる恐れがあるとは言えない」とした。

オスプレイについては、同機が離着陸するN4地区の騒音も、環境影響評価の予測値を下回っているとして、
「オスプレイが離着陸するからと言って、同評価の合理性が失われることはない」とした。

環境基準を上回る結果が出たとする、渡嘉敷健琉球大准教授の測定結果については、信頼性に疑問を呈した。

低周波音については、環境影響評価での予測を超える、低周波音の発生可能性を認めた上で、
「恒常的に、強度の低周波音が発生されているとまで推認するには、十分な測定結果が蓄積されていない」とした。
加えて、低周波音自体が、生活や健康に与える被害の程度を、「的確に把握するのは、性質上困難を伴う」として、
「人格権を侵害するものとして、違法と評価することが可能なものであるとは言い難い」とした。

決定を受けて、沖縄防衛局は、
「沖縄の負担軽減のため、北部訓練場の過半、約4千ヘクタールの年内の返還に向けて、引き続き、移設工事を着実に進めていく」とのコメントを発表した。
今月中旬ごろには、ヘリパッドは完成する見通し。
ヘリパッド建設を条件とする、北部訓練場過半返還の式典は、22日に予定されている。

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沖縄県東村高江に隣接する、こちらの北部訓練場。



ここにヘリパッドが建設される理由は、20年前に遡ります。
沖縄県には、在日アメリカ軍専用施設の、74%が集中していますが、この負担を軽減するためとして、
1996年、日米両政府は、11の施設を変換することで合意しました。



注目されたのは普天間基地ですが、この北部訓練場も返還の中に含まれています。

今月の22日には、この北部訓練場のうち、茶色の区域が返還されます。



面積にしますと、全体のおよそ半分。
しかしこの返還には、条件が付いています。



残った区域にヘリパッドを移す、というものです。
この6ヶ所に、新たにヘリパッドを作る計画なんですが、アメリカ軍はこれを、新型輸送機オスプレイのためのものとしています

こちらが、火曜日に映された工事の様子です。



2012年に、沖縄にオスプレイが配備されて以降、高江周辺では、既にオスプレイが飛び交っています。

これは、今年6月に、高江の住民が撮影した映像です。



6月の夜間の騒音発生回数は、383回で、2014年度の月平均の24倍にもなりました。



住民らは、ヘリパッドが完成後、騒音や危険がさらに増す、と訴えています。

そして、普天間基地の返還にも、条件が付いています。
名護市辺野古での、新しい基地の建設です。

このように埋め立てられ、また、滑走路が2本作られます。



また、大型船が接岸できる構造ができるんですが、その長さから、これは、オスプレイなどを運ぶ強襲揚陸艦が接岸できる、という指摘があるんです。





一方政府は、強襲揚陸艦の運用は想定していない、としています。

そして、同じ北部にあります、こちらの伊江島。
この島は、面積のおよそ3分の1が、アメリカ軍の飛行場なんですが、オスプレイなどの訓練が行われています。


この中で、今、強襲揚陸艦の甲板に見立てた着陸帯を広げるなど、改修工事が行われています。

こちらは、先月28日に、琉球新報が撮った写真です。


アメリカ軍は今後、模擬甲板施設でオスプレイの外、最新鋭のステルス戦闘機F35などの訓練を行う計画です。


これまで見てきましたように、高江、辺野古、そして伊江島北部に点在する米軍基地は、それぞれが単独ではなく、オスプレイでつながっている、という指摘があるんです。


今回の、北部訓練場の一部返還。
日米両政府は、復帰後最大の返還だと、強調しているんですが、
アメリカ軍は、この報告書(内部文書)の中で、この北部訓練場について、
『51%の使えない土地を返して、残りを最大限に開発する』


また、
『今後、オスプレイの訓練のための区域を広げる』としています。


そもそも、96年の合意では、沖縄の負担軽減を謳っていたんですが、しかし、フタを開けてみると、
実態は、オスプレイの運用を前提として、基地を最新仕様に強化させる、という指摘が根強くあるんです。

文字起こし終わり

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ってことは、

「今回返還する土地は、実は使いモノにならないとこでさ、だけど返還するって言うとほら、日本はコロッと騙されてくれるわけよ。
で、残ったとこをがんがん開発してさ、他の所じゃ嫌がられてできないオスプレイの訓練を、やりたい放題できるようにするんだけど、
こんな悪巧みを、迷惑をかけられる側の市民さんたちが、今日はわざわざ祝ってくれるらしい…どこまでお人好し?」

みたいなことを、米軍幹部の人たちは思ってるんじゃないんでしょか?
コメント
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