ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

日本の電車と田んぼと富士山の巻

2016年12月03日 | ひとりごと
今回、はじめの8日間は、母の家で過ごしたのだが、あまりテレビを付けないようにしているのにも関わらず、呆れるほどにたくさん、トランプと、韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領、そして友人の崔順実(チェ・スンシル)被告のことが報じられていた。
日本のことはというと、どうでもいいようなことばかりで、大きな地震が起こった時も、今稼働させてしまっている原発について言及した局は無かった。
本当におかしくなっている。
いや、もともとこんなだったのだけど、気がついていなかったのか?

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日本に戻るといつも、電車事情に感動する。
ここまでたくさん走らなくてもいいのではないか?と思うほど、きっちり時間通りにやって来て、止まるべき所にきちんと止まる電車。
これにすっかり慣れてからアメリカに来たわたしは、最初、そのお粗末な公共交通機関の実態を信じることができず、しょっちゅう怒っていた。
でも、今にして思えば、日本が異常に便利過ぎるのだ。
働いている人たちの中に、自分たちの働きと能力が十分に反映された収入をもらっている人は、決して多くはないというのに…。

ここ数年、都会にいるほんの数日間に、人身事故や気分が悪くなった人がいるとのアナウンスが流れ、電車が止まったり遅れたりするのに出くわす回数が増えた。
電車に乗る時間など、ほんとにしれてるのに、その間だけでも数回はある。
たまたまなのだろうか…それとも、こんなのが日常に起こってるのだろうか…。

そして、プラットホームに、転倒防止の柵が設けられている駅が増えた。


スマートフォンを操作しながら歩く人が増えたから、というのを聞いたのだけど、そうなのかな…。

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そしてもちろん富士山!
もう好きで好きで、新幹線で移動の際は必ず、富士山側の窓側の席を頼み、窓に張り付くようにして眺める。
今回はどうしても、窓側の席が取れなくて、だからわたしが写真を撮ってる間中、窓側に座っていた男の子は、席を倒して協力してくれた。

ちょっと面白い富士山。


雲に隠れたってかっこいい富士山。


縦にしても素晴らしい富士山。


ああもう、本当に惚れぼれ…。


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富士山じゃない山や、田んぼの景色にも、心が動かされる。












まだ幼かった頃、近所の佐和子ちゃんと弟の3人でよく、崖の下一面に広がっていた田んぼで遊んだ。
当時は、休耕田にはレンゲが植えられていて、田んぼの真ん中に座り込んではレンゲの首飾りを作ったりした。
カエルやザリガニがいっぱいいて、それを釣って遊んだ。

相愛の子ども音楽教室という所に、毎週土曜日の午後に通っていた頃は、この近鉄電車に乗った。


長谷寺、榛原、室生口大野…何度も何度も口ずさんだ駅名だ。


もう一つ、特に増えたと実感したのはこれ、ソーラー発電。


特に、田舎の風景の中に、大小さまざまな形で設置されているのを見た。
日本の電力作りが、やっと変化しようとしているのだろうけれども、その企業までもに、廃炉費用を負担させようとしている政府。
そしてその負担は、原発の電気を使いたくないからと、購入先を変えた人たちにまで及ぶ。
本当なら、そういう企業だからこそ、国が援助するべきなのに、足を引っ張るようなことをするのは間違っている。
さらには、そんなことをしようとする政府に、断固として抗議するべきなのだが、全く報道されないのだから、知らないままでいる人だらけ。

なんとかしなくてはと思うけれども、わたしなど、知らせるにはあまりにも力が足りない。
インターネットを使える人たちが、もっともっと、社会のあり様を知ろうとしない限り、本当のことがわからないまま日が過ぎていってしまう。

猫たちの世話を引き受けてくれている夫の姉から、時々メールが送られて来る。
2週間経ってようやく、空ちゃんが撫でさせてくれたなどという近況報告の最後に、旅をうんと楽しんでね、トランプリアリティが待ち受けてるんだからと書かれていて、
それを読んだ途端に、どーんと気分が落ちてしまった。
そうだ、そうだった、とんでもない現実が待っているんだった。
本当に、どうなってしまうんだろうか、アメリカは。
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母とパターゴルフの巻

2016年12月03日 | ひとりごと
日本でのお楽しみのひとつ、母と義父と弟、そして今年は夫も一緒の、小旅行に出かけた。
行き先は近場(義父が一人で運転できる距離)の温泉で、パターゴルフ(母がハマっている)ができる施設がある所、というのがここ数年の条件だった。
今回は、温泉ではないけれども、二人が気に入って何度も通っている(らしい)、豊田市の『フォレスタヒルズ』
パターゴルフの施設がなかなか良くて、なにしろ食べ物が超〜美味しいのだそうだ。

足が痛い、腰が痛い、目がかすむと、会うと必ず困っている母だが、ホテルに着いてまず18ホール、翌日もまた18ホール、そして翌々日のチェックアウト前にまた18ホールをこなす82歳、すごくないか?

大阪在住の弟が、諸々の事情から車で母の家まで来てくれて、そこから豊田市まで一緒に乗っけてってもらえることになった。
おかげで母は大助かり。
京都からやって来る夫は、夜勤明けの義父に四日市まで迎えに行ってもらい、そこから長島のサービスエリアで合流し、ホテルに向かった。

無事ホテルに着き、さっそくゲーム開始。


ホールまでは結構歩く。




お、入る入る!




難しい所から復活するのがうまい弟。


構えがなかなか決まってる夫。



一日目の夕食。








なぜか逆さまになったまま修正が効かない…ま、いっか。









翌日の朝、ラジオ体操をする母と義父。


わたしはここまで腰を落とせるだろうか…。


さあ出発!

今日はピンクの母。




鯉がいっぱいいる池のすぐそばを歩くと、餌をもらえると勘違いした鯉の集団が、続々と集まってくる。


星座が刻まれた岩。


さあ、ゲーム開始!
















お疲れさん。



二日目の夕食。


















どれもこれも超が10ほど付く美味しさ!板前さん、ありがとう!


朝食だって美味い!



そして三日目、チェックアウトまでにもういっぺんやる?と聞くと、満面の笑顔の母。はいはい、やりましょう。

義父と弟は散歩組。だから今回は母と夫とわたしの3人。












あ、こんなとこに入っちゃった。


鳥さんものんびり。


それにしても母はタフだ。18ホール回った後で、もう9ホールやろうと言って、夫とわたしはヨロヨロと付き合った。
本当にありがたいことだと思う。
遠く離れて暮らしているだけに、文句を言いながらもこうして元気にしてくれている母と義父には、心から感謝している。

今年もみんな、それぞれ元気に集まることができて、とっても楽しかった、美味しかった、本当にありがとう!


大分在住の鍼の師匠の教えを請いに大分に飛ぶ夫は、大阪まで戻る弟の車に乗り(弟はこのことのために車を出してくれた)、新大阪まで送ってもらった。
途中のサービスエリアまで一緒に走っていた時に、突如現れたこの車?!


なんと、焼き芋屋さんなのであった…。


サービスエリアの、どこのトイレが空いてるかを報せる電光掲示板…ここまでサービスが必要なのかなあ…。


可愛らしい子ども用トイレ。
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なばなの里

2016年12月03日 | ひとりごと
ついつい連絡を怠っていた母に、旅行直前にメールをすると、
「18日は、なばなの里というところに行って、美しいイルミネーションを楽しもうと思っています」
という返事が着た。
それで、
「いいなぁ〜、写真をいっぱい撮って来てね!」と返事をすると、
「何ボケてんの、あんたを連れてってやろうと思ってるんやないの」と、思いっきり呆れられてしまった。

あ、そうか、その時は日本に居るんだった…。

というわけで、なばなの里に到着。


光の点灯時間は日替わり。今日は5時というので、それまでの時間に腹ごしらえをした。

小手鞠の花。


ここはどんなふうになるんだろう…。


点灯時間5分前、先ほどの花壇の周りに、人がわらわらと集まってきた。
バン!という音楽と共に、あっという間にこの世界。


思わずうわっ!と叫んだ母とわたし。


入り口も可愛く灯りがついていた。


紅葉だってなかなかのもんだ。


道すがらの垣根も、


植木も、


そして池の周りも、








宇宙船みたいな観覧車。


光のトンネルに着いた。




いつも写真を写すとなるとしかめっ面をしている義父が、珍らしくいい笑顔。


そこを抜けると、












今年のテーマは『大地』。








観ている人たちの影が、光の祭典に溶け合っている。




ここは秋の光のトンネル。


それを抜けると、ライトアップされた紅葉が待っていた。
鏡池と紅葉。








池に映った紅葉を見つめていると、底なしの闇に引き込まれるような気持ちになる。


人生で初めて、大掛かりなイルミネーションを観させてもらった。
それも、80を過ぎた母に、おんぶに抱っこで連れてってもらって…。
来年の春には還暦を迎えるというのに、まだまだ甘えているトホホな娘なのである。
まあ、息子や娘には絶対に世話にならない!というのが母の信念なので、わたしが申し出たとしても断固として断られてしまうのだけど…。

なばなの里、来年の5月はじめまでだそうです。
正直言うと、これほどの光と原発のつながりを考えなかったわけでもないけれども…。
点灯時に、あの花壇の前で待つのをお勧めします。
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2016年日本旅行・プロローグ

2016年12月03日 | ひとりごと
11月14日
今年は、長い夏休み(6月の中旬から9月の第2週目まで)の間に、結構みんな頑張って、レッスンに来たり、来れなくてもバカンス先にキーボードを持ち込んだりして練習をしていたので、
新学年が始まり、新しい学校や学年のスケジュールが把握できなくて、レッスンの回数が減るようなことがあっても、11月の発表会を無事迎えられるのだろうか…と心配するような生徒が出てこなかった。
今年はだから、いつになく楽に当日を迎えられるかも…と期待しつつ、それでも油断してなるものかと気を引き締めて教えていたつもりだったが、それはいきなりやって来た。
発表会前の最後の1週間、レッスンにやって来る生徒たちの演奏が、いきなり崩れ出した。
それは月曜日から始まり、金曜日まで続いた。
まるで、レッスン室に、『曲が突然弾けなくなる菌」が蔓延しているみたいに…。
当然、臨時レッスンの連続で、その間にプログラムの最終版を仕上げ、プリントアウトし、挨拶文を考え、生徒たちが楽しみにしているトロフィーの注文をし、届いたトロフィーを入れる、生徒たちの名前を貼った紙袋を用意し、会場に飾る花束と、一部と二部の間の休憩時間に飲食する飲み物やスナックを買い揃えたりしていると、
もう全く時間が足りなくて、その日その日の夕飯の支度だけで精一杯。
だから当然のように、日本行きの出発日の前日に、家の中の掃除や洗濯、空と海の世話を泊まり込みでやってくれる、夫の姉と歩美ちゃんのための寝床作りを、全部まとめてやらなければならなくなった。
いやはや、全く学べない人なのだ、わたしは…。

さて、発表会は、パニックに陥っていた子たちも踏ん張り、毎年司会を担当してくれている夫から、今年は特にみんなの上達がよくわかったと、まあ身内びいきではあるが褒めてもらった。
わたしもへバーデン症候群ダイエットのおかげか、テーピング無しでもピアノが弾けるようになったので、久しぶりに演奏しようかという気になり、
それで、最近、連弾ごっこをし始めた友人のジェーンに、ラベルの『マ・メール・ロア』を一緒に弾いてくれないか、と尋ねたら快諾してくれたので、それをプログラムの最後に入れたのだけど、本番の2週間前になっていきなり、「ごめん!予定が入ってた!」とキャンセルされて大弱り!
急遽、近くに住んでいるピアノ教師のさわみちゃんに、駄目元ですがりついた。
彼女には常々、「わたしは人前では絶対に弾きたくないの。だから誘っても無駄だからね」と言われていただけに、ほんとに駄目元だったのだけど、
同じ仕事をしているよしみからか、発表会を開催することの大変さを知っている者としての情けもあってか、たった10日ほどの準備期間しか無いにも関わらず引き受けてくれた。
このラベルの曲は、子ども用に作曲されたもので、だから技術的には難しくは無いのだけれど、
ここは長いフレーズとして歌うか、一音一音にこだわるかなどと、表現やテンポの調整をしたり、互いのタイミングなどについて話し合いを重ねていく時間がなんとも楽しくて、
こんなに近くに、それも音楽の嗜好や表現の波長が合う相棒がいたんだという幸福感が、疲れきっていたわたしの心を元気にしてくれた。

わたしたちの演奏を聴いて、なんだかよくわからないけど、涙が出そうになったという親御さんがちらほらいて、嬉しかった。
またお願いしてもいいよね、さわみちゃん♪

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11月15日
今は、トロントで乗り換えた、羽田行きの飛行機の中である。



結局、出発の前日は、3時間しか眠れなかった。
しかもわたしは、バタバタといろんなことをしている間に、空ちゃんをとても傷つけてしまった。
16日間も留守をするのだからと、いつもより早めに、海ちゃんを散歩に連れて行った。
その後、僕も行きたいとばかりにドアのそばに来ていた空ちゃんに、ハーネスを付けようと近づくと、いつもなら絶対に不可能だったのに、スルッと付けられた。
びっくりしながらも、彼を抱っこして玄関のドアを開けたところ、突然気が狂ったみたいに暴れ出し、わたしを引っ掻いて腕から落ちた。
ハーネスとリーシュを付けたまま、部屋の中を暴れ回り、あちこちで頭や体を打ち、やっとのことでハーネスから抜け出してからは、わたしのベッドの下に籠ったっきり全く出て来ない。
どこか怪我をしてやしないかと心配して覗いても、まん丸目玉を暗闇の中で光らせているだけで、ピクリとも動かない。
明日から留守をするからと、焦ったわたしが悪かったのだ。
後悔先に立たず。
3時間ぐらい経って、ようやく出てきてくれたけど、態度はまだまだかたい。
出発までに仲直りができるかなと思いつつ、やらなければならない事だらけで、ゆったりと撫でてあげることもできない。
でも、彼は許してくれた。
旅行中の連絡先の表を作っている時に、いつものように、わたしが座る椅子の背に乗ってきて、わたしのお尻を温めてくれた。
ありがとうね空ちゃん。

仕事帰りにやって来てくれた歩美ちゃんに、伝達事項を伝え、一緒に冷蔵庫の掃除夕飯を食べた後、やっとパッキング開始。
朦朧としているので、服の組み合わせが頭に浮かんでこない。
猫たちは、あ、またどっかに行くんだな…ボクらを置いて…と、だんだん気分が暗くなっているようで、そんな姿を見るとまた、こちらも悲しくなってしまう。

でも行く。
日本はわたしの故郷だし、会いたい人がいっぱいいる。

出発は大雨だった。

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11月16日
今回の旅は、最初の日と、母たちと行く小旅行の2日間、そして最後の4日間だけが、夫と一緒に行動する日だ。
羽田空港の入国出口から出ると、夫にぐんぐん近づいてくる人がいた。
後ずさりする夫にもめげず、その人は満面の笑顔で両手を広げ、ハグをした。
え?美保さん?
いったいどうやって時間がわかったの?
わたしたちが利用する航空会社の名前も、出発する時間も、どこから乗るかも、全く知らないはずなのに。
嬉しさで疲れが吹っ飛んだ。
空港内のレストランで一緒に夕飯を食べ、美保ちゃんが持ってきてくれた美味いもん袋を図々しくもらい、予約してあった蒲田のホテルに向かった。

クタクタに疲れているはずなのに、二人して同時に、夜中に目が覚めた。
寝直すことなど絶対に無理なほど、ぴーかんに…時差ボケ第1号。

美保ちゃんグッズでパーティ!どれもこれも、グルテンフリー&無添加で超うま!


蒲田の朝。




近所のスーパーで、お惣菜とおにぎりを買い、ホテルの部屋で食べた。
さあ始まるぞ、一年よく頑張ったで賞旅行!
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