ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

守田敏也氏「日本政府と三菱重工が、トルコへの原発輸出を断念した!トルコの民衆、支えた人々の勝利だ!」

2018年12月05日 | 日本とわたし
守田さんから、とても嬉しいニュースが送られてきました。
守田さんもすごく嬉しそうです。
そりゃそうでしょう。
守田さんは2014年の初春に、原発反対運動をしている人々からの講演の依頼でトルコに向かい、その後これまでの間に計4回、トルコに渡っては講演をし、
「日本の安倍首相は大嘘つきです。決して信用しないでください」と、繰り返し伝えてきました。
原発拒否運動をしているトルコの人々と、彼らの運動を支え真実を伝え続けてきた守田さんとの間には、強い信頼が存在しています。

原発反対運動は生半可な気持ちではできません。
権力と金にモノを言わせて、人々の暮らしや健康を害することを承知で、自分たちの利潤を追求するような輩たちが相手なのですから。
トルコの人々も、これまでに何度も、心身ともに傷つけられてきました。
それでもあきらめずに、大きな権力に立ち向かってきた強い意志と行動力に、わたしは心からの敬意を払いたいと思います。

守田さんのブログ記事は、こちら↓↓↓でお読みください。

【勝利宣言】
政府と三菱重工がトルコへの原発輸出を断念しました!
わたしたち民衆の勝ちです!

【明日に向けて・守田敏也氏のブログ】2018年12月4日
https://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/aad9d956266215d6e4640bd977933871

● 勝利宣言!トルコへの原発輸出をくいとめたぞ~~!

みなさま。
日本政府と三菱重工が、トルコのシノップへの原発輸出を断念しました!
やったあ!
私たち民衆の大勝利です。
ここに、高らかに、勝利宣言を発します!
この勝利は、なんといっても、トルコのみなさんの努力によってもたらされたものです。
同時に、世界民衆の「危険な原発の建設・運転をやめよ」という声の高まりこそが、もたらしたものです。

ー中略ー

断念の最大の理由は、「建設費が五兆円と当初想定の二倍にのぼる見込み」となったこと。
採算がまったく合わなくなったことにありますが、理由は、安全対策のための建設費が高騰したこと。

ではなぜ、安全対策が強化されたかといえば、
原発の危険性に目覚めた私たち日本民衆をはじめ、世界各地で民衆が起ちあがり、運転や建設の中止を求める声を高めたからです。

原発路線をひた走る各国政府は、「安全対策」を強化することで批判をかわそうとしたわけですが、
そのために莫大な費用がかかってしまい、それでもう採算が合わなくなってしまった
のです。

だから、この勝利は、私たち民衆がつかみとったものです!


● これでトルコと日本の友情が守られた!

このことで、トルコと日本の信頼関係が守れたことも強調したいです!
僕はこれまで、トルコに4回招かれ、各地で講演させていただきましたが、そのたびに感じたのは、トルコの方たちの日本に寄せてくださっている篤い信頼でした。

トルコでは、「エルトゥールル号遭難事件」が広く知られています。
時は1890年、日本に親善訪問したオスマン帝国の軍艦が、帰途において和歌山沖で海難事故を起こし沈没。
近くの漁民たちが、命がけで生存者を救助し、日本海軍が、彼らを祖国に送り届けたのでした。

この話は映画にもなっています。予告編をご紹介します。
『海難1890』
https://www.youtube.com/watch?v=Iadt_c4pBwI


こうしたことからも、また、日本が原爆を落とされながら平和国家として再建してきたことからも、トルコの方たちの日本への信頼感は、とても篤いものがあります

だから、トルコで奮闘している人々に招かれた僕の役割は、「日本の安倍首相は大嘘つきです。決して信用しないでください」と繰り返すことでした。

そんな中で、トルコの方たちが、日本の原発を断固拒否し、さまざまな行動を重ねてくれて中止にいたったわけですが、
僕はこれで、かえって、トルコからの日本への信頼が守れた、とも思っています。
原発が事故を起こし、トルコの人々を傷つけ、長年に亘る友情も失ってしまう危険性が遠のいたからです。

僕は、日本国の利害のために動いているわけではありませんが、僕の方がよほど日本への信頼を守り、日本人総体のためにもなる活動を重ねているとも思います。


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この後守田さんは、ともに奮闘してくれた二人の日本人、丹下紘希さんと森山拓也さん、そして木幡ますみさんや佐藤大介さん、そしてトルコの人々のことを紹介してくれています。

その丹下さんの「あなたを心配する手紙」という、トルコ語で語るビデオレターを聞かせてもらいました。
涙があふれました。
文字起こしとキャプチャー取りした写真を紹介させてもらいます。

あなたを心配する手紙 / Dir TANGE KOUKI NOddIN
https://vimeo.com/92443743

『あなたを心配する手紙』

トルコの人へ

こんにちは わたしは日本人です。

わたしは今、「トルコの人たちのことを心配している」と伝えたくて、トルコ語を教えてもらいました。




日本の首相は、トルコに原発を売りました。
そのことをとても恥ずかしく思っている日本人はたくさんいます。
なぜなら、私たちの国は、2年半前に、福島の原発事故を経験したからです。

私は、フクシマの原発20キロ圏内の街を訪れました。

事故があった街は、2年半経ってもあの日のままです。


今でも、事故のあった原発の中がどうなっているか、危険すぎて誰も確認できていません。




そして毎日、300トンもの放射能汚染水が、海に流れ出ています。


汚れた大地を大量に削り取っても、そのゴミの処分は決まっていません。

原発の使用済み燃料は、10万年管理をし続けなくてはいけない、大変危険な物質です。


もしも、未来に、私たちが売った原発が、あなたの国で事故を起こしたら、一体どんなことが起きるか?
想像すると、私たちはとても恐ろしい。
日本人として、謝っても謝りきれない。


私はトルコの人たちを、とても心配しています。
私たちは、あなたと、あなたの国の未来を心配しています。

原発はエネルギーですが、同時に、とても大きなお金を生み出すシステムでもあります。


日本がそうであるように、その利権によって、人々は判断を間違い、意見が分かれます。
同じ国の中で、同じトルコ人同士、争うことになるかもしれないのです。


原発はもはや、安全ではありません。

日本は経済のために、未来を犠牲にしてしまった国です。

決して誰も信用しないでください。

原発があることに慣れないでください。

いつまでも見守り、注意し続けることが重要です。

わたしはトルコをバスで旅をしたこともあります。
とても美しい国だと感じました。
未来に、その美しさを失うことのないよう祈ります。

トルコの人へ、その未来の子供たちへ

日本より愛を込めて


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他にも色々な記事や細かな情報を書いてくださっているので、ぜひ元記事を読んでください。

そして今日、今後はこの件を、日本の報道はどう伝えているかの検証をしてくださっています。

トルコへの原発輸出断念は、日本の原子力産業終焉の序曲だ!
【明日に向けて】2018年12月5日
https://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/c/ca042f888519b60f8815f0dd1874665a

昨日4日に、日本政府と三菱重工がトルコへの原発輸出を断念するという報道がなされました。

最初に報じたのは日経新聞です。
続いて東京新聞、共同通信、時事通信などが流し、今日になって産経新聞、日刊工業新聞、赤旗などが報じています。
興味深いのは今のところ、NHK、朝日、毎日、読売などの大手が沈黙していることです。

テレビニュースでは、いまのところ、朝日新聞系列の「テレ朝」が報道を行っています

「計画を断念する方向で検討していることが分かりました」と慎重な言い回しをしていますが、
「トルコでの原発計画は、日本政府のインフラ輸出戦略の目玉でしたが、暗礁に乗り上げることになります」と結んでいます。


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今年の夏に、天文学的費用を無駄使いした挙句に廃炉が決まった、福井県敦賀市にある高速増殖原型炉「もんじゅ」。
やっとのことで、炉内外にある核燃料を、取り出す作業が始まりました。
開発においてもトラブルだらけだった「もんじゅ」ですが、廃炉の準備段階でも同じく、機器のトラブルが相次ぎましたが、
結局、当初の予定から1カ月遅れの今年の8月に、30年に及ぶ(これも先々どうなることか…)本格的な廃炉作業に入りました。

原子力規制委員会が認可した廃炉計画では、
・2022年度までに、原子炉と貯蔵槽で、冷却材のナトリウムに漬かっている計530体の核燃料を洗浄し、水の入ったプールに移す。
とありますが、取り出した燃料の処分方法は決まっていません。
原子力発電においては、肝心のところが抜け落ちているのです。
杜撰で無責任極まりないシステムですが、そうでないと使えない、きちんと検証しまともな常識で考えたら、地震大国のような日本には、到底あってはならないモノだからです。

なのにまた、性懲りも無く、日本の原子力ムラの企業と人間たちは、高速実証炉なるものにしがみつこうとしています。

もんじゅ廃炉後の高速実証炉計画
三菱重工業、2030年代に建設

【福井新聞オンライン】2018年12月2日
https://www.fukuishimbun.co.jp/articles/-/751493



この図は、各原発に有事が発生した際に、居住禁止になるであろう170km域を、視覚化したものです。


日本のみなさん、トルコに続こうではありませんか!
コメント (2)
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