「『行こうよ、選挙』と、みんな言うんでしょうが、消去法的な選挙に意味があるのか、と。僕は今回、都知事選という選挙を消去した」
松本人志。
この人のテレビ番組での発言が、しばしば大きく取り上げられることがある。
発言はそのまま垂れ流され、SNSで面白おかしく広がっていく。
「都知事選という選挙を消去してしまいましたね」
「あ〜なるほど」
なんだこれ?
どこが「あ〜なるほど」なんだろう…?
とつらつら考えてたら、政治学者の白井さんが、端的に書かれたコメントを見つけました。
とてもよかったので、それを紹介させてもらいます。
政治学者の立場からコメントさせていただきます。
「消去法」とおっしゃいますが、今回の選挙の全候補者の経歴や人柄について知りうることを精査した上で、「全員都知事の職掌に値しない」と判断したのでしょうか?
そうでなければ、立候補者に対してきわめて無礼な発言であり、謝罪すべきです。
それとも、代表制民主主義を根本的に否定する思想をお持ちなのか?
だとすれば、それはどんな思想なのかご説明願いたい。
あるいは、都道府県という行政単位の存在を、否定する思想をお持ちなのか?
これらいずれにも該当しないのであれば、松本氏の発言は、単なる思い付きであり、いい歳をした大人の発言(しかも公共電波上の!)としては、きわめて恥ずかしいものであると言わざるをえません。
それとも、自らを知的・人格的に公民権を持つに値しない存在だと認識しておられるのか?
だとすれば、一切の政治的発言を、今後謹んでいただきたいと思います。