草引き恐るべし!
たった1日、だからいっぺんにやってしまおうとしたからなんだけど、多分4時間以上中休み無しで草を抜いた。
抜きやすいものもあれば、両手で引っ張ってもなかなか抜けない頑固なのもあった。
園芸作業用の手袋をつけていたけど、作業の終盤には指先がかなり痛くなっていた。
でも、次の日の朝、床に直接置いたベッドから立ち上がろうとした時、まず膝が痛くて立ち上がれなかったのに驚いた。
え?っと思って体制を整え直し、もう一度立ち上がろうとしたら、膝はもちろん太ももやふくらはぎ、腰や背中や肩や腕にも痛みがあって、すぐ近くの椅子を頼りに少しずつ体を起こさなければならなかった。
指先も異常に痛いのでよくよく見ると、爪の先っぽ(といっても深爪ギリギリまで切ってあるのだけど)が皮膚から少しだけ剥がれている。
おぉごめんごめんと心の中で言いながらくっつくように押しつけると、ぎゃっと言いたくなるほどの痛みだ。
一体わたしは何をしたというのだ…。
たった一回の草引きでどうしてここまでボロボロになってしまうのだ。
こんなに弱かったのか?
ものすごくショックだったのだけど、夫にバレたらまたやり過ぎたのかと呆れられるのが嫌で虚勢を張る。
それになんといっても、ずっと前から会わせたかった友人カップル二組を招いて、「トランプ政権ではない独立記念日」&「ひとまずコロナ禍落ち着きました」祝いディナーの準備をしなければならないのだ。
くたばっている場合ではない。
ぐずぐず天気のはずが、空気がどんどん乾いてきて、雲の間から青空が見え始めた。
部屋の中で食べるか外で食べるかを様子見していた夫が、これだったら外でも大丈夫だろうと、蚊帳付きのテントを張って中に6人用のテーブルと椅子を入れた。
夫は庭の芝を刈り、家の前の垣根を整え、昨日からインド風ヨーグルトソースに漬け込んであったチキンドラムをバーベキューコンロで焼く。
わたしは家の中の掃除をし、ちらし寿司と最近ハマっているきのこ料理を作る。
餅をついて粒あんを炊く、というのもあったんだけど、身体中が痛くてやる気が失せた。
なので昨日買っておいたオーガニックの巨大スイカをデザートにすることにした。
ちらし寿司の具は自家製干し椎茸とニンジンとサヤエンドウだけ…トホホ。
ホールフーズで買ったオーガニックのキノコセット。この黄色いのはタモギ茸かな?
エステラが写真に撮っておいてくれた。
きのこを先に素揚げして、そこにホワイトワインビネガーとオリーブオイル、アンチョビとクルミと塩胡椒で和えるだけ。
ちなみに上の水菜も下のサラダ菜も菜園からの採ってきて手で千切っただけ😅
テントの中で話に花が咲き、気がついたらお互いの顔が見えにくいほどに薄暗くなっていた。
と、その時、誰かが「あっ!」と叫んだ。
目を凝らして指を差す方を見てみると、でっかいラスカル、もといアライグマがのっしのっしと歩いているではないか。
しかもこちらに向かって?!
夫がテントから出て追い払おうとしても、一向にたじろぐ様子が無い。
夫は酒に酔って気が大きくなっているので危ない。
みんなでテントに戻して様子を見ていると、あらら!ちっちゃいのがいきなり姿を現したかと思うと、また一匹、またまた一匹と、わたしたちが見ている目の前に現れては庭の奥に走り去って行く。
合計6匹のアライグマ一家を、「Oh, another one!」と叫びながら大笑いして見送った。
本日最大のパフォーマンスだ。
それにしても危なかった。
大人のアライグマが夫の威嚇にも怯まずに留まったのは、きっと子どもたちを守ろうとしたからだ。
家の中に戻り、それからまたわいわいと盛り上がる。
マスクをせずに、同じカウチに隣り合わせに座っておしゃべりする。
この1年半の間できなかったこと楽しめなかったことだ。
しみじみと嬉しくなった。
いつまで続くのかは誰にもわからないけれど、試行錯誤しながら修羅場を超えてきたことで得たノウハウと、国や州がいざという時は本気で助けてくれる事を知った今は、何も知らなかった去年よりは落ち着いている。
ワクチンを打っても油断はできない、これで終わりではない、多分数年は続く。
わかっているけどとにかく今夜は楽しもう。
独立記念日を祝う花火がドンドンと上がり始めた。
みんなその時まで花火のことをすっかり忘れていた。
去年は花火が上がったのかどうかも覚えていない。
今年の独立記念日はどこもきっと、去年の分も楽しもうと盛り上がっただろう。
おめでとう、アメリカの誕生日。