ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

夏のひとこま

2023年07月05日 | ひとりごと
家野菜第一弾

今年もランタンフライの幼虫がやって来たのだけど、今のところ黒蠅キャッチャーがいい仕事をしてくれているので、無事にキュウリの収穫が叶いそうだ。

裏庭でゆったりと過ごす若者シカたち。なのでソメイヨシノの柵はまだまだ外せない。

外に置いていた金柑の木にランタンフライの幼虫がたくさん集ってきていたので、慌てて部屋の中に入れたのだけど、よく見るとこんなお方が…。

眩しいんだね。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ごめんなさいが言えなかった父

2023年07月05日 | 家族とわたし
窓の外から、どこかで上がっている独立記念日の、花火のクライマックスの音が聞こえてくる。
今年は夫もわたしもクタクタに疲れていて、花火見学を見送り、家のテレビでNetflixのドラマを観て終わりにすることにした。

先日、大好きな『うさと』の洋服を買いに、アップステートにあるS子さんのお宅まで、友人のNちゃんと出かけて行った。
洋服の販売と共にいろんなイベントも行われていて、生まれて初めて霊能者の方と30分間お話しした。
彼女にまず名前を聞かれたので伝えたら、いきなり「68歳」と言う。
「え?68歳?」
「今68という数字が来たんですけども、何か取り掛かっている作業がありますか?」
「取り掛かりたいと思っていることはあります」
「やってください、2年で叶います、形になります、活動し始めます」
「一回始めたからには毎日毎日やらなければならない、というふうに考えないでいいです。途中で休憩してもいい。気分に任せてやったりやらなかったり、基本的にやりたいことに向かっているので気楽に続けていいんです」

ふむ…どれのことだ?
作曲のことか?物語書きのことか?自身の演奏能力を高めていくことか?指揮のことか?

などと頭の中で混乱が生じたのだけど、口から出てきたのは今の自分の、夫との関係に対する不安の話だった。
いや待て、なんでこの話をするわけ?関係ないやん…と思うのに、彼との馴れ初めから説明している自分にストップをかけることができなかった。
「まうみさんは一生ピアノを弾き続けるし、一生女であり続けます」
「周りや生い立ちを見て、そろそろ落ち着かなきゃ、なんて思いがよぎることもあるけど、全くそんな気が無い人です」
「わたしは女として、ピアニストとして一生生きるのよっていう、ガンとしたエネルギーを堂々と自分の中に流して欲しい」
「そうすることによって、彼に対する愛が無いわけじゃないっていうこともちゃんと思い出せます」
「愛はあります。愛を思い出して、愛があるからこその正直な会話をし始めると、一人で今までクヨクヨと思い悩んでいたことから離れて想定外の展開がおきます」

なんてことを聞きながら、話は名前の話になり、ここでは書けないような、あまりにも赤裸々でプライベートな話になり、そこでも彼女の返事に何度もびっくりさせられた。
彼女はわたしの話を聞きながら、体のあちこちに痛みを感じたりしたが、それらは必ず話と深くつながっている場所だった。

そうこうしている間に時が経ち、残り時間が少なくなってきたので、気になっていた亡き父のことを聞こうと思った時、
「あ、ちょっと待って、耳鳴りがしてきた、ちょっと待ってね…コレなんだ?お父さん…お父さんのことどう思いますか?」
と突然聞かれた。
しばし絶句して、気を取り直して、父のことを簡単にまとめて話した。
「恨んで当然のことを何度もしてきた人でしたけど、やっぱり好きだったし」と言ったところで、彼女が「伝わってる」と一言。
それを聞いた途端、涙があふれてきた。
「お父さんここまでね、ここまで出かけてきてるんですよ、ごめんなさいっていう言葉が。けどね、それを言うことが返って卑怯じゃないか、狡いんじゃないかっつってここで止めてるんですよ」
「ごめんなさいに値しない親であった、人間であったというところで彼が止めていて、けれどもここまで気持ちが出てきているから、その気持ちを今届けさせてもらいますね」
「ごめんなさいと言いたい。けれども都合良過ぎじゃないか、それで帳消しにするみたいに思われそうでできない」
「なんでこんな俺を好きであり続けるのか、俺を見る眼差しが怖かった。酷いことをしても、それで傷ついている目が、俺のことを愛している目だったって言ってます」
「普通そんなふうに半端じゃなく痛めつけられるような辛いことが続いたら、そしてその原因を作ったのが父親だとわかっていたら、人間としてみなさないような目線になるはずなのに、目が違った。それがすごく怖かった。なんだこの生き物はと思うぐらい」
「普通だったら俺のことを人間じゃないような目で見るのに、まだ見捨ててない目線というものがあったと」
「今ね、棒読み状態でいいから『ごめんなさい』と『ありがとう』って言ってって彼に伝えてます」
「あ、『こんな僕でもよろしければ、守護霊の位置に置かせていただけませんか』と、かなり丁寧に、敬語でおっしゃってます。許可をもらわないとやってはいけないと思ってるみたいです」

家に戻り、父からの「ごめんなさい」を弟にも伝えなければと考えながら、父に弟とわたし、そしてわたしたちの家族を守ってくださいと、父の遺影に話しかけた。
弟はわたし以上に、父のために大変な思いをした。
彼も父からの謝罪の言葉は一言も聞くことができなかった。
弟よ、怖かったんだってよ、わたしたちの目が…これこそ泣き笑いものだよね〜。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする