ついさっき、台所からボンッという音と同時に夫の悲鳴が聞こえてきた。
ああ、やってもたな。
ザワークラウトの発酵力をなめてはいけない。
ちょいと調べるつもりで蓋を開けた瞬間、小さなカオスが出現する。
我が家の冷蔵庫にはザワークラウトが必ず鎮座ましましている。
いつからこんなことになったのか覚えていないが、前は嫌いで食べられなかったのが嘘みたいだ。
いくつものキャベツで作ってみたけど、近くのWhole Foodsで売っているオーガニックのものを使うと発酵の勢いがとても良い。
はじめは巨大ボールにてんこ盛りだった2キロのキャベツが、
キャラウェイシードとジュニーパーベリーを適量入れてもみ続けるうちに、こんなに小さくなってしまう。
密閉ガラス容器にぎゅうぎゅうと押し込んで、上に重石を乗せて終了。
今回は初めて竹塩を使ってみた。
竹塩のことはまた後日。
野菜を切り刻むのは得意な方で、コンコンと調子良く包丁を下ろしていると、モヤモヤやイライラがいつの間にか薄らいでいく。
早切りができるようになったのは、田舎の嫁をやっていた頃に婦人会のお偉方さんたちに仕込まれた(?)からで、当時はいじめられてる感がハンパなかったのでイヤだったけど、経験というのはどんなものでも後からキラキラ輝き出すからおもしろい。
1週間の春休み明けの仕事は、始まる前はやけに面倒で、けれども教え始めると「ああ、やっぱり自分にはこれが合っている」などとしみじみ思ったりして、気分がジェットコースターのように上昇降下した。
休みの連絡メールにワクチン接種のことも書いてしまっていたので、何人もの親御さんたちに「どうだった?」と聞かれた。
「予約を入れていたその日の朝にキャンセルになった」と言うと、「もちろん代わりのワクチンを打ったよね?」と突っ込まれる。
「あ〜それがその時に決められなくてまだ打っていない」と答えると、皆一様にガッカリするのだ。
先週からここニュージャージー州の感染死亡率が全国トップになってしまった。
ワクチン接種がものすごい勢いで進んでいるので、効果があるのならもうそろそろ出てきても良い頃だ。
ただ、変異株ウイルスに効くのかどうかが分からないのだけど…。
だからこそ、変異株に効くと言われているJ&Jワクチンを選んだのだった。
そのJ&Jワクチン、イギリスでは先日から接種が再開されたけど、アメリカがいつ許可を出すのかは全く分からない。
わたしの周りのほとんどの人たちはモデルナワクチンの接種を受けた。
強い副反応が出た人は一人しかいない。
今は治験状態なので、ファイザーやモデルナの接種を終了した人であっても、半年か1年後にはまた打たなければならないという話も聞いた。
いやはや、いつになったら終わりが見えてくるのだろう。
ニュージャージー州内にある大手総合小売企業Kマートは、今やワクチン接種所と化している。
他にもモールの大手デパートや駐車場を開放し、そこに医学生や元医師や元看護師など、今回のために急きょ訓練を受けた人たちが配置されているので、大勢の市民が同時に接種を受けられる。
アメリカでは接種が急速に進んでいて、近日中に2億回分の接種が達成される。
昨日の時点で、少なくとも1回の接種を受けた人の割合は65歳以上で80.6%、18歳以上でも51.5%にまで上がった。
さらに昨日、バイデン大統領がこんな演説をした。
「ワクチン接種という愛国的な義務を果たすために、給与が減るようなことがあってはならない。
9月末までの間、従業員が500人未満の企業に対し、従業員が接種のために仕事を休むなどした際の給与に相当する税金を控除する」
未接種者はいよいよ肩身が狭くなりそうだ…。