去年買ったばかりのiPadが突然壊れた。
バッテリー残量が20%になったので充電しようと、いつもの方法でやっても一向に数字が増えてこない。
いつまで経っても20%なので、プラグコードを替えたり差込のコンセントを違う場所にしたり、いろいろやってみたけどやっぱり20%。
けれども20%から減ることも無い。
なんだこれ?
それが土曜日の夕方だった。
週末なのでもうしばらく様子を見ることにした。
日曜の朝になって確認してみるとやっぱり20%。
う〜ん、これはちょっとSOS案件かも。
とにかく明日の月曜日の午後までに直らなければ仕事(バーチャルレッスン)ができないので、アップルストアに行って助けてもらうことにした。
モールに出かけるのは本当に久しぶり。
あ、違うか、別のモールに先日ワクチンを打ちに行ったんだった。
でもその後わずか数週間に、世界はガラリと変わっていた。
もちろん大人も子どもも全員マスクをしているのだけど、駐車場はどこもかしこも満杯。
車から降りてモールに入っていく家族連れの足並みが、今にもスキップをしそうなくらい弾んでいる。
今日は夏のような暑さだったので、みんなの服装も軽やかだ。
恐る恐るモールに入る。
コロナ禍前の人波が戻っていた。
でも、そこに居た人たち全員がマスクをつけているのを眺めていると、何かこう、なんとも言えない複雑な気持ちが込み上げてきた。
アメリカに住む人たちはこれまで、花粉アレルギーやインフルエンザがどんなに蔓延しようとも、絶対に、これはもう大袈裟ではなく、誰一人マスクをつけなかった。
もうそれは見事と言えるほどで、それほどマスクが憎いか?と真剣に思ったほどだった。
それが今やマスクをつけない人を探す方が難しいのだから、これはもう本当に、アメリカ東海岸限定かもしれないが、世界が変わったと言っても過言では無いと思う。
さて、肝心のiPadだが、2メートルの充電用コードを買う際に、アップル社の純正コードではなくThird-Party の物を選んだことが原因だったらしい。
そんなことで故障しちゃうのか…とぼんやり考えていると、ちょっと待っててと言って係の人が店の奥に姿を消した。
しばらくして再び現れた彼は、見覚えのある箱を抱えてやってきて、じゃああなたのiPadを初期化してこちらに渡して、と言う。
う〜ん、バックアップしてなかったんだよな〜と躊躇していると、早よ早よと急かされた。
仕方なく初期化して、保護フィルムも剥がし、修理に持っていかれるiPadに束の間の別れを心の中で告げていると、彼は持参した箱をパタパタと開け、中から新品のiPadを出してテーブルに置き、はい、じゃあこれで終了ね、と言うではないか。
えっ?どういうこと?
この新品を持って帰れってこと?
そうだよ、開始操作はうちに帰ってからやってね。
あ、それからコードは純正のやつ使ってね。今度また同じ理由で故障したら交換しないからね。
じゃ、良い1日を!
というわけで、なんだかキツネに騙されたような気分で家に戻ったのだけど、別にこれが普通なんだろうな、きっと。
わたしはこういうことにはかなり疎いので、びっくりしなくていいところでびっくりしてるんだろうな。
でも一つだけ残念なことがある。
故障したiPadには、わたしの名前を刻んでもらっていたのだった。
新品のiPadにはもちろん無い。
いいんだけどね、別に。
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昨日は1年ぶりに、車で1時間ほどのところに住んでいる友人夫妻の家に、近所の友人も誘って遊びに行った。
マスク無しのハグも1年半ぶり。
なんだかいいねえこの自由さ。
彼らは毎週末、広大な庭の造園や家の内装作業をコツコツ続けている。
庭には花が咲き乱れ、家の中は来るたびに素敵になっている。
家の敷地内を流れる小川のせせらぎを聴きながらゆったり過ごせるヘキサドームだけでも十分に羨ましいのに…。
なのでここに来るといつも、避暑地に来たような気分になる。
友人が作ってくれた超ウマのちらし寿司をいただきながら、愉快なおしゃべりをしたり、ギターやウクレレやパーカッションでなんちゃってセッションしたり。
こういう時間をずっと失っていたんだなあとしみじみ思う。
今日は30℃を超えた気温が明日は18℃まで下がるらしい。
あちこちに散らばっている大きな岩を、ミニ畑の周りまでゴロゴロ転がしてきて、なんちゃって庭園を造りたいのだけど、ついに今日の暑さで蚊が発生した。
う〜ん、明日から蜂おばさん(蚊帳付きの帽子と長袖長ズボン着用)は必至だな…。
また夏がやって来た。