ニ) 底削り
今まで述べてきた事は、底削りの前段階(準備)です。いよいよ本題に入ります。
a) 削り箇所: 底(高台を削り出す)、高台内、高台脇、腰の部分です。
特別な場合(マーブル模様など)を除いて、器の内側を削る事は、少ないです。
b) 使う道具: カンナ(又はカギベラ)と針(剣先)です。
形状は色々有ります。作品の形によって使い分けるか、場合によっては、1本の道具で
全て済んでしまう場合も有ります。自分に合った道具を見つるか、自作して下さい。
c) ロクロの回転方向にも、決まりは有りません。
左右どちらでも O Kです。どちらかの方向一方に慣れれば十分です。
尚 回転スピードは、ロクロ挽くきと同様に、径が大きい時は遅めに、小さい時は速めにします。
d) では、削りに取り掛かります。
イ) 底を平ら(水平)に削る。
底は必ずしも平らには、なっていません。底を水平にしないと、高台の高さに、
バラツキが出ます。又次の作業の底に円を描く事も、上手くいきません。
ロ) 底の中心に、「おへそ」(凹み)を作る。
この部分に、カンナを持つ手と反対側の手の指(長い中指が望ましい)を置き、
カンナが作品に食い込み、作品が動くのを防ぎます。
・ 注意: 最悪の場合、ロクロ上から転げ落ち、ドベ受けとの間に挟まり作品が
壊れる事も有ります。底に掛かる力は、やや強くすると同時に、転げ落ちたら、
直ぐにロクロを止めて下さい。又、止め土で「しっかり」とめます。
ハ) 底に針で、高台の外側の円を描く
ロクロをゆっくり回転させながら、円を描きます。
・ 数物(同じ形の複数の作品)の場合、高台の径を測り、大きさを揃えます。
すると、全ての作品が同じような、形になり易いです。
尚 内側の円も同時に描いても良いですが、外側の削りで失敗し、幅が狭くなる
可能性も有りますので、外側が上手く削れたら、内側の円を描く方が、無難です。
続は次回に述べます。