わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

手捻り (くり抜き技法)

2008-10-12 22:54:48 | 陶芸入門(初級、中級編)
手捻りで、小さな箱物又は蓋物を作る際、中の空間を作らず、直接全体の形を作り

 後で肉の厚い所を、分割し中をくり抜き、空間を作り仕上げる技法です。

 ・ 茶道に用いられる、香合(お香を入れる蓋物)等、手に包み込める程度の大きさの作品から

  更に大きい作品に、応用可能です。

 ・ 又、子供(幼児)が動物などを作る際には、肉の厚みを考えずに、土をどんどんくっ付けるか、

  一塊の土を削って形を作ります。この場合に是非やる作業です。

陶芸での「要注意事項」は、以下の事項です。

 ① 作品の中に、空気を閉じ込めない事。

 ② 作品の肉厚を、極端に差が無い様にする事。

 ③ 作品の肉厚は、出来るだけ薄くする事。

   ( 肉が厚いと、中に空気が入りやすくなったり、乾燥も遅く、そのまま素焼すると、

    窯の中で爆発します。)

 それ故、作品の中の土は出来るだけ取り除きます。

くり抜く方法

 イ) 作品の底から土を掻き出す。

   ・ 底が十分に広い場合、作品を分割する事無く、底から土を掻き出します。

   ・ 作品の表面が十分乾燥し、手に持っても変形しない程度乾いたら、作業に取り掛かります。

     ( 乾燥し過ぎて、内部まで乾燥させると、内側を削るのに苦労します。)

   ・ 掻き出す用具も重要です、先端の形状、幅、長さなど使い易い物を選びます。

   ・ 見えない所ですが、削り面は綺麗に仕上げます。

 ロ) 分割して、中の土を掻き出す。

   ・ 外から掻き出す所が見つから無い時、適当な部分から幾つか(最小限)に分割します。

   ・ 分割した所は、くり抜き後接合する場合が多いです。それ故、全体の形を見て、
   
     分割部分を決めます。(複雑な形の所を分割しない)

   ・ 切断は糸を使い、綺麗に切ります。

   ・ 内側をくり抜いたら、切断面に針や櫛で刻みを入れ、ドベを付けて接合します。

     切断面は解からない様に、綺麗に修復します。(空気が通る穴は必要)

 ハ) 蓋物の場合の、蓋受け部を作る。

   蓋物には移動の際に、蓋が動かない様に、蓋受けを設けます。

   その際、蓋受け部を削り出すか、後付けします。何れも片側(蓋、本体)は凸にします。

   ① 削り出しの場合:蓋と本体の合わせ目が、一部削られる為、元の寸法より短くなります。

    (蓋物の高さ寸法が低くなる。) 場合に拠っては、模様の一部が無くなってしまいます。
   
     それ故、切断面が無地の場合にだけ可能な方法です。

   ② 後付けの場合:蓋又は本体の一方に、突起物(凸)を付けます。

     すると、切断面はそのままの状態を保ちます。(模様が崩れない)

コメント
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