わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

電動ロクロの「コツ」 14 (形を造る3)

2009-04-07 17:41:04 | 電動ロクロ入門
2) 径を大きくする。

  径を大きくする作業は、小さくする作業よりも、やや容易です。

  ロクロが回転していれば、遠心力が、常に働き、径を大きくなる方向に、力が働きます。

  それ故、内側の手の力を、少し強くすれば、径は拡がる事に、成ります。

 径を大きくする方法。

 ① 鉢や壷など、内側に湾曲した、曲面にして、径を広げる場合。

  ) この場合には、外側の手(時計回転では、左手)の指が、内側の手の指より、1~2cm

    高い位置で、向かい合わせます。(即ち、両手の指に段差を付ける。)

  ) 当然、外側の手が基準に成りますから、肘は体に固定します。

    内側の手の肘は、自由にし、やや力を入れて、外側に押し出します。

  ) 内側から押されたら、外側の手(指)は、外に逃げなければ、なりません。

    初心者の中には、外側の手に力が入り、径が拡がらないのを、時々見掛けます。

  ) 両手の親指同士が、繋げられる大きさ(深さ)ならば、必ず繋げます。

    (深さの有る作品や、「柄コテ」を使う場合など、両手が「バラバラ」になってしまう場合も有ります)

  Ⅴ) 両手は、下から上に、移動して行きます。

     逆の場合は、初心者には、難しいです。

  Ⅵ) 大事な事は、水切れを起さない事です。

     内、外及び指先など、水で濡らすか、「どべ」を使います。

     又、作品が深い場合、内側になる手の、手首から肘までの間(口縁と接触する部分)も、

     水で濡らします。

  ) 急に一度に張り出さず、数回に分けて、下から上に、径を拡げます。

     径が大きく成るに従い、回転速度を、遅くします。

 ② 径を「朝顔型」に大きくする場合。(外側に、湾曲する場合)

  ) ①の場合と、手の位置関係が、逆に成ります。

    即ち、外側が下、内側が上に成ります。

  ) 拡げたい位置の最下部に、外側の手(指)を置き、それより1~2cm上部に、

    内側の手を置きます。

  ) 外側の手に、被せる様にし、内側の手に、力を入れ、形造ります。

  ) 数回に分けて、下から徐々に、径を拡げます。

  ) 極端に、外に反らすと、口縁部が、落ちてしまう(オチョコに成る)場合が有りますから、

     注意してください。

 尚、径を大きくすると、その部分の肉厚が薄くなると、心配される方がいますが、肉が薄く成る場合は、

  ほとんど有りません。 但し高さは、確実に低く成ります。

  ・ 「ハゼ石」などが入った、粗目の土を使うと、拡げた部分に、穴が開いたり、割れが発生し易いです。
  
     粗目の土を、どうしても使いたい方は、張り出す量を、出来るだけ少なくするか、

     手捻りなどで、予め形を作り、仕上げで、ロクロ挽きを行うなど、色々工夫する必要が有ります。

以下次回に続きます。

電動轆轤で造る
形を造る 形作り 形造り   
   
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする