わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

乾燥に付いて 1

2009-04-23 20:19:27 | 窯詰め、素焼、本焼の話し
作品を制作すると、次は素焼と成ります。

一般に釉薬を掛ける焼き物は、素焼を行います。

素焼をする事により、釉薬が掛け易くなり、作品の破損を防ぐ効果もあります。

即ち、素焼(700℃~800℃程度)をすると、土は元の粘土には成りません。

素焼する事により、強度も若干強くなり、水で形が変わる(壊れる)事は有りません。

又、水分を素早く、吸収する様に成ります。(高い温度で素焼をすると、吸水性が悪く成ります。)

釉薬は水に溶かすのが普通で、釉掛けの際、釉薬と水を同時に吸い込み、厚みが均一に成り、且つ

釉の乾燥が早く成ります。それ故、施釉後1分も経たずに、作品を持つ事が出来ます。

・ 素焼をせずに、直接施釉する方法を、「生掛」(なまがけ)と言います。

  (粉引きも、素焼をせずに直接、白化粧土を掛けますので、「生掛」と言います。)

  「生掛」は、作品が急激に水を吸い、作品を溶かし、形が崩れる場合が多いです。

 それ故、「生掛」のタイミング、即ち作品の乾燥具合が大切です。又「生掛」に適した土を、

 使用する必要が有ります。

尚、釉薬を掛けずに焼成する場合は、当然素焼の必要は、有りません。

 (備前焼きなど、薪窯で焼成する作品などです。)


乾燥に付いて

・ 素焼を行う前に、作品を乾燥させて置かなければなりません。

 (乾燥が甘い作品を、素焼すると、窯の中で爆発します。後日説明いたします。)

1) 作陶時、粘土には18~25%程度の水分を含んでいます。

   この水分が有るからこそ、土に粘りが有り、加工し易く成ります。

   粒子の細かい土は、粗い土より、水分が多く含まれています。

2) 乾燥とは、この土に含まれた水分を取り除く事ですが、

  ① 作品制作直後から、自然に乾燥が始まります。

  ② 乾燥と同時に、作品は収縮し始めます。

  ③ 水分の含入量の多い作品(目の細かい土)程、大きく縮みます。

  ④ 自然乾燥では、100%乾燥とはなりません。

    空気中には、どんなに乾燥していても、数%の水分が有ります。

    それ故、最も乾燥させても、この数%の水分は残ります。

  尚、自然乾燥後、素焼しても、作品は、ほとんど収縮しません。

以下、次回に続きます。

 陶芸の窯焚き(素焼) 
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