前回に続き、ブリストル釉について、述べます。
4) ブリストル釉の調合例 の解説
③ 他の5種類を、ゼーゲル式で表すと、以下の様に、成ります。
3)-①は RO ・ 0.572 Al2O3 ・ 3.413 SiO2 と成ります。 アルミナ:シリカ=1:5.97
-②は RO ・ 0.532 Al2O3 ・ 2.607 SiO2 1: 4.90
-③は RO ・ 0.536 Al2O3 ・ 3.124 SiO2 1: 5.82
-④は RO ・ 0.398 Al2O3 ・ 1.668 SiO2 1: 4.19
-⑤は RO ・ 0.312 Al2O3 ・ 3.120 SiO2 1: 10.0
-⑥は RO ・ 0.792 Al2O3 ・ 5.048 SiO2 1: 6.37
④ 上記のデータから
) 透明釉に成るのは、3)ー⑤の、調合の場合のみです。
) 他の調合は、マット系に、なっています。
この釉を、透明釉にするには、珪石(SiO2成分)を、増やす必要が有ります。
) このマット系の中で、一番熔け易い釉は、3)-④の調合で、一番熔け難い釉は、
3)-⑥の調合です。上記調合例は、全体に、融点が低いです。石灰石や、亜鉛華又は、
両方の分量を、減らして、温度を上昇させた方が、良いでしょう。
・ Al2O3とSiO2nの値が、小さい時は、熔け易く、大きいと熔け難く成ります。
但し、値が小さいと、貫入が入り易く、成ります。
⑤ 福島長石を、釜戸長石に換える。
上記データは、長石に、福島長石を、使用して計算しましたが、余り良い結果が、出ませんでした。
) 釜戸長石は、福島長石より、アルミナ成分が、少なく、シリカ成分は多く成ります。
又、アルカリ成分は、少なく成り、融点を上げます。
) 化学分析値を示すと、以下の様に成ります。(100g当り)
・ 福島: Al2O3が、0.182モル SiO2が、1.111モル アルカリが、0.164モル
・ 釜戸: 0.143モル 1.267モル 0.124モル
) 釜戸長石で計算し直すと、3)-③のゼーゲル式は、以下の様に成ります。
RO : 0.546 Al2O3 : 4.375 SiO2 となります。
アルミナ:アルカリ= 1:8.01となり、透明釉と成ると共に、融点も高くなりました。
) 同様に、3)-①、ー⑥の調合例も、透明釉に成るはずです。
以上の事から、調合には、福島より、釜戸長石の方が、適している様に、思われます。
以上は、理論値です。当然原料の成分も、「ばらつき」が有り、窯の構造や、焼成温度などで、
調合通りでも、上手く行かないでしょう。その場合には、適宜、調合を変化して下さい。
次回は「灰釉」、灰立ての調合について、述べます。
4) ブリストル釉の調合例 の解説
③ 他の5種類を、ゼーゲル式で表すと、以下の様に、成ります。
3)-①は RO ・ 0.572 Al2O3 ・ 3.413 SiO2 と成ります。 アルミナ:シリカ=1:5.97
-②は RO ・ 0.532 Al2O3 ・ 2.607 SiO2 1: 4.90
-③は RO ・ 0.536 Al2O3 ・ 3.124 SiO2 1: 5.82
-④は RO ・ 0.398 Al2O3 ・ 1.668 SiO2 1: 4.19
-⑤は RO ・ 0.312 Al2O3 ・ 3.120 SiO2 1: 10.0
-⑥は RO ・ 0.792 Al2O3 ・ 5.048 SiO2 1: 6.37
④ 上記のデータから
) 透明釉に成るのは、3)ー⑤の、調合の場合のみです。
) 他の調合は、マット系に、なっています。
この釉を、透明釉にするには、珪石(SiO2成分)を、増やす必要が有ります。
) このマット系の中で、一番熔け易い釉は、3)-④の調合で、一番熔け難い釉は、
3)-⑥の調合です。上記調合例は、全体に、融点が低いです。石灰石や、亜鉛華又は、
両方の分量を、減らして、温度を上昇させた方が、良いでしょう。
・ Al2O3とSiO2nの値が、小さい時は、熔け易く、大きいと熔け難く成ります。
但し、値が小さいと、貫入が入り易く、成ります。
⑤ 福島長石を、釜戸長石に換える。
上記データは、長石に、福島長石を、使用して計算しましたが、余り良い結果が、出ませんでした。
) 釜戸長石は、福島長石より、アルミナ成分が、少なく、シリカ成分は多く成ります。
又、アルカリ成分は、少なく成り、融点を上げます。
) 化学分析値を示すと、以下の様に成ります。(100g当り)
・ 福島: Al2O3が、0.182モル SiO2が、1.111モル アルカリが、0.164モル
・ 釜戸: 0.143モル 1.267モル 0.124モル
) 釜戸長石で計算し直すと、3)-③のゼーゲル式は、以下の様に成ります。
RO : 0.546 Al2O3 : 4.375 SiO2 となります。
アルミナ:アルカリ= 1:8.01となり、透明釉と成ると共に、融点も高くなりました。
) 同様に、3)-①、ー⑥の調合例も、透明釉に成るはずです。
以上の事から、調合には、福島より、釜戸長石の方が、適している様に、思われます。
以上は、理論値です。当然原料の成分も、「ばらつき」が有り、窯の構造や、焼成温度などで、
調合通りでも、上手く行かないでしょう。その場合には、適宜、調合を変化して下さい。
次回は「灰釉」、灰立ての調合について、述べます。