酸化鉄を利用した釉には、前回までに、お話した、天目釉、黄瀬戸釉、青磁釉の他に柿釉、飴釉、
蕎麦(そば)釉、鉄砂釉等が有ります。
1) 柿釉
釉薬は、益子焼の代表的な釉で、民芸等で、一般に使用されています。
又、昔は良く使われていた、甕(かめ)に掛けられている、明るい茶色の釉です。
調合例
① 長石:33、 木灰:33、 藁灰:29、 弁柄:5 (酸化:不透明なさび色、還元:褐色~黒)
② 長石:43、 木灰:30、 石英:10、 弁柄:17
③ 長石:30、 木灰:20、 藁灰:25、 黄土:25
④ 基礎釉:75、 木灰:14、 弁柄:11
益子焼きでは、付近から出る、土を使い柿釉を、作っています。
⑤ 大谷津砂:10、 寺山土:5、 至勢堂土:5、 芦沼赤粉:5 (容積比)に
二酸化マンガン:4.5%を、外割りで、添加します。
2) 蕎麦(そば)釉、飴釉、黒釉
① 蕎麦釉: 飴釉に、黄緑色の結晶が、斑点状に出る、釉です。
やや厚く掛けた方が、斑点が出易いです。
調合例
) 長石:180(64.2%)、 石灰石:55(19.7%)、 焼滑石:20(7.2%)、 カオリン:25(8.9%)
蕎麦釉に、骨灰:2~4%、 酸化チタン:3~6%程度添加すると、黄茶、薄緑、薄青の、
斑点が出ます。更に、珪石が多くなると、釉は乳濁し、なまこ釉の様になります。
) 木灰と黄土でも、蕎麦釉を作る事が出来ます。
土灰:50、 黄土:50 還元焼成で、濃い緑の斑点が出ます。
② 飴釉
上記、蕎麦釉から、黄緑色の結晶が、出ない様にした釉です。
結晶を出さない為に、珪石を加えます。酸化還元の影響は、あまり受けません。
調合例 ) 上記蕎麦釉に、珪石を、20入れると、飴釉に成ります。
) 土灰と赤粉でも、黄飴釉を作る事が出来ます。
土灰:2~8、 赤粉:8~2 の調合に成ります。
(土灰が、多いほど、黄色が濃く成ります。)
③ 黒釉: 上記、蕎麦釉に、珪石の量を、増やすと、黒さが増します。
珪石を、80程度加えると、黒天目に成ります。
尚、釉を黒くする、金属類には、酸化鉄以外に、酸化クロム、酸化コバルト(呉須)、
酸化マンガンなどが、有ります。適宜添加して、希望の黒さを、出します。
3) 鉄砂釉: 変化に富んだ、艶のある、鉄褐色の釉です。酸化焼成が基本です。
調合例 長石:21、 石灰石:16、 石英:26、 白粘土:26、 弁柄:12
以上の様に、鉄釉は、少しの配合の差で、色々と変化し、その変化も大きいです。
それ故、面白味がある釉、とも言えます。
以上にて、鉄釉の話を終わり、次回から、銅釉について述べます。
蕎麦(そば)釉、鉄砂釉等が有ります。
1) 柿釉
釉薬は、益子焼の代表的な釉で、民芸等で、一般に使用されています。
又、昔は良く使われていた、甕(かめ)に掛けられている、明るい茶色の釉です。
調合例
① 長石:33、 木灰:33、 藁灰:29、 弁柄:5 (酸化:不透明なさび色、還元:褐色~黒)
② 長石:43、 木灰:30、 石英:10、 弁柄:17
③ 長石:30、 木灰:20、 藁灰:25、 黄土:25
④ 基礎釉:75、 木灰:14、 弁柄:11
益子焼きでは、付近から出る、土を使い柿釉を、作っています。
⑤ 大谷津砂:10、 寺山土:5、 至勢堂土:5、 芦沼赤粉:5 (容積比)に
二酸化マンガン:4.5%を、外割りで、添加します。
2) 蕎麦(そば)釉、飴釉、黒釉
① 蕎麦釉: 飴釉に、黄緑色の結晶が、斑点状に出る、釉です。
やや厚く掛けた方が、斑点が出易いです。
調合例
) 長石:180(64.2%)、 石灰石:55(19.7%)、 焼滑石:20(7.2%)、 カオリン:25(8.9%)
蕎麦釉に、骨灰:2~4%、 酸化チタン:3~6%程度添加すると、黄茶、薄緑、薄青の、
斑点が出ます。更に、珪石が多くなると、釉は乳濁し、なまこ釉の様になります。
) 木灰と黄土でも、蕎麦釉を作る事が出来ます。
土灰:50、 黄土:50 還元焼成で、濃い緑の斑点が出ます。
② 飴釉
上記、蕎麦釉から、黄緑色の結晶が、出ない様にした釉です。
結晶を出さない為に、珪石を加えます。酸化還元の影響は、あまり受けません。
調合例 ) 上記蕎麦釉に、珪石を、20入れると、飴釉に成ります。
) 土灰と赤粉でも、黄飴釉を作る事が出来ます。
土灰:2~8、 赤粉:8~2 の調合に成ります。
(土灰が、多いほど、黄色が濃く成ります。)
③ 黒釉: 上記、蕎麦釉に、珪石の量を、増やすと、黒さが増します。
珪石を、80程度加えると、黒天目に成ります。
尚、釉を黒くする、金属類には、酸化鉄以外に、酸化クロム、酸化コバルト(呉須)、
酸化マンガンなどが、有ります。適宜添加して、希望の黒さを、出します。
3) 鉄砂釉: 変化に富んだ、艶のある、鉄褐色の釉です。酸化焼成が基本です。
調合例 長石:21、 石灰石:16、 石英:26、 白粘土:26、 弁柄:12
以上の様に、鉄釉は、少しの配合の差で、色々と変化し、その変化も大きいです。
それ故、面白味がある釉、とも言えます。
以上にて、鉄釉の話を終わり、次回から、銅釉について述べます。