わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

釉の話 19 (鉄釉2、油滴天目釉)

2010-03-23 22:13:29 | 釉薬の調合と釉を掛ける
引き続き、色々な、鉄釉について、述べます。

1) 天目釉の調合

  調合例 ① 基礎釉:56、 木灰:8、  石英:24、 弁柄:12

      ②    :62、   :12、   :17、   :9

   上記調合例では、黒色~強褐色に成ります。

      ③ 長石:60、  土灰:40、  弁柄:10

      ④   :50、    :40、    :10、  藁灰:10

      ⑤   :30、    :40、  鬼板:40

   灰を使わない調合例

      ⑥ 長石:56.7 珪石:21.2  石灰石:15.3 カオリン:6.8  弁柄:8.0

      ⑦    :57.0    :21.5      :12.3      :6.6     :8.0   MgCO3:2.6      

2) 油滴天目釉

   黒い釉の中に、丸い斑点が、油の滴の様に、出現し、光り輝いています。

  ・ 高温で熔けた釉から、抜け出た気泡に、酸化鉄が、細かい結晶となって、析出した物です。

  ・ 焼成温度、ねらし(その温度を保持する)時間、釉の粘性、冷却速度などの、条件により、

    油滴(結晶)の形、大きさが、左右されます。

  ・ MgO 成分を入れると、粘性が下り、油滴が出来易く成ります。

    酸化コバルトを0.6%程度、添加すると、油滴が銀色に成ります。

    炭酸マンガンを、3%程度添加すると、油滴の出来る温度周辺で、粘性を下げる、働きが有ります。

  調合例 ① 福島長石:65.3、 珪石:24.0 石灰石:4.3 焼滑石:6.4 酸化鉄:7~9

       ② 三雲長石:32.5  来待石:67.5 炭酸マンガン:1.95

       ③   長石:70、   土灰:10、  藁灰:20、  弁柄:8

       (参考資料:窯業界誌)

       ④ 来待石:60、 藁灰:40 (1,250℃~1,280℃) 

 ・ 油滴天目を作る時の注意点

  ) 釉を厚く掛けると、油滴が大き過ぎ、気泡の痕が残りやすく、薄過ぎると、油滴が小さい。

     葉書1~2枚程度の、厚さにすると良いと、言われています。

  ) 焼成は、酸化焔で行います。冷却時間は長い方が、良い結果が出ます。

  ) 釉は、石灰ーマグネシア釉が良く、石灰分が多いと、鉄分が、釉の中に溶け込み、

     結晶化しません。

     又、釉の粘性が弱いと、釉中のガスが、容易に抜け出て、気泡が残らず、油滴が出来ません。

3) 黄瀬戸釉

以下次回に続きます。

 油滴天目釉 

  

   

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