8) 釉による装飾
釉は作品の機械的強度や汚れ、薬品などから守る働きがありますが、装飾の働きも備えています
即ち、素地とは異なる色を身に纏う(まとう)事で、その美しさを表現しています。
釉の掛け方や、掛ける際の細工の仕方によって、色々な装飾を行う事が出来ます。
① 釉の色と種類。
釉の色の種類は無限と言って良い程存在します。何故なら、釉はご自分で調合する事が可能で、
ある程度の色なら、自分の好みの色を作る事が出来るからです。但し、著名な釉が再現せれて
いないのも事実です。 当然ご自分で調合したレシピは、公表する必要は有りませんので、秘密
事項に成っている場合も多いです。
) 釉の色は主に、ガラス質の材料(長石、珪石、アルカリ成分)に、金属を添加する事で
得られます(色釉と言います)。
(尚、ガラス質のみや、鉛を添加した物では、透明な釉になります。)
地球上にある金属はほとんどが、空気中の酸素に晒され、酸化金属(即ち金属の錆)として
存在し、金属本来の色とは異なります。酸化焼成であれば、一般に見られる金属の色を呈し
ますが、還元焼成する事で、金属本来の色を取り戻す事になります。
) 例えば、鉄であれば鉄錆(赤錆)の茶色や茶褐色の色に成りますが、還元では光沢のある
ステンレスの様な色(輝く白)にもなり、銅であれば寺院の屋根の様な緑錆に成ります。
これが青織部と呼ばれる色で、還元では赤銅色と呼ばれる赤い色に成ります。これが辰砂釉
と呼ばれる色です。
) 鉄(弁柄、砂鉄、黒浜など)や銅(酸化銅、炭酸銅、硫酸銅など)以外に、亜鉛(亜鉛華)
錫(白)、クローム(緑)、ニッケル(緑)、マンガン(黒)、チタン(黄色)、酸化
ルチール(黄色)、タングステン(黄色)コバルト(青、藍)等の金属が多く使われて
います。 これらの金属も他の金属と一緒に使えば、異なる色に発色します。
) 釉は光沢の有るのが一般的ですが、光沢のない釉(マット釉)や不透明な乳濁釉、
金属結晶が析出した結晶釉等が有り、更に、貫入のある「ひび釉」もあります。
これらは、釉の調合のみでなく土(素地)の色の違いや、焼成の仕方、焼成温度によって
色が変化します。
) 市販されている各種の釉は、指定の濃度と指定の焼成温度範囲と、指定の焼成方法
(酸化、還元)で取り扱えば、安定的に発色する様に成っているはずですが、実際に焼成
してみると、毎回同じ状態に焼き上がる事は少ないです。上記の指定のみでなく、焼成
時間、燃料の違い、更には、窯の大きさや窯詰めの方法、窯に入れる作品の種類と大きさ
など、色々な要素が関係すると思われます。 それ故、窯の扉を開けて見なければ、
結果が判明しません。その事が陶芸の面白さかも知れません。
尚、釉の調合方法などに付いては、当ブログで何度か取り上げていますので、参考にして
下さい。
② 釉による装飾の仕方の例。
以下次回に続きます。
釉は作品の機械的強度や汚れ、薬品などから守る働きがありますが、装飾の働きも備えています
即ち、素地とは異なる色を身に纏う(まとう)事で、その美しさを表現しています。
釉の掛け方や、掛ける際の細工の仕方によって、色々な装飾を行う事が出来ます。
① 釉の色と種類。
釉の色の種類は無限と言って良い程存在します。何故なら、釉はご自分で調合する事が可能で、
ある程度の色なら、自分の好みの色を作る事が出来るからです。但し、著名な釉が再現せれて
いないのも事実です。 当然ご自分で調合したレシピは、公表する必要は有りませんので、秘密
事項に成っている場合も多いです。
) 釉の色は主に、ガラス質の材料(長石、珪石、アルカリ成分)に、金属を添加する事で
得られます(色釉と言います)。
(尚、ガラス質のみや、鉛を添加した物では、透明な釉になります。)
地球上にある金属はほとんどが、空気中の酸素に晒され、酸化金属(即ち金属の錆)として
存在し、金属本来の色とは異なります。酸化焼成であれば、一般に見られる金属の色を呈し
ますが、還元焼成する事で、金属本来の色を取り戻す事になります。
) 例えば、鉄であれば鉄錆(赤錆)の茶色や茶褐色の色に成りますが、還元では光沢のある
ステンレスの様な色(輝く白)にもなり、銅であれば寺院の屋根の様な緑錆に成ります。
これが青織部と呼ばれる色で、還元では赤銅色と呼ばれる赤い色に成ります。これが辰砂釉
と呼ばれる色です。
) 鉄(弁柄、砂鉄、黒浜など)や銅(酸化銅、炭酸銅、硫酸銅など)以外に、亜鉛(亜鉛華)
錫(白)、クローム(緑)、ニッケル(緑)、マンガン(黒)、チタン(黄色)、酸化
ルチール(黄色)、タングステン(黄色)コバルト(青、藍)等の金属が多く使われて
います。 これらの金属も他の金属と一緒に使えば、異なる色に発色します。
) 釉は光沢の有るのが一般的ですが、光沢のない釉(マット釉)や不透明な乳濁釉、
金属結晶が析出した結晶釉等が有り、更に、貫入のある「ひび釉」もあります。
これらは、釉の調合のみでなく土(素地)の色の違いや、焼成の仕方、焼成温度によって
色が変化します。
) 市販されている各種の釉は、指定の濃度と指定の焼成温度範囲と、指定の焼成方法
(酸化、還元)で取り扱えば、安定的に発色する様に成っているはずですが、実際に焼成
してみると、毎回同じ状態に焼き上がる事は少ないです。上記の指定のみでなく、焼成
時間、燃料の違い、更には、窯の大きさや窯詰めの方法、窯に入れる作品の種類と大きさ
など、色々な要素が関係すると思われます。 それ故、窯の扉を開けて見なければ、
結果が判明しません。その事が陶芸の面白さかも知れません。
尚、釉の調合方法などに付いては、当ブログで何度か取り上げていますので、参考にして
下さい。
② 釉による装飾の仕方の例。
以下次回に続きます。
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