わ! かった陶芸 (明窓窯)

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素朴な疑問 265 市販されている粘土類(カラー粘土)

2016-12-01 17:02:03 | 素朴な疑問
5) カラー粘土: 自然界にはほとんど存在しない綺麗な色の粘土です。

  市販されている練り込み用の顔料(絵の具)や手持ちの呉須(コバルト類)や鬼板、酸化銅、

  弁柄などの下絵付け様の絵の具を添加し、御自分の好みの色の粘土を作る事も可能です。但し

  顔料の混合割合によっては、鮮やかな色に成る事は少ない様です。綺麗で彩度のある粘土を得る

  には、市販のカラー粘土を使う事が手っ取り速いです。近年は色数も豊富に存在しますので、

  気に入ったカラー粘土を得る事ができます。尚、カラー粘土は彩粘土とも呼ばれる事もあります

  但し価格が高いのが欠点です。

 ① 本焼き程度の高い温度で、酸化焼成の場合に、鮮明でしっかりした色が出現します。

  還元焼成では、所定の色が出難く、場合によっては全く色彩が出ない場合もあります。

  市販のカラー粘土であれば、焼成前でも色の確認が出来ますが、顔料や絵の具を添加してご自分

  で作ったカラー粘土では、生の状態では見分けが付かない場合も多いですので、複種類の色違い

  の土を作る際には、間違わない様にする必要があります。

 ② 色化粧土とカラー粘土は同じ様な材料ですが、若干違いがあります。

  白っぽい粘土に顔料を適度に加えて、望みの色彩の色土を作る事が出来ます。

  但し、化粧土は作品の表面のみに作用させますが、カラー粘土は作品の素地全体に作用します。

  即ち作品が壊れてもその断面全体が同じ色になります。

 ③  市販されているカラー粘土。

   1kg単位で市販されている物と、5kg、10kg単位の物があります。

   焼成温度はSk6a(1200℃)~8(1250℃)で、酸化焼成が基本です。 

  以下 (有)ヤマニファーストセラミイクのカタログを参考にしました。

  ⅰ) 彩粘土。

   ・ ホワイト: 白色 ・ ピンク: 桃色 ・ イエロー: 濃い目の山吹色

   ・ トルコブルー: 空色 ・ ブルー: コバルトブルー ・ グリーン:濃い緑

   ・ ライトブラウン: 黄土色 ・ ダークブラウン: 焦げ茶 ・ ブラック: 黒色

   ・ グレー: 濃い目の灰色 ・ 朱泥: 赤茶色

  ⅱ) 目で見て楽しむカラー粘土。

   ・ コスモス粘土: 淡いピンク色  ・ サクラ粘土: 白い斑点のある淡いピンク色

   ・ ミカン粘土: 蜜柑色 ・ よもぎ粘土: 蓬(よもぎ)の葉の様な緑色

   ・ 浅みどり粘土: 乳白掛かった淡い緑色で、白い斑点が出ます。

   ・ 白雪粘土: 雪の様な白色 ・ 墨粘土: 墨汁の様な黒色

   ・ レモン粘土: レモンイエローの明るい黄色 ・ ねずみ粘土: 薄めのねずみ色

   ・ 桔梗(ききょう)粘土: 濃い目の青色

  ⅲ) 和染: 日本の伝統的な色です。

    練り上げ手や小物などにワンポイントで使用すると良いでしょう。

   ・ 薄青染め: 淡い水色 ・ 浅葱(あさぎ)染め: 濃い水色

   ・ 瑠璃(るり)染め: 濃い青色 ・ 若草染め: 淡いエメラルドグリーン

   ・ 松葉染め: 明度が低いが温か味のある緑色 ・山吹染め: 温か味のある黄色

   ・ 胡桃(くるみ)染め: 肌色に近い淡いオレンジ ・ 藤さくら染め: 淡い紫

   ・ 藤紫染め: 綺麗な紫 ・ 栗染め: 栗の皮色の濃い茶色 ・ 白水染: 純白

   ・ 鴇羽(ときわ)染め ・青丹(あおに)染め: 黒に近い濃い緑 ・ 墨黒: 漆黒

 ④ 市販されている練り込み用の顔料。(100g又は500g単位)

  顔料の種類によって、練り込む元の粘土に、3~20%程度(一般的には10%以下)添加する

  ・ 黒、 黄色、 ピンク、 コバルト青、 コバルト青、 緑、 茶、 紫  

  ・ 瑠璃色、空色、焦げ茶、薄緑、淡緑、渋緑、ひまわり色、 セピア色

  ・ 下絵付けに使う以下の絵の具を添加して色土を作る事も出来ます。

    呉須類(古代、青、紫、墨、焼貫)、酸化鉄類(弁柄、黄土、鬼板、赤土)、酸化銅、

    酸化クロム、トルコ青、コバルト青(酸化コバルト)、陶試紅(とうしこう)、二酸化

    マンガン(又は炭酸マンガン)、酸化ルチール、赤茶などが使えます。混ぜる量によって

    濃い目から薄目の色にする事ができます。呉須類は少量でも発色します。

  ⑤ カラー粘土は他の色と混ぜて新しい色を作りだす事もできます。但し混ぜれる色数を増せば

   増すほど、彩度(鮮やかさ)が低くなります。(色が灰色から黒色へと変化します。)

以下次回に続きます。  
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