現在では、個人で窯を持つのが普通になっています。それ故大きな窯よりも、小回りのきく1立米以下の
中型の窯を、使用している方が、多いと思います。
窯の構造も、熱効率の良い横焔式がほとんどで、燃料も、ガス、灯油、電気を使う事が、多いです。
電気では、マイコンによる、自動焼成が可能で、好みの温度で焼成できる窯も、市販されています。
更に、シャトルと言い、窯の外側で窯詰めし、そのまま窯内に移動させる方式もあり、窯詰め作業も、
かなり容易になっています。窯焚き自体も、簡単になり、省エネ化は、更に進むと思われます。
「窯焚き一生」と言う諺も、近い未来には、特別の人のみに、通用する諺に成ってしまうかも知れません。
前置きが長くなりましたが、本日の話をします。
1) 不連続窯は、熱効率が悪い
1回毎に、加熱と冷却を繰り返す不連続窯は、供給した熱量(カロリー)に対して、大雑把に、
以下の様に、消費されるそうです。
① 作品、棚板、支柱、さや鉢等を熱する熱量: 10~20%
② 窯の壁が吸収する熱量 : 30~40%
③ 窯の壁や、天井、床などへ逃げる熱量 : 20~30%
④ 煙突などから逃げる廃ガスの熱量 : 20~30%
即ち、実際に作品を加熱するのに、使われる熱量は、10~15%程度と成ります。
2) 窯のメンテナンス
電気の窯ですと、屋内に設置できますが、燃える燃料を使う窯では、屋外に設置します。
窯そのものは、特殊の窯(塩釉を使う窯)を除き、数十年の寿命があります。
昔の窯ですと、耐火レンガと、道具土で築いている為、地震などに対して比較的弱いですが、
現在では、窯の周囲を鉄骨や鉄板で囲い、堅固に出来ています。
① 窯は水に弱い。 特に雨対策が必要で、屋外の窯には、必ず屋根があり、横殴りの雨にも対処する
必要があります。水は耐火レンガの目地に入り込み、加熱による水蒸気の発生、冬場の凍結など、
目地を膨張させたり、圧縮する様に働き、目地を痛め、結果的に窯自体を傷めます。
② 窯の壁に割れが出来た場合の処置
最初に窯を焚いた時や、長年窯を使っている場合に、窯の内側に「割れやひび」が、入る事が
有ります。この場合、「割れやひび」の状態によって、修理する必要があったり、そのままでも、
問題ない場合があります。
・ 即ち、その傷が窯の外側からも、確認できる時には、修理が必要です。
修理は、道具土を使う事もありますが、断熱モルタルを塗り込み、補修した方が良いでしょう。
・ 外側から、確認できない場合には、ほとんど問題ありません。
温度が上昇するに従い、熱膨張によって、割れ目は塞がりますので、そこから熱が外部に
漏れ出す危険は、ほとんどありません。
③ 窯道具の内、棚板は傷み易いです。
釉が流れ落ち、棚板にこびり付く事があります。これを鏨(たがね)等を使い、取り除きますが、
削りカスが目に入らない様に、メガネを掛けると良いでしょう。その後に、アルミナコーチングを
塗っておきます。又、立て掛けた棚板を倒すと、棚板が割れます。
1/3以上ひびの入った、棚板は使わない方が安全です。
④ 電熱線の破断、熱電対温度計の故障など、トラブルに見舞われた時、なるべく本人が対処できれば、
心強いです。
即ち、窯を焚くだけでなく、窯全般に渡って、保守管理する事も、窯焚きの仕事だと思います。
以上で「窯焚き一生」の話を終わります。
次回より、別のテーマでお話します。
中型の窯を、使用している方が、多いと思います。
窯の構造も、熱効率の良い横焔式がほとんどで、燃料も、ガス、灯油、電気を使う事が、多いです。
電気では、マイコンによる、自動焼成が可能で、好みの温度で焼成できる窯も、市販されています。
更に、シャトルと言い、窯の外側で窯詰めし、そのまま窯内に移動させる方式もあり、窯詰め作業も、
かなり容易になっています。窯焚き自体も、簡単になり、省エネ化は、更に進むと思われます。
「窯焚き一生」と言う諺も、近い未来には、特別の人のみに、通用する諺に成ってしまうかも知れません。
前置きが長くなりましたが、本日の話をします。
1) 不連続窯は、熱効率が悪い
1回毎に、加熱と冷却を繰り返す不連続窯は、供給した熱量(カロリー)に対して、大雑把に、
以下の様に、消費されるそうです。
① 作品、棚板、支柱、さや鉢等を熱する熱量: 10~20%
② 窯の壁が吸収する熱量 : 30~40%
③ 窯の壁や、天井、床などへ逃げる熱量 : 20~30%
④ 煙突などから逃げる廃ガスの熱量 : 20~30%
即ち、実際に作品を加熱するのに、使われる熱量は、10~15%程度と成ります。
2) 窯のメンテナンス
電気の窯ですと、屋内に設置できますが、燃える燃料を使う窯では、屋外に設置します。
窯そのものは、特殊の窯(塩釉を使う窯)を除き、数十年の寿命があります。
昔の窯ですと、耐火レンガと、道具土で築いている為、地震などに対して比較的弱いですが、
現在では、窯の周囲を鉄骨や鉄板で囲い、堅固に出来ています。
① 窯は水に弱い。 特に雨対策が必要で、屋外の窯には、必ず屋根があり、横殴りの雨にも対処する
必要があります。水は耐火レンガの目地に入り込み、加熱による水蒸気の発生、冬場の凍結など、
目地を膨張させたり、圧縮する様に働き、目地を痛め、結果的に窯自体を傷めます。
② 窯の壁に割れが出来た場合の処置
最初に窯を焚いた時や、長年窯を使っている場合に、窯の内側に「割れやひび」が、入る事が
有ります。この場合、「割れやひび」の状態によって、修理する必要があったり、そのままでも、
問題ない場合があります。
・ 即ち、その傷が窯の外側からも、確認できる時には、修理が必要です。
修理は、道具土を使う事もありますが、断熱モルタルを塗り込み、補修した方が良いでしょう。
・ 外側から、確認できない場合には、ほとんど問題ありません。
温度が上昇するに従い、熱膨張によって、割れ目は塞がりますので、そこから熱が外部に
漏れ出す危険は、ほとんどありません。
③ 窯道具の内、棚板は傷み易いです。
釉が流れ落ち、棚板にこびり付く事があります。これを鏨(たがね)等を使い、取り除きますが、
削りカスが目に入らない様に、メガネを掛けると良いでしょう。その後に、アルミナコーチングを
塗っておきます。又、立て掛けた棚板を倒すと、棚板が割れます。
1/3以上ひびの入った、棚板は使わない方が安全です。
④ 電熱線の破断、熱電対温度計の故障など、トラブルに見舞われた時、なるべく本人が対処できれば、
心強いです。
即ち、窯を焚くだけでなく、窯全般に渡って、保守管理する事も、窯焚きの仕事だと思います。
以上で「窯焚き一生」の話を終わります。
次回より、別のテーマでお話します。
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