わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

陶芸でやってはいけない事1(始めに)

2011-07-14 20:19:41 | 陶芸四方山話 (民藝、盆栽鉢、その他)
陶芸を始めて、間もない人に「陶芸でやってはいけない事って有るんですか?」と、聞かれた事があります。

常日頃この様な事を、考えていませんでしたので、答えに窮しましたが、「やってはいけない事は無いが、

逆に、しなければ成らない事は、あります」と、答えました。

この答えが、果たして妥当だったかは、不明ですが、私の陶芸の先生が、「色々やってみろ、失敗しても

何かを得る物が有るぞ」と、口癖のように言われた事が、頭に残っていたせいかも知れません。

1) 工芸の世界に限らず、美術や芸術では、どんな技法や表現方法も、禁じ手(タブー)は有りません。

   これが基本の考え方のはずです。

  ① 新しい表現や技法は、誰もやっていない事から、始まります。

    むしろ禁じ手(タブー)と思われる事や、無理難題から、発生するとも言えます。

    「そんな事は無理で、時間の浪費だから、やらない方が良い」と、忠告する人がいても、

    やっては行けない事では有りません。やるかやらないは、本人の問題(責任)です。

  ② 「陶芸には、しなければ成らない事があります」と言いましたが、これは「そうした方が良い」と

     言う程度の事で、必ずする必要な物でも、ありません。

     (但し、その結果責任は、本人にありますが、指導者は、しない事の危険性は指摘すべきです。)

  ③ 法律を犯す行為は、やってはいけません。(当然の事ですが・・)

   金儲けの為の、贋作は、やってはいけない事です。単にコピーを作るのは、技術を模倣し

    修得する為の行為ですので、許されますが、その作品を本物の様に見せかけて、販売するのは、

    明らかに、犯罪と成ります。    

2) 人命に関わる事もありますので、やるべき事はしなくては成りません。

  ① 先日も窯を焚いている内に、一酸化炭素中毒で、亡くなった方が報道されていました。

    換気が不十分な為、屋内にあるガス窯から、一酸化炭素ガスが発生し、中毒死したものです。

    この場合も、当然やるべき行為(換気)を、しなかった結果です。

  ② 窯の爆発事故も起こり得ます。

    爆発の規模によっては、作品が壊れるのみでなく、窯本体が壊れる恐れもあります。

    単に、水蒸気爆発の場合や、本格的なガス爆発の場合もあります。人命とまでは行かなくとも、

    人を傷つける事もありますので、その原因と成る要因は、取り除いておかなければ、成りません。

   ・ 特にガス爆発は、細くしたバーナーの炎が、風などで吹き消され、生ガスが窯内に充満し

     それを扉を開けて、完全に逃がす行為を行わずに、再点火した結果、残っているガスに引火し、

     爆発を起こしたもので、窯自体おも、壊す結果に成りました。

3) 陶芸では一般にやらない事もあります。逆にやらなければ成らないと、思われている物も

   有ります。更には、「それは無理だ」と思われている物もあります。

  何度も言う様に、上記事項は、あくまでも、習慣的にそうしているだけの事も、有りますので、

  それらを、見直す事は、新たな発見に繋がるかも知れません。

次回より、具体的例を挙げて、考えてみたいと思います。

以下次回に続きます。

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