2) 本物も偽物も多い作品。
① 唐三彩各種。
) 褐色、藍、緑の鉛釉の三彩を低い温度で焼成した唐三彩は、強度不足で実用には適し
ません。但し、低火度焼成の為、色彩が原色に近く、煌びやかで主に、儀式用や装飾品と
して生産されいました。
) 清朝末期(明治末~大正初期)に大量に出土します。
洛陽近辺で鉄道敷設工事の際、偶然、唐代の墓が掘り当てられ、派手の色彩の焼き物が
次々に出土します。
) 北京の骨董商の目に留まり、店に並べた際、日本人やアメリカ人、西洋人の関心を
呼びます。次第に高値で取引される様になると、盗掘団によって洛陽付近の墓が次々に
あばかれます。副葬品である壷、酒盃の他、食用でもあった豚、牛、羊などの置物も
出土し、当時の貴族層の贅沢振りが見られます。
明代になると、型作りによる同じ種類の唐三彩が作り出され、より安価な三彩が庶民の
墓の副葬品として、使われる様になります。
) 唐三彩の写しは、中国で現在でも盛んに作られています。飾り物として製造された物で
す。但し真作を忠実に写した物や、白っぽい土を擦り付けて古色付けした物もあり、
真偽の判断は、必ずしも容易ではありません。
) 盃などの小物は、それなりに安価ですが、大作の真作は大変高価です。
上記の理由で、本物も多く存在し、写し(贋作)も多く出回っています。
② 李朝白磁染付各種。
李朝の陶磁器を好むのは、我が国に於いて顕著ですが、朝鮮と日本以外の国では、高麗中期頃
までの陶磁器が評価され、それ以外比較的好まれない様です。
その原因は、磁器は端正で精緻な作風の物と言うイメージですが、李朝は他と異なり、砕けた
感じのする作品が多い為ではないかと言われています。
尚、我が国で李朝の陶磁器が再発見をれ、高く評価したのは、民藝運動の創始者の柳宗悦氏で
それ以降、我が国で李朝の陶磁器が注目を集めます。
) 李朝白磁の偽物が多い理由。
a) 形や文様に多様性が少なく、写しを作るのが比較的容易です。
b) 韓国の現在の陶磁器は、伝統的な技法を踏襲している為、偽者のレベルが高くそのレベル
も日々進化しています。
c) 一般に偽物は単価の高い優れた磁器に多いのですが、韓国では小壷や盃など小物も多く
存在しています。
) 偽者の多い白磁の種類。
a) 前期白磁の時代の物として、偏壷、俵壷、玉壷春形瓶、立壷などがあります。
前期白磁は、白~灰白色の磁肌が特徴です。本物に対し釉面は平滑とされていますが、
「かせ」や「擦り傷」などが有ると(着けられると)真偽の判別は難しくなります。
b) 中期の金沙里窯の白磁は、ややクリーム掛かった白色で、白磁面取瓶や、提灯壷などの
贋作が多いです。贋作は表面状態や釉肌が本物とは、差がある様です。
) 白磁染付の贋作。
a) 前期染付は作られた数も、極めて少ないそうです。本物は博物館や美術館以外で見る事は
ほとんど有りません。
b) 前期染付は前期白磁に、梅文などの染付を施した物です。
偽物は本物に比べ、染付の発色が微妙に異なる場合が多いです。更に、本物には無い
文様が描かれた物もあります。その他、文様の描き方、磁肌の平滑さなどに差が有ると
言われています。
c) 後期分院窯の写しには、精巧の物が多いです。丸壷に着けられた木槿(むくげ)文や
牡丹文などは、真作と見分けが困難とも言われています。
近年出来の悪い小物の水滴などに古色(薬品処理など)を付けた贋作が、大量に出回って
いるとの事です。
d) 一時期化学コバルトが使用され、華やか過ぎる発色のの染付けが流行します。
器形や絵付けなどが、李朝の様式を持ちながら、薄い呉須で色付された物がありますが、
おおむね贋作です。又、変わった器形の作品も疑いがあります。
更に、古色が付き薄汚れた作品には、贋作が多く、逆に古さを感じさせない作品の方が
真作の場合が多い様です。
) 大正李朝と呼ばれる作品。
大正~昭和の戦前に、朝鮮半島で作られた李朝風の焼き物の事です。
a) 厚手の白磁の碗や壷等に、化学コバルトで染付をした物で、贋作ではありません。
しかし、この作品を李朝の作品として流通させれば、れっきとした贋作と成ります。
b) 最初から贋作として作られた作品。
李朝の古陶磁器は、本国や我が国に於いて根強い人気がある事に目お付け、古陶磁に
似せて作った物です忠実に古作に似せた、優れた作品もありますが、各時代の様式を
混ぜ合わせた様な、時代の不明な作品も多く、現代ではその不自然さが目立ち、贋作の
判断が容易との事です。
尚、李朝の陶磁器について、今まで詳細な説明はしておりませんが、後日説明したいと思って
おります。
以下次回に続きます。
① 唐三彩各種。
) 褐色、藍、緑の鉛釉の三彩を低い温度で焼成した唐三彩は、強度不足で実用には適し
ません。但し、低火度焼成の為、色彩が原色に近く、煌びやかで主に、儀式用や装飾品と
して生産されいました。
) 清朝末期(明治末~大正初期)に大量に出土します。
洛陽近辺で鉄道敷設工事の際、偶然、唐代の墓が掘り当てられ、派手の色彩の焼き物が
次々に出土します。
) 北京の骨董商の目に留まり、店に並べた際、日本人やアメリカ人、西洋人の関心を
呼びます。次第に高値で取引される様になると、盗掘団によって洛陽付近の墓が次々に
あばかれます。副葬品である壷、酒盃の他、食用でもあった豚、牛、羊などの置物も
出土し、当時の貴族層の贅沢振りが見られます。
明代になると、型作りによる同じ種類の唐三彩が作り出され、より安価な三彩が庶民の
墓の副葬品として、使われる様になります。
) 唐三彩の写しは、中国で現在でも盛んに作られています。飾り物として製造された物で
す。但し真作を忠実に写した物や、白っぽい土を擦り付けて古色付けした物もあり、
真偽の判断は、必ずしも容易ではありません。
) 盃などの小物は、それなりに安価ですが、大作の真作は大変高価です。
上記の理由で、本物も多く存在し、写し(贋作)も多く出回っています。
② 李朝白磁染付各種。
李朝の陶磁器を好むのは、我が国に於いて顕著ですが、朝鮮と日本以外の国では、高麗中期頃
までの陶磁器が評価され、それ以外比較的好まれない様です。
その原因は、磁器は端正で精緻な作風の物と言うイメージですが、李朝は他と異なり、砕けた
感じのする作品が多い為ではないかと言われています。
尚、我が国で李朝の陶磁器が再発見をれ、高く評価したのは、民藝運動の創始者の柳宗悦氏で
それ以降、我が国で李朝の陶磁器が注目を集めます。
) 李朝白磁の偽物が多い理由。
a) 形や文様に多様性が少なく、写しを作るのが比較的容易です。
b) 韓国の現在の陶磁器は、伝統的な技法を踏襲している為、偽者のレベルが高くそのレベル
も日々進化しています。
c) 一般に偽物は単価の高い優れた磁器に多いのですが、韓国では小壷や盃など小物も多く
存在しています。
) 偽者の多い白磁の種類。
a) 前期白磁の時代の物として、偏壷、俵壷、玉壷春形瓶、立壷などがあります。
前期白磁は、白~灰白色の磁肌が特徴です。本物に対し釉面は平滑とされていますが、
「かせ」や「擦り傷」などが有ると(着けられると)真偽の判別は難しくなります。
b) 中期の金沙里窯の白磁は、ややクリーム掛かった白色で、白磁面取瓶や、提灯壷などの
贋作が多いです。贋作は表面状態や釉肌が本物とは、差がある様です。
) 白磁染付の贋作。
a) 前期染付は作られた数も、極めて少ないそうです。本物は博物館や美術館以外で見る事は
ほとんど有りません。
b) 前期染付は前期白磁に、梅文などの染付を施した物です。
偽物は本物に比べ、染付の発色が微妙に異なる場合が多いです。更に、本物には無い
文様が描かれた物もあります。その他、文様の描き方、磁肌の平滑さなどに差が有ると
言われています。
c) 後期分院窯の写しには、精巧の物が多いです。丸壷に着けられた木槿(むくげ)文や
牡丹文などは、真作と見分けが困難とも言われています。
近年出来の悪い小物の水滴などに古色(薬品処理など)を付けた贋作が、大量に出回って
いるとの事です。
d) 一時期化学コバルトが使用され、華やか過ぎる発色のの染付けが流行します。
器形や絵付けなどが、李朝の様式を持ちながら、薄い呉須で色付された物がありますが、
おおむね贋作です。又、変わった器形の作品も疑いがあります。
更に、古色が付き薄汚れた作品には、贋作が多く、逆に古さを感じさせない作品の方が
真作の場合が多い様です。
) 大正李朝と呼ばれる作品。
大正~昭和の戦前に、朝鮮半島で作られた李朝風の焼き物の事です。
a) 厚手の白磁の碗や壷等に、化学コバルトで染付をした物で、贋作ではありません。
しかし、この作品を李朝の作品として流通させれば、れっきとした贋作と成ります。
b) 最初から贋作として作られた作品。
李朝の古陶磁器は、本国や我が国に於いて根強い人気がある事に目お付け、古陶磁に
似せて作った物です忠実に古作に似せた、優れた作品もありますが、各時代の様式を
混ぜ合わせた様な、時代の不明な作品も多く、現代ではその不自然さが目立ち、贋作の
判断が容易との事です。
尚、李朝の陶磁器について、今まで詳細な説明はしておりませんが、後日説明したいと思って
おります。
以下次回に続きます。
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