坏土(はいど)とは、陶磁器用の素地土(きじど)の事で、作品を作り易い様に、調整した土です。
坏土は単一の粘土で、調整する場合も有りますが、各種の粘土を、配合し調整した物が、多いです。
特に、市販されている粘土類は、ほとんどが、色々の粘土を配合し、作陶に向く様に調整した土です。
1) 磁器や精陶器(白色陶器)等では、化学的処理された土を、目的に合った土にする為、
計算調整して、配合を決めますが、その他の焼き物では、試行錯誤的に、配合調整を行います。
即ち、作り易さ(可塑性)と、試し焼きの結果から、焼成温度、焼き縮率、破損(割、ひび)の
有無、釉との相性などを見極め、不都合な点があれば、その対策として、他の粘土を加えたり
他の粘土に替えたりして、良い土が出来るまで、試し焼きを繰り返します。
2) 坏土の条件
① 可塑性(プラスッティック性): 作り易い為には、この性質が必要です。
即ち、成形に際して、「伸び」が良い事と、「腰」が強い事が必要です。
a) 可塑性の大小は、絶対的なものではなく、個人によって違いがあります、ある人は作り
難くても、他の人には、作り易いと、感じる事もあります。
b) 可塑性は、練り土の水分量によっても左右されます。又、前記の「寝かし」の日数に
よっても、変化します。
c) 簡単な可塑性の試験
練り土を引っ張り、伸ばした時、鉛筆程度の細さと、長さに成れば、非常に可塑性が
大きいと言えます。長さが短い場合や、途中で切れてしまう様では、可塑性は小さいと
言えます。
② 「ひび割れ」が起き難い事
可塑性が良く、粘り気があっても、乾燥と共に、「ひび割れ」を起こす土は、使えません。
例えば、ベンナイトは幾ら注意していても、「ひび割れ」を起こします。
又、砂が多く含まれた土は、形は出来ても、粘りが無く、直ぐに形が、崩れて仕舞ます。
③ 焼く温度範囲が、比較的広い粘土である事
多少の温度差が有っても、焼き不足や焼き過ぎが、起こらない事です。
a) 焼成の最適温度とは、焼成した時、変形や「たれ」が起こらず、最高の、硬さと密度が
得られる温度の事です。
b) 土によっては、焼成温度範囲が、極端に狭い物や、器 (せっき)粘土の様に、SK-1~SK-10
(1100~1300℃)まで、可能な物もあります。
④ 良く焼き締まる事
一定温度の幅内で、十分焼き締まり強度が強く、水を透さない性質に成る、土である事です。
a) 焼き締まりの、簡単な試験方法に、作品を叩いて、その音で判断する場合が有ります。
澄んだ高い音は、良く焼き締まっている事の、証拠です。
⑤ 釉が良く熔け、素地に適合し表面を覆い、その色調が綺麗に仕上がる事。
⑥ 気孔がある事
乾燥の際、粘土から水分が、蒸発して行きます。その為には、土に隙間(気孔)が必要に
成ります。この気孔が少ない(粒子は細か過ぎる)場合には、乾燥時や焼成時に、内部に水分が
残り、作品が変形したり、「ねじれ」を生じます。
その対策として、シャモットや珪砂を、混ぜる場合も有ります。
この様な処置を施すと、当然、可塑性が悪くなります。
以下次回に続きます。
坏土は単一の粘土で、調整する場合も有りますが、各種の粘土を、配合し調整した物が、多いです。
特に、市販されている粘土類は、ほとんどが、色々の粘土を配合し、作陶に向く様に調整した土です。
1) 磁器や精陶器(白色陶器)等では、化学的処理された土を、目的に合った土にする為、
計算調整して、配合を決めますが、その他の焼き物では、試行錯誤的に、配合調整を行います。
即ち、作り易さ(可塑性)と、試し焼きの結果から、焼成温度、焼き縮率、破損(割、ひび)の
有無、釉との相性などを見極め、不都合な点があれば、その対策として、他の粘土を加えたり
他の粘土に替えたりして、良い土が出来るまで、試し焼きを繰り返します。
2) 坏土の条件
① 可塑性(プラスッティック性): 作り易い為には、この性質が必要です。
即ち、成形に際して、「伸び」が良い事と、「腰」が強い事が必要です。
a) 可塑性の大小は、絶対的なものではなく、個人によって違いがあります、ある人は作り
難くても、他の人には、作り易いと、感じる事もあります。
b) 可塑性は、練り土の水分量によっても左右されます。又、前記の「寝かし」の日数に
よっても、変化します。
c) 簡単な可塑性の試験
練り土を引っ張り、伸ばした時、鉛筆程度の細さと、長さに成れば、非常に可塑性が
大きいと言えます。長さが短い場合や、途中で切れてしまう様では、可塑性は小さいと
言えます。
② 「ひび割れ」が起き難い事
可塑性が良く、粘り気があっても、乾燥と共に、「ひび割れ」を起こす土は、使えません。
例えば、ベンナイトは幾ら注意していても、「ひび割れ」を起こします。
又、砂が多く含まれた土は、形は出来ても、粘りが無く、直ぐに形が、崩れて仕舞ます。
③ 焼く温度範囲が、比較的広い粘土である事
多少の温度差が有っても、焼き不足や焼き過ぎが、起こらない事です。
a) 焼成の最適温度とは、焼成した時、変形や「たれ」が起こらず、最高の、硬さと密度が
得られる温度の事です。
b) 土によっては、焼成温度範囲が、極端に狭い物や、器 (せっき)粘土の様に、SK-1~SK-10
(1100~1300℃)まで、可能な物もあります。
④ 良く焼き締まる事
一定温度の幅内で、十分焼き締まり強度が強く、水を透さない性質に成る、土である事です。
a) 焼き締まりの、簡単な試験方法に、作品を叩いて、その音で判断する場合が有ります。
澄んだ高い音は、良く焼き締まっている事の、証拠です。
⑤ 釉が良く熔け、素地に適合し表面を覆い、その色調が綺麗に仕上がる事。
⑥ 気孔がある事
乾燥の際、粘土から水分が、蒸発して行きます。その為には、土に隙間(気孔)が必要に
成ります。この気孔が少ない(粒子は細か過ぎる)場合には、乾燥時や焼成時に、内部に水分が
残り、作品が変形したり、「ねじれ」を生じます。
その対策として、シャモットや珪砂を、混ぜる場合も有ります。
この様な処置を施すと、当然、可塑性が悪くなります。
以下次回に続きます。
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