8) 大物は乾燥に時間が掛かる。
素焼きをする場合や、焼き締め陶器であっても、焼成の為に窯に入れる際には、完全に乾燥して
いなければなりません。
① 完全に乾燥する条件として、環境(部屋、置き場所、室温)、天候(季節、気温)、作品の
大きさ、表面積の割合(密閉度合)、そして作品の肉厚等が関係します。又、一塊の土から作った
場合は、さほど問題に成りませんが、継ぎ足し継ぎ足しによって大きくした作品では、その繋ぎ
目で乾燥度合が微妙に変化しますので、状況によっては、「亀裂やひび」が入り易いです。
当然、大きな作品は、強度を保つ為、普通より肉厚に作る必要があります。中でも乾燥の時間を
大きく左右するのは、作品の肉厚です。上部の重さに耐える為、作品の下部に行くほど肉厚に
する必要があります。一見白く乾燥している様に見えても、厚い素地の中央付近は、乾燥が
不十分な場合が多いです。その為、素地の中芯まで十分乾燥させる為には、長い時間を掛ける
必要があります。
② 全体を均一に乾燥させる為には、度々作品の置く向きを変更するのが肝要です。
一方からの乾燥では、作品が歪む恐れがあります。最後に天日干して、完了する事が出来ます。
但し大きな団子の様な部分で、ギッシリ中までは土が詰まっている場合(即ちムクの場合)、
内部は中々乾燥しませんので、ドリル等で小穴を開けると、内部(中心部)が速く乾燥し、
窯の中での爆発を防ぎます。
③ 急いで作品を完成させても、その後の乾燥に意外と時間を取られる事は、珍しい事ではあり
ません。急ぐからと言って急激な乾燥は、素地のひび割れや、亀裂の原因に成りますので、
出来るだけ慎重に行う事です。作品によっては数週間を要する事もあり、1ヶ月以上掛かる事も
稀ではありません。完成期限が決っている作品は、なるべく早く取り掛かる必要があります。
④ 乾燥は自然乾燥を基本にしますが、場合によっては、乾燥室やドライヤー等を使う事もあり
ます。以前ですと、壷の内部に熱電球を垂らし、電球の熱で内部から乾燥していたようですが
近頃は見る事も少なくなっています。均一に乾燥させる為に方向転換させる際、作品を持ち
上げたりしますが、重たい作品を移動させるのは、結構危険が伴います。
⑤ 乾燥は上部や肉厚の薄い部分から始まります。
器の内部や底の部分の乾燥は遅く成ります。底部は天地逆にして乾燥させる事もあります。
但し、ひっくり返す作業が難しい場合も多いです。底の水分を乗せた板に吸い取らせるのも一つ
の方法です。板を度々取り替える事で、意外と水分を取る事も出来ます。
乾燥が他の部分より進み過ぎた時には、濡れた布などを巻き付けたり、霧吹きで霧を吹きかけて
乾燥を抑える場合もあります。
⑥ 乾燥具合を音で判断する事も出来ます。
慣れた方なら、指で弾いたり、軽く叩く事によって乾燥具合を知る事も可能です。丁度西瓜の
熟れ具合を見るのと同様です。乾燥するに従い高い音になります。
作品全体を乾燥し過ぎて、問題になる事はほとんどありません。数ヶ月店晒し(たなざらし)
状態で有っても何ら焼成に影響はでません。場合によっては、「黴(かび)」が発生するかも
知れませんが、焼成してしまえば黴は燃焼し、黴の影響は無くなります。
9) 大物の作品を窯詰めする時の注意。
以下次回に続きます。
素焼きをする場合や、焼き締め陶器であっても、焼成の為に窯に入れる際には、完全に乾燥して
いなければなりません。
① 完全に乾燥する条件として、環境(部屋、置き場所、室温)、天候(季節、気温)、作品の
大きさ、表面積の割合(密閉度合)、そして作品の肉厚等が関係します。又、一塊の土から作った
場合は、さほど問題に成りませんが、継ぎ足し継ぎ足しによって大きくした作品では、その繋ぎ
目で乾燥度合が微妙に変化しますので、状況によっては、「亀裂やひび」が入り易いです。
当然、大きな作品は、強度を保つ為、普通より肉厚に作る必要があります。中でも乾燥の時間を
大きく左右するのは、作品の肉厚です。上部の重さに耐える為、作品の下部に行くほど肉厚に
する必要があります。一見白く乾燥している様に見えても、厚い素地の中央付近は、乾燥が
不十分な場合が多いです。その為、素地の中芯まで十分乾燥させる為には、長い時間を掛ける
必要があります。
② 全体を均一に乾燥させる為には、度々作品の置く向きを変更するのが肝要です。
一方からの乾燥では、作品が歪む恐れがあります。最後に天日干して、完了する事が出来ます。
但し大きな団子の様な部分で、ギッシリ中までは土が詰まっている場合(即ちムクの場合)、
内部は中々乾燥しませんので、ドリル等で小穴を開けると、内部(中心部)が速く乾燥し、
窯の中での爆発を防ぎます。
③ 急いで作品を完成させても、その後の乾燥に意外と時間を取られる事は、珍しい事ではあり
ません。急ぐからと言って急激な乾燥は、素地のひび割れや、亀裂の原因に成りますので、
出来るだけ慎重に行う事です。作品によっては数週間を要する事もあり、1ヶ月以上掛かる事も
稀ではありません。完成期限が決っている作品は、なるべく早く取り掛かる必要があります。
④ 乾燥は自然乾燥を基本にしますが、場合によっては、乾燥室やドライヤー等を使う事もあり
ます。以前ですと、壷の内部に熱電球を垂らし、電球の熱で内部から乾燥していたようですが
近頃は見る事も少なくなっています。均一に乾燥させる為に方向転換させる際、作品を持ち
上げたりしますが、重たい作品を移動させるのは、結構危険が伴います。
⑤ 乾燥は上部や肉厚の薄い部分から始まります。
器の内部や底の部分の乾燥は遅く成ります。底部は天地逆にして乾燥させる事もあります。
但し、ひっくり返す作業が難しい場合も多いです。底の水分を乗せた板に吸い取らせるのも一つ
の方法です。板を度々取り替える事で、意外と水分を取る事も出来ます。
乾燥が他の部分より進み過ぎた時には、濡れた布などを巻き付けたり、霧吹きで霧を吹きかけて
乾燥を抑える場合もあります。
⑥ 乾燥具合を音で判断する事も出来ます。
慣れた方なら、指で弾いたり、軽く叩く事によって乾燥具合を知る事も可能です。丁度西瓜の
熟れ具合を見るのと同様です。乾燥するに従い高い音になります。
作品全体を乾燥し過ぎて、問題になる事はほとんどありません。数ヶ月店晒し(たなざらし)
状態で有っても何ら焼成に影響はでません。場合によっては、「黴(かび)」が発生するかも
知れませんが、焼成してしまえば黴は燃焼し、黴の影響は無くなります。
9) 大物の作品を窯詰めする時の注意。
以下次回に続きます。
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