9) 大物の作品を窯詰めする時の注意。
作品が制作出来き乾燥や施釉がなされたら、次に焼成になります。当然、大きな作品が焼ける
窯が条件です。昔は大窯と言う共同窯を使っていましたので、大きな作品を数多く焼く事が可能
でしたが、近年は量産品を除き、個人窯が普通ですので、大きい窯を所持している方は比較的
少なくなっています。その為、他の窯を借りる場合もあるかも知れません。焼成の際十分容積の
大きい窯であれば、数個の作品を同時に焼成できますが、ギリギリの大きさであれば、一個のみ
に成る可能性もあります。
① 大物を窯に運ぶ時と窯詰め時の注意。
窯の構造として、横(前)扉式、上扉式、そしてシャトル式の物があります。それぞれ一長一短
があり、窯積めの際、死角になる部分も違いがあります。大きな作品ほど死角の範囲も広く
なります。又、大きな作品は慎重に窯のある場所まで、移動させなければ成りません。
一人で持ち運ぶ程度の作品から、2~3名の人手が必要な物があります。又車を使って他の場所
に移動する場合も発生するかも知れません。いずれにしても、本焼きが済んでいない作品は、
脆く壊れ易いです。当然部屋の出入り口は、十分広く開け放されている必要があります。
窯までの移動の際に作品を破損する事も、結構多い事故です。
a) 持ち運ぶ際、大きな作品は、なるべく板(亀板)などに載せた方が安全です。
特に移動中、揺れる様な不安定な作品では、底に楔(くさび)方の粘土片を噛まし安定させる
様にします。この楔も窯詰めの際に利用すれば、作品を安定して窯詰めする事ができます。
場合によっては、紐などを作品に掛けて、揺れを抑える必要がある場合もあります。
b)上扉式の窯の場合、窯詰めには作品は高く持ち上げ、なるべく水平にする必要があります。
当然不安定な姿勢に成ります。上部より中を覗き込む事になりますので、裾広がりの作品には
向いていますが逆三角形形の作品では、底周辺が見え難くなります。尚、大皿の様な作品では
細い紐や糸を二本又は折り返して二本にして、皿の高台の両端に掛け、吊り下げる事で狭い
場所でも窯詰めが可能に成ります。横扉の場合には、奥行きが死角に成りますので、後ろの
壁との距離を間違わない様にします。安全なのはシャトル式の窯で、周囲の状態を把握しな
がら窯詰めできる利点もありますが、他の窯よりも容積が少なくなる傾向があります。
② 焼成で必要な温度まで上昇させるには、窯に適量の作品が無ければなりません。
作品が少なければ、早く温度が上昇すると考えがちですが、必ずしもその様には成りません。
温度が上昇するには、蓄熱性が必要で蓄熱する量の作品が無いと、熱は無駄に外部に逃げて
しまいます。但し、多く詰め込み過ぎると、火(熱)の回りが悪く、温度は確実に上昇が遅く、
目標温度になら無い場合も多いです。
) 大きな作品はどうしても、窯に隙間が出来易いです。何らかの方法でこの隙間を少なく
する必要があります。特に円形の作品はその周囲に隙間が出来ます。隙間の大きさによっては
その場所に他の作品を置く事も可能ですが、最初から考えておかなければ適当な物は見つかり
ません。その場合、ダミーの物質(支柱など)を置く方法もあります。
) 作品をどの位置に置くか。
a) 窯の容積がぎりぎりの場合には、考える余地もありません。作品を窯詰めした場合、
若干隙間が出た場合が問題に成ります。窯の中央に置くと、周囲の熱は均等に当たり易いで
すので理想的ですが、他の作品を入れる際には、やや端に置いた方が隙間が広く出来易いです
b) 高さ方向に余裕がある場合。
以下次回に続きます。
作品が制作出来き乾燥や施釉がなされたら、次に焼成になります。当然、大きな作品が焼ける
窯が条件です。昔は大窯と言う共同窯を使っていましたので、大きな作品を数多く焼く事が可能
でしたが、近年は量産品を除き、個人窯が普通ですので、大きい窯を所持している方は比較的
少なくなっています。その為、他の窯を借りる場合もあるかも知れません。焼成の際十分容積の
大きい窯であれば、数個の作品を同時に焼成できますが、ギリギリの大きさであれば、一個のみ
に成る可能性もあります。
① 大物を窯に運ぶ時と窯詰め時の注意。
窯の構造として、横(前)扉式、上扉式、そしてシャトル式の物があります。それぞれ一長一短
があり、窯積めの際、死角になる部分も違いがあります。大きな作品ほど死角の範囲も広く
なります。又、大きな作品は慎重に窯のある場所まで、移動させなければ成りません。
一人で持ち運ぶ程度の作品から、2~3名の人手が必要な物があります。又車を使って他の場所
に移動する場合も発生するかも知れません。いずれにしても、本焼きが済んでいない作品は、
脆く壊れ易いです。当然部屋の出入り口は、十分広く開け放されている必要があります。
窯までの移動の際に作品を破損する事も、結構多い事故です。
a) 持ち運ぶ際、大きな作品は、なるべく板(亀板)などに載せた方が安全です。
特に移動中、揺れる様な不安定な作品では、底に楔(くさび)方の粘土片を噛まし安定させる
様にします。この楔も窯詰めの際に利用すれば、作品を安定して窯詰めする事ができます。
場合によっては、紐などを作品に掛けて、揺れを抑える必要がある場合もあります。
b)上扉式の窯の場合、窯詰めには作品は高く持ち上げ、なるべく水平にする必要があります。
当然不安定な姿勢に成ります。上部より中を覗き込む事になりますので、裾広がりの作品には
向いていますが逆三角形形の作品では、底周辺が見え難くなります。尚、大皿の様な作品では
細い紐や糸を二本又は折り返して二本にして、皿の高台の両端に掛け、吊り下げる事で狭い
場所でも窯詰めが可能に成ります。横扉の場合には、奥行きが死角に成りますので、後ろの
壁との距離を間違わない様にします。安全なのはシャトル式の窯で、周囲の状態を把握しな
がら窯詰めできる利点もありますが、他の窯よりも容積が少なくなる傾向があります。
② 焼成で必要な温度まで上昇させるには、窯に適量の作品が無ければなりません。
作品が少なければ、早く温度が上昇すると考えがちですが、必ずしもその様には成りません。
温度が上昇するには、蓄熱性が必要で蓄熱する量の作品が無いと、熱は無駄に外部に逃げて
しまいます。但し、多く詰め込み過ぎると、火(熱)の回りが悪く、温度は確実に上昇が遅く、
目標温度になら無い場合も多いです。
) 大きな作品はどうしても、窯に隙間が出来易いです。何らかの方法でこの隙間を少なく
する必要があります。特に円形の作品はその周囲に隙間が出来ます。隙間の大きさによっては
その場所に他の作品を置く事も可能ですが、最初から考えておかなければ適当な物は見つかり
ません。その場合、ダミーの物質(支柱など)を置く方法もあります。
) 作品をどの位置に置くか。
a) 窯の容積がぎりぎりの場合には、考える余地もありません。作品を窯詰めした場合、
若干隙間が出た場合が問題に成ります。窯の中央に置くと、周囲の熱は均等に当たり易いで
すので理想的ですが、他の作品を入れる際には、やや端に置いた方が隙間が広く出来易いです
b) 高さ方向に余裕がある場合。
以下次回に続きます。
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