鉄釉の話を、続けます。
6) 青磁釉
青磁釉は、中国の漢、唐の時代から作られ、東洋を代表する、釉とも言えます。
青磁には、色調の種類も多く、各々、名前が付いています。
① 砧(きぬた)青磁
千利休が、砧形の花瓶に、掛けられている釉を、砧青磁と呼んだ事が、語源です。
帯藍青緑色の、綺麗な色で、花瓶や香炉などに使われ、青磁釉の代表と成っています。
② 天竜寺青磁
足利尊氏が、後醍醐天皇の為に、天竜寺を建立しました。
その天竜寺に、所蔵されている、香炉の色が、帯黄濃緑色をしており、その青磁を天竜寺青磁と、
呼ばれています。
③ 七官青磁
氷裂文(ひび割れ文)のある、黒味かかった、透明の緑色釉で、時代により色調に、差が有ります。
④ 朝鮮青磁(高麗青磁=こうらいせいじ)
朝鮮は、高麗時代より、青磁釉の本場で、中国以上の優れた、作品が多くあります。
・ 釉の主着色剤は、酸化鉄で、還元焼成で得られます。
更に、素地に赤土などの、鉄分があると、深みのある、色が出ます。
・ 青磁釉は、鉄分を多くしても、濃くなりません。鉄分が多くなると、飴色、褐色、黒い釉と成ります。
それ故、濃くしたい場合には、2度3度と、重ね塗りする、必要が有ります。
調合例
) 長石:61.3、 石灰石:7.5、 カオリン:4.9 珪石:24.8 酸化鉄:1.5
(河井寛次郎氏の、Sk-6~8の青磁釉の調合 酸化で薄黄色、還元で緑又は帯青緑色)
) 長石:64、 松灰:27、仮焼黄土:9
(浜田庄司氏の、Sk-6~8の調合 酸化で薄黄色、還元で曇った濃い緑、高温で暗い緑)
) 長石:25、石灰石:25、カオリン:6.5 粘土:20、石英:20、仮焼黄土:2、弁柄:1.5
(バーナード・リーチ氏の、SK-7~9の調合 酸化で薄黄色、還元で灰緑)
) 長石:62、木灰:18、カオリン:12、石英:2、仮焼黄土:6、弁柄:0.12
(尾形乾山の、SK-7~9の調合 酸化で薄黄色、還元で透明黄緑)
以上は、有名な陶芸家が、調合した青磁釉です。
・ 注意:当然ですが、釉の調合以上に、焼成の仕方で、発色は、左右されます。上記の調合でも、
良い色が出る保障は、ありません。
現在でも、市販の、釉ではなく、自分独自の、青磁釉を作る方は、大勢いますし、日々新たな青磁釉が
開発、発表されています。次回も青磁の調合について、述べます。
青磁釉
6) 青磁釉
青磁釉は、中国の漢、唐の時代から作られ、東洋を代表する、釉とも言えます。
青磁には、色調の種類も多く、各々、名前が付いています。
① 砧(きぬた)青磁
千利休が、砧形の花瓶に、掛けられている釉を、砧青磁と呼んだ事が、語源です。
帯藍青緑色の、綺麗な色で、花瓶や香炉などに使われ、青磁釉の代表と成っています。
② 天竜寺青磁
足利尊氏が、後醍醐天皇の為に、天竜寺を建立しました。
その天竜寺に、所蔵されている、香炉の色が、帯黄濃緑色をしており、その青磁を天竜寺青磁と、
呼ばれています。
③ 七官青磁
氷裂文(ひび割れ文)のある、黒味かかった、透明の緑色釉で、時代により色調に、差が有ります。
④ 朝鮮青磁(高麗青磁=こうらいせいじ)
朝鮮は、高麗時代より、青磁釉の本場で、中国以上の優れた、作品が多くあります。
・ 釉の主着色剤は、酸化鉄で、還元焼成で得られます。
更に、素地に赤土などの、鉄分があると、深みのある、色が出ます。
・ 青磁釉は、鉄分を多くしても、濃くなりません。鉄分が多くなると、飴色、褐色、黒い釉と成ります。
それ故、濃くしたい場合には、2度3度と、重ね塗りする、必要が有ります。
調合例
) 長石:61.3、 石灰石:7.5、 カオリン:4.9 珪石:24.8 酸化鉄:1.5
(河井寛次郎氏の、Sk-6~8の青磁釉の調合 酸化で薄黄色、還元で緑又は帯青緑色)
) 長石:64、 松灰:27、仮焼黄土:9
(浜田庄司氏の、Sk-6~8の調合 酸化で薄黄色、還元で曇った濃い緑、高温で暗い緑)
) 長石:25、石灰石:25、カオリン:6.5 粘土:20、石英:20、仮焼黄土:2、弁柄:1.5
(バーナード・リーチ氏の、SK-7~9の調合 酸化で薄黄色、還元で灰緑)
) 長石:62、木灰:18、カオリン:12、石英:2、仮焼黄土:6、弁柄:0.12
(尾形乾山の、SK-7~9の調合 酸化で薄黄色、還元で透明黄緑)
以上は、有名な陶芸家が、調合した青磁釉です。
・ 注意:当然ですが、釉の調合以上に、焼成の仕方で、発色は、左右されます。上記の調合でも、
良い色が出る保障は、ありません。
現在でも、市販の、釉ではなく、自分独自の、青磁釉を作る方は、大勢いますし、日々新たな青磁釉が
開発、発表されています。次回も青磁の調合について、述べます。
青磁釉
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