わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

素朴な疑問 304 陶芸の手順とは21(本焼きの手順1)

2017-09-04 11:43:38 | 素朴な疑問
陶芸に限らず、何事にも手順があります。手順を忘れたり、手順前後の誤りにより、思いも拠らない

結果を招く事は多いです。(前回からの続きです)

4) 本焼きの準備と手順

  作品の窯詰めが無事完了したら、次は本焼きとなります。但し、直ぐに窯焚きに取り掛かる前に

  行うべき確認事項が幾つかがあります。

 ① 設備の点検作業。

  窯本体は勿論、それに付随する諸々の設備や用具の点検です。

  ⅰ) 窯が傷んでいないかを確認します。

   窯は使う程老朽化するのは、仕方ない事ですが、窯焚き中にトラブルが有っては成りません。

   特に屋外に設置された窯では、雨を防ぐ屋根が付いているのが普通ですが、極端な場合には、

   台風や雷雨や強風等が窯本体に吹き付ける事も起こり得ます。その際窯の内部まで雨水が入り

   込む事は少ないですが、何らかの理由で水分が残ってしまった場合には、乾燥するまで窯焚き

   は出来ません。強行すると、多量の水蒸気が発生し施釉した作品の釉に、悪影響を与えます。

   又、塩釉を使うと、窯は傷むと言われ、窯の寿命も極端に短く成ります。

   塩釉によって窯内部全体に釉が拡散し、壁や窯道具にこびり付き、次回の窯焚きまでに綺麗に

   しておく必要があるからです。又、窯の内部のレンガが「ひび割れ」する事もあります。

   大抵の場合、窯の温度の上昇に伴い、レンガが膨張し、その「ひび割れ」も塞がる傾向になり

   ますので、特別補修する必要もありません。但し、レンガの表面が何らかの理由で剥がれる

   場合があります。窯の外の場合が多いのですが、内側の事もあります。少々表面が剥がれたと

   しても、レンガの厚みに対しては本の僅かですので、心配する必要はありません。頻繁に剥が

   れる様でしたら、原因を究明し対処しる必要があります。問題は本焼き途中で剥がれる事です

   剥がれるた破片が作品に降り掛かると、問題ですので、剥がれそうな箇所は予め剥がしておく

   事です。当然ですが、剥がれた破片は綺麗に掃除しておく必要があります。

  ⅱ) 扉のある窯では、扉がしっかり閉まる事を確認します。

   扉には、窯と扉の隙間を無くす為、耐熱性のパッキンが付いているはずです。

   このパッキンも使用するに従い、柔軟性に欠けてきます。場合によっては端から千切れてくる

   事もあります。予備のパッキンがあれば交換する事も考える必要があります。

   パッキン以外にも扉の角や周辺が、窯の内側の壁に接触する場合もあります。扉の蝶番のネジ

   が緩んでいる場合もありますので、扉の開閉時に窯と接触する場合には、ここも確認し、時々

   注油する事です。更に、扉がしっかりロック出来る事も確認します。多くの場合焚き始めでは

   扉を少し開け、施釉時の水分を逃がします。水蒸気が出ない様になる温度以上になると、

   しっかりロックする必要があります。扉の周囲から熱風が吹き出ている状態では、十分ロック

   されている訳ではありません。窯焚き途中で修正する事は不可能ですので、道具土などを使い

   出口付近を塞ぎます。窯出し後に本格的な補修をする事になります。

  ⅲ) バーナーの点検(ガスや灯油窯の場合)

   イ) バーナー口の確認。

    炎が出るバーナー口に、棚板の支柱等が落ちていないかを確認します。出来れば窯詰め前に

    確認すべき事項ですが、窯詰め時に良く起こる事故です。バーナー口が何かで塞がれている

    場合には、十分燃焼する事はできません。取り除くのもかなり苦労します。場合によっては

    一度窯詰めした作品を外に出す必要が出る事も珍しくありません。

   ロ) 燃料漏れに注意。

    ガスの場合には、要所要所にガスを遮断するバルブが存在するはずです。各バルブが正常に

    作用しなければ、ガス漏れを起こす恐れがあります。それ故ガスを使用しない時にガスメーター

    が動いていないかを、確認します。但し都市ガスとの併用である場合や、家事との共用の場合

    には確認が難しくなります。ガス漏れの際には、ガスの匂いがしますので、気が付く事も

    多いです。プロパンガスは空気より重い為、上空に逃げる事はありません。即ち下や物陰に

    溜まる性質があります。団扇で扇ぎ出したり、箒で吐き出しりして逃がす事になります。

    灯油の場合には、油が少量漏れてもさほど危険はありませんが、常に気を付ける事が大切

    で、漏れ防止の処置をします。

  ⅳ) 燃料の残量の点検。

以下次回に続きます。
   
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