わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

電動轆轤の失敗 9 (肉厚について4)

2010-02-19 21:54:20 | 電動ロクロの技法
電動轆轤で、作品の肉厚に、差が出る原因と対策の、話を続ます。

3) 土の厚みが、一定に成らない。

 ② 側壁の厚みに、差が出る原因。

  ) 作品の形造りの際、肉厚に差が出る。

     轆轤で形造りの、作業していると、色々な場面で、肉厚が変化します。

   a) 作品の径を小さく(細く)すると、肉厚は厚く成ります。

     細くすれば、土は上に伸びますが、同時に厚みが増します。

   ・ 尚、径を大きくしても、肉厚は、殆ど変化しません。ただ高さが、低くなるだけです。

   b) この厚いままで、更に細くすると、肉厚の差が、大きくなって、撚れが発生し、形が歪みます。

     それ故、厚くなった部分の、土を薄く伸ばしてから、再度細くする事を、繰り返します。

     尚、細くする場合には、出来るだけ、全体を包み込む様にし、土の逃げ場を、造らない様に

     すると、有効に、径を縮める事が出来ます。

     又、縮める際には、手が滑る様に、「ドベ」等で、手を濡らして置く、必要が有ります。

   c) 土が薄く成り過ぎた場合、幾ら努力しても、径は細くなりません。

     細くなるには、ある程度の、肉厚が必要です。薄くなった部分に、土を足す事は、一般には、

     行いません。(但し、最上部に、土を載せる事は、可能です。)

    ・ 土を上に挽き上げる際、側壁の一部が、極端に、薄くなってしまった場合、その上下の土を、

     薄い場所に、移動できる場合も、有りますが、初心者には難しいです。

     (この場合、若干乾燥させれば、径を細くする事が、可能です。)

   d) 徳利や片口など、注ぎ口を、引っ張り出して、形を造る場合が有ります。

     その際、変形した部分の、肉厚は、薄く成ります。

    イ) 引き出す場所を選ぶ。

     ・ 肉厚の薄い口縁は、避けて、肉厚の厚い所を選ぶ。(口縁に、厚みの差が有る場合)

     ・ 高さに狂いが有り、高低差があれば、高い所を選ぶ。(引き出し部分は、低くなります。)

    ロ) 引き出す量によって、引き出す部分の、範囲を決める。

     ・ 引き出す量(長さ)が、少ない場合には、口縁から1cm程度の深さでも、可能ですが、

       長さを、長くしたい場合には、2~3cmの深さから、引き出します。

    ハ) 引き出すタイミング

       轆轤成形直後が、最適です。但し、濡れていて、「べたつき」があり、作業し難い時は、

       若干乾燥後でも、可能です。当然乾燥が進む程、変形し難くなり、「ひび」も入り易く成ります。

       尚、注ぎ口先端に「ひび」が入った場合には、ドベ等で補修します。

    ニ) 引き出す方法は、指のみで行う方法と、棒等の道具を使う方法が、有ります。

       何れも、口の内側に、指(又は棒)を必要な深さまで、差込、他の手(親指と人差し指)で、

       口の外側を支え、その間に、中指が、通る様にして、手前に引き出します。

     ・ 引き出し後、注ぎ口が、左右対称形に成る様に、注ぎ口の、内側を、指で撫ぜ、調整します。

    ホ) 梅鉢等の様に、口縁を波打たせる場合には、引き出すのではなく、出来るだけ、内側に

       変形させる方が、肉厚が薄くならずに、済みます。

4) 底割れを起す。

以下次回に続きます。
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