わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

電動轆轤の失敗 10 (作品の重さ1)

2010-02-20 22:33:01 | 電動ロクロの技法
出来上がった作品の、重さについて、述べます。

 陶磁器類の、作品の重みは、重要な要素の一つです。

 ・ 必要以上に、重たい作品は、取り扱い、づらいです。又、陶器の場合、口縁が、薄過ぎると、

   貧弱に見えますし、強度的にも、弱く成ります。(磁器の場合には、薄く造るのが、普通です。)

 ・ 重い又は、軽いと感じるのは、個人差も有りますが、その作品を見た瞬間、無意識に、その重さを

   予想して仕舞い、実際に手に持った時と、予想値が、一致した場合、違和感は、ありません。

 ・ 予想値より、重いと、数値(目方)以上に、すごく重く感じます。

   逆に、予想値より、若干軽くても、すごく軽く感じて仕舞います。

 ・ 公表されている、作品(国宝、重文、有名な作品、展覧会の入選作など)の紹介では、

    縦、横(径)、高さは、表示されますが、重さが、表示されている物を、見た事も有りません。

   手に取る事が出来ない、作品も、重さの表示が有れば、感覚的に、実感出来るのではないかと、

   思います。重さの表示がない事が、大変残念な事です。

 1) 予想値は、どうして決まるか?

   重さは、作品の大きさ(体積)と、肉厚で決まります。(素地の種類も、若干関係します。)

   大きさは、見れば解かりますが、肉厚の判断は、口縁の厚さで、全体の厚さを、判断する事に

   成ります。(口縁の厚みが、作品全体の厚みと、同じならば、予想値との差は、出ません。)

 2) 予想値と違う、結果と成るのは、口縁の厚さに、惑わされた結果です。

    即ち、口縁が、薄造りの場合、全体が、薄いと判断します。厚造りの場合には、全体が厚いと

    判断しがちです。

 3) 作品の用途によっては、重い方が良い場合と、軽い方が良いが、有ります。

  ① 一般に、手に持って、移動しない作品(置物、飾り壷など)は、重くても、さほど問題に成りません。

    花瓶など、水を入れて使う物は、水の重さも、加味されますので、若干軽い方が、喜ばれます。

  ② 食器類でも、肉厚を厚くして、豪華に見せる、皿や、ぐい呑み、なども有りますが、

    一般的には、軽い方が、好まれます。

  ③ 口縁のみを、厚く造り、全体を薄く作ると、軽くて豪華に見せる事が、出来ます。

   ・ 特に、ご飯茶碗の様に、常に手に持つ物は、軽い事が、要求されます。

     ご飯茶碗の重さは、大小が有りますが、底削りの終わった状態で、200g以内に、収める様に

     したい物です。(尚、抹茶々碗の場合は、300gが、一つの目安に成ります。)

    但し、手に持つ、湯飲み茶碗では、軽くて薄い物は、熱を通して、熱くなりますので、やや肉厚に

    造る場合も有ります。

 4) 初心者の作品が、重い訳。

以下次回に続きます。

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