1) 鍋島焼
⑤ 鍋島焼の作品の種類。
鍋島の最盛期は、1690年代~1750年頃までとされています。
) 鍋島焼の主要な作品は、大川内藩窯で制作された物です。1952年(昭和27年)以降行の
大川内山窯跡の発掘調査の結果で判明します。
) 作品は、皿、向付などの食器類が多いです。特に皿は円形で、小皿の三寸皿(約 9cm)
中皿の五寸皿(約 15cm)、七寸皿(約 21cm)と大皿の尺皿(約 30cm)と規格化
された大きさの物が多いです。特に七寸皿が圧倒的に多く生産されています。
同じ文様で同じ大きさの五客、十客とセット物が多いのですが、尺皿には同じ絵柄は少なく
一点作りの様です。
) 八角皿や、輪花形、方形などの変形の皿や鉢、三脚の皿も作られています。
これらは「土型」を使った型打成形法によって、制作された物と思われます。
) 皿類の特徴は、木盃(もくはい)形と称される独特の形状の浅めの皿で、高台が高く
高台から縁へ、張りのあるカーブを描いているのが特徴です。
尚、木盃形は神事に使われた土器の形で、酒盃として我が国では古くから身近な形として
馴染んでいました。
⑥ 鍋島焼の文様。
) 初期鍋島では、有職文様、更紗(さらさ)文様、唐草文様、唐草連鎖文様などの図案化
された文様が多いです。注: 有職(ゆうそく)文様とは、平安時代以来、公家階級で
装束や調度 などに用いられた伝統的文様です。
) 前期~盛期鍋島では、春秋の草木、草花類、野菜類、果実類など写実的に描いた物や
春秋の節句の祝膳用の季節の草花類、中国の慶祝文様(宝尽文、三瓢文、三壺文など)が
有ります。尚、寛文~元禄、享保年間に江戸や浪花で発行された、木版刷りの「稽古
帖」類や「染めしいながた(雛形)」等の絵手本を参考にし、器形に合わせて構成し
直した文様が使われています。例えば、春秋の季節の絵模様を図案化して描いています。
) 裏文様と高台文様。 初期鍋島では、扁平な皿類には牡丹唐草文、牡丹折枝文が描かれ、
高台には、連鎖剣先文、連鎖二重花弁文が描かれています。
最も多いのは、裏文様に七宝紐繋三方割文、高台には櫛目文が標準化されます。
・ 盛期~後期では、表絵、裏絵、高台文様に勢いが無く精彩を欠きます。
⑦ 「色鍋島」以外の焼き物。
) 染付(青花): 初期の鍋島の作品はほとんどが呉須(酸化コバルト)による青一色の
下絵付けで、後で透明系の釉を掛けて、高温で還元焼成した物です。
尚、上記染付に色絵を付けた物が、「色鍋島」になります。
) 鍋島青磁: 鉄分を多く含む灰釉を掛け、還元焼成する事で、酸化第二鉄が酸化第一鉄に
変化し、青色系に変色します。染付線描の技術は高度で、繊細でありながら力強さがあり、
「だみ染」の技法が優れている作品です。
・ 染付青磁: 青磁の緑と染付の青、素地の白を組み合わせた文様です。
・ 青磁色絵: 染付青磁に、赤や黄色を加えた文様です。
) 銹(さび)釉: 上記灰釉を掛けて、酸化焼成すると茶系に発色します。
・ 銹地染付: 上記茶系の上に染付が施されています。
) 瑠璃釉: 釉に呉須を入れ、器全体を瑠璃色にします。
) 墨はじき: 青海波など細かい模様を描く際、色を載せない部分を墨で描きます。
その上に呉須で文様を描き、高温で焼成すると、墨で描いた部分は燃え尽き白い素地が
現れます。
以下次回に続きます。
⑤ 鍋島焼の作品の種類。
鍋島の最盛期は、1690年代~1750年頃までとされています。
) 鍋島焼の主要な作品は、大川内藩窯で制作された物です。1952年(昭和27年)以降行の
大川内山窯跡の発掘調査の結果で判明します。
) 作品は、皿、向付などの食器類が多いです。特に皿は円形で、小皿の三寸皿(約 9cm)
中皿の五寸皿(約 15cm)、七寸皿(約 21cm)と大皿の尺皿(約 30cm)と規格化
された大きさの物が多いです。特に七寸皿が圧倒的に多く生産されています。
同じ文様で同じ大きさの五客、十客とセット物が多いのですが、尺皿には同じ絵柄は少なく
一点作りの様です。
) 八角皿や、輪花形、方形などの変形の皿や鉢、三脚の皿も作られています。
これらは「土型」を使った型打成形法によって、制作された物と思われます。
) 皿類の特徴は、木盃(もくはい)形と称される独特の形状の浅めの皿で、高台が高く
高台から縁へ、張りのあるカーブを描いているのが特徴です。
尚、木盃形は神事に使われた土器の形で、酒盃として我が国では古くから身近な形として
馴染んでいました。
⑥ 鍋島焼の文様。
) 初期鍋島では、有職文様、更紗(さらさ)文様、唐草文様、唐草連鎖文様などの図案化
された文様が多いです。注: 有職(ゆうそく)文様とは、平安時代以来、公家階級で
装束や調度 などに用いられた伝統的文様です。
) 前期~盛期鍋島では、春秋の草木、草花類、野菜類、果実類など写実的に描いた物や
春秋の節句の祝膳用の季節の草花類、中国の慶祝文様(宝尽文、三瓢文、三壺文など)が
有ります。尚、寛文~元禄、享保年間に江戸や浪花で発行された、木版刷りの「稽古
帖」類や「染めしいながた(雛形)」等の絵手本を参考にし、器形に合わせて構成し
直した文様が使われています。例えば、春秋の季節の絵模様を図案化して描いています。
) 裏文様と高台文様。 初期鍋島では、扁平な皿類には牡丹唐草文、牡丹折枝文が描かれ、
高台には、連鎖剣先文、連鎖二重花弁文が描かれています。
最も多いのは、裏文様に七宝紐繋三方割文、高台には櫛目文が標準化されます。
・ 盛期~後期では、表絵、裏絵、高台文様に勢いが無く精彩を欠きます。
⑦ 「色鍋島」以外の焼き物。
) 染付(青花): 初期の鍋島の作品はほとんどが呉須(酸化コバルト)による青一色の
下絵付けで、後で透明系の釉を掛けて、高温で還元焼成した物です。
尚、上記染付に色絵を付けた物が、「色鍋島」になります。
) 鍋島青磁: 鉄分を多く含む灰釉を掛け、還元焼成する事で、酸化第二鉄が酸化第一鉄に
変化し、青色系に変色します。染付線描の技術は高度で、繊細でありながら力強さがあり、
「だみ染」の技法が優れている作品です。
・ 染付青磁: 青磁の緑と染付の青、素地の白を組み合わせた文様です。
・ 青磁色絵: 染付青磁に、赤や黄色を加えた文様です。
) 銹(さび)釉: 上記灰釉を掛けて、酸化焼成すると茶系に発色します。
・ 銹地染付: 上記茶系の上に染付が施されています。
) 瑠璃釉: 釉に呉須を入れ、器全体を瑠璃色にします。
) 墨はじき: 青海波など細かい模様を描く際、色を載せない部分を墨で描きます。
その上に呉須で文様を描き、高温で焼成すると、墨で描いた部分は燃え尽き白い素地が
現れます。
以下次回に続きます。
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