4) 粘土類は母岩と呼ばれる岩石が、風化して出来た物です。
岩石の出来方は色々ありますが、その化学成分は似たり寄ったりです。即ち、シリカ(珪酸)と
アルミナ成分と少量の石灰やマグネシア、酸化鉄などの酸化金属類です。これらを造岩鉱物と呼び
およそ数十種類存在しますが、粘土に適する鉱物は、珪酸、アルミナ、石灰等を多く含む物です。
更に、焼き物に適する粘土類が、産出する場所は、ある程度限定(産地が偏っている)されます。
① 天然の岩石は、その成り立ちから、火成岩、水成岩(堆積岩)と変成岩に大別されます。
これらは粘土類に変化する以前の状態で、母岩ともいわれる物です。この生成現象は、焼き物
と類似と考えて良いでしょう。(高温に晒された後、冷えて固まった物)
ⅰ) 火成岩は地中深く高温の場所から、熔岩が地表に現れる間に、冷えて出来た岩石です。
冷えた地中の深さによって、深成岩、半深成岩、噴出岩と成ります。
a) 深成岩は地中深くでゆっくり冷え、その後地殻変動によって地表に出現した岩石です。
結晶粒は荒くなります。代表的な岩が花崗岩(かこうがん)や橄欖(かんらん)岩です。
石英、長石、雲母などが多く含まれています。
b) 噴石岩は地表に噴出した溶岩が急速に冷えた岩石です。
結晶粒は細かくガラス質を呈します。安山岩、玄武岩、火山岩、熔岩などがあります。
特に火山岩の中には珪酸が、石英の形で多量に含まれています。
c) 半深成岩は、深成岩と噴出岩の中間位置で冷えた岩です。性質も中間な物となります。
石英粗面岩などがあります。石英粗面岩は熱水作用を受け、岩石中の長石等が粘土化し
鉄化合物が洗い流された物が、陶石と呼ばれる物質です。磁器の原料として大量に使われて
います。
ⅱ) 水成岩(堆積岩)は、すでに有った岩石が大気(風)や水(雨、川)等の影響で砕け、
分解され更に流され運ばれて堆積して出来た岩石です。粘土や黄土、石灰岩、ドロマイト、
ローム、砂岩、ぎょう灰岩、珪藻土、褐鉄鉱などが該当します。
ⅲ) 変成岩は、火山岩などが一度生成された後、周囲の激しい環境変化により、最初の性質が
変化して出来た物です。熱水(熱)による物(熱変成作用)、強い動力による物(動力変成
作用)などがあります。一般的には「風化、砂婆(さば)」と呼ばれる現象です。陶石や
滑石などがあります。
② 一次粘土と二次粘土。
酸化鉄の様な鉄化合物は、どんな粘土にも多少に関わらず含まれています。
ⅰ) 母岩と呼ばれる岩石の傍で、変質細砕された物で、比較的酸化鉄などの不純物を含まない
粘土を一次粘土(残留粘土)呼びます。又変質細砕された物が、遠くまで運ばれ堆積した土を
二次粘土(堆積粘土)と呼びます。
一次粘土が比較的不純物を含まないのに対し、二次粘土は各種の不純物を含みます。その
不純物も、どの様な場所に流されたかによって違いが出てきます。この違いが産地毎に粘土の
性質が異なる原因になります。
ⅱ) 鉄化合物の含有量と、焼成後の素地色との関係。
a) 酸化雰囲気焼成: 白色から赤褐色、黒まで変化します。
1%以下の場合: 白色に成ります。1~4%の場合:象牙色、淡黄色、黄色になります。
4~7%の場合: 赤、赤褐色。 7%以上:黒褐色、黒色に成ります。
b) 還元雰囲気焼成: 少量で明るい灰色。4%以上で暗灰色、青色になります。
酸化第一鉄では、灰色から青色に、酸化第二鉄(弁柄など)では酸化雰囲気で黄色から赤色
に成ります。
c) 鉄化合物は還元焼成で、媒熔材として働き磁器化温度を下げます。即ち素地が焼き締り
易くなります。更に他の媒熔材と共存する事で、効果が増大します。
以下次回に続きます。
岩石の出来方は色々ありますが、その化学成分は似たり寄ったりです。即ち、シリカ(珪酸)と
アルミナ成分と少量の石灰やマグネシア、酸化鉄などの酸化金属類です。これらを造岩鉱物と呼び
およそ数十種類存在しますが、粘土に適する鉱物は、珪酸、アルミナ、石灰等を多く含む物です。
更に、焼き物に適する粘土類が、産出する場所は、ある程度限定(産地が偏っている)されます。
① 天然の岩石は、その成り立ちから、火成岩、水成岩(堆積岩)と変成岩に大別されます。
これらは粘土類に変化する以前の状態で、母岩ともいわれる物です。この生成現象は、焼き物
と類似と考えて良いでしょう。(高温に晒された後、冷えて固まった物)
ⅰ) 火成岩は地中深く高温の場所から、熔岩が地表に現れる間に、冷えて出来た岩石です。
冷えた地中の深さによって、深成岩、半深成岩、噴出岩と成ります。
a) 深成岩は地中深くでゆっくり冷え、その後地殻変動によって地表に出現した岩石です。
結晶粒は荒くなります。代表的な岩が花崗岩(かこうがん)や橄欖(かんらん)岩です。
石英、長石、雲母などが多く含まれています。
b) 噴石岩は地表に噴出した溶岩が急速に冷えた岩石です。
結晶粒は細かくガラス質を呈します。安山岩、玄武岩、火山岩、熔岩などがあります。
特に火山岩の中には珪酸が、石英の形で多量に含まれています。
c) 半深成岩は、深成岩と噴出岩の中間位置で冷えた岩です。性質も中間な物となります。
石英粗面岩などがあります。石英粗面岩は熱水作用を受け、岩石中の長石等が粘土化し
鉄化合物が洗い流された物が、陶石と呼ばれる物質です。磁器の原料として大量に使われて
います。
ⅱ) 水成岩(堆積岩)は、すでに有った岩石が大気(風)や水(雨、川)等の影響で砕け、
分解され更に流され運ばれて堆積して出来た岩石です。粘土や黄土、石灰岩、ドロマイト、
ローム、砂岩、ぎょう灰岩、珪藻土、褐鉄鉱などが該当します。
ⅲ) 変成岩は、火山岩などが一度生成された後、周囲の激しい環境変化により、最初の性質が
変化して出来た物です。熱水(熱)による物(熱変成作用)、強い動力による物(動力変成
作用)などがあります。一般的には「風化、砂婆(さば)」と呼ばれる現象です。陶石や
滑石などがあります。
② 一次粘土と二次粘土。
酸化鉄の様な鉄化合物は、どんな粘土にも多少に関わらず含まれています。
ⅰ) 母岩と呼ばれる岩石の傍で、変質細砕された物で、比較的酸化鉄などの不純物を含まない
粘土を一次粘土(残留粘土)呼びます。又変質細砕された物が、遠くまで運ばれ堆積した土を
二次粘土(堆積粘土)と呼びます。
一次粘土が比較的不純物を含まないのに対し、二次粘土は各種の不純物を含みます。その
不純物も、どの様な場所に流されたかによって違いが出てきます。この違いが産地毎に粘土の
性質が異なる原因になります。
ⅱ) 鉄化合物の含有量と、焼成後の素地色との関係。
a) 酸化雰囲気焼成: 白色から赤褐色、黒まで変化します。
1%以下の場合: 白色に成ります。1~4%の場合:象牙色、淡黄色、黄色になります。
4~7%の場合: 赤、赤褐色。 7%以上:黒褐色、黒色に成ります。
b) 還元雰囲気焼成: 少量で明るい灰色。4%以上で暗灰色、青色になります。
酸化第一鉄では、灰色から青色に、酸化第二鉄(弁柄など)では酸化雰囲気で黄色から赤色
に成ります。
c) 鉄化合物は還元焼成で、媒熔材として働き磁器化温度を下げます。即ち素地が焼き締り
易くなります。更に他の媒熔材と共存する事で、効果が増大します。
以下次回に続きます。
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