鎌倉市大船は一丁目~六丁目と丁目の付かない番地のみの場所があり、鎌倉街道の東側にはその番地のみの場所があります。昔から住んでいる人が多く、大きな敷地に貫禄のある梅の木を育てたりしている人もいらっしゃって、庭を拝見するのが散歩の楽しみの一つでもあります。
その中で、小山を背にした真言宗の多聞院(たもんいん)は昔からの寺院として風格を保っています。
(多聞院)
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多聞院は後北条家臣の甘粕氏の遺産で、隣り合って居る熊野神社の勧請とともに別当寺として創建されたとのことです。
多聞院と熊野神社の位置関係は下の写真の通りです。
(熊の神社の鳥居と多聞院)
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多聞院の宗派は真言宗で、こ本尊は毘沙門天、開山は南介僧都、開基は甘糟長俊とのことです。創建は文明年間(1469〜1487年)頃とされています。
多聞院の境内には二本の紅梅と二本の白梅があります。
(多聞院2)
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(多聞院本堂)
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多聞院の紅梅は今が盛りです。
(多聞院の紅梅)
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(多聞院の白梅)
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多聞院の脇を山沿いに西に進むと、数分歩いたところに甘粕屋敷と呼ばれる大きな敷地があり、長屋門と邸宅が現存します。
多聞院の開基からかなり時代が経っても甘粕家は大船村の名士であったといろいろ報告されています。(ネットで検索すると古い時代から昭和の頃までいろいろと参考になることが紹介されていますので詳細はさておき・・・)
この甘糟屋敷は、建物は江戸時代の宝永5年(1708)といわれており、表側に3室(10畳2室、8畳1室)裏側に3室(納戸8畳2室、茶の間8畳)を置く構成となっているそうです。現在の建物は昭和60年に再生工事をおこなったもので、屋根を草葺から銅板葺とし300年を経過した柱等はそのまま生かして実施したそうです。
(甘粕屋敷)
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甘粕屋敷の外側に見事な梅の木があり、紅梅は今が盛りですが白梅はこれから盛りを迎えそうです。
(甘粕屋敷の梅)
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甘粕屋敷の梅以外にもこの近くは閑静な住宅地です。
梅をながめて日だまりを歩いてみませんか?