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日々の暮らしのなかで

道案内

2006年02月08日 | 日記・エッセイ・コラム
突然「道」を訪ねられた時、どれくらい正確に教えてあげられる?

先日、コンビニの駐車場で不意に呼び止められた。
「ちょっといいですか?」
年の頃なら75歳ぐらいだったかな。おばあさんは助手席で微笑んでいたが
そのおじいさんはちょっと恐い顔つきだったので、一瞬背筋が伸びた。

僕は道案内が苦手だ。三年前に車を買い替えた時に、カーナビを付けた。
今や、この「カーナビ」がなくては何処へもいけない。逆に言えば、
これさえあれば、全国どこへだって行ける。と、思っている。

カーナビの案内で運転していると、道を覚えない。また、目印も
そんなに記憶に残らないもんだ。僕に限っては、カーナビを使う以前から
道を覚えない方だった。
「おっ、この道見た事あるぞ!」
ぐらいで運転してるもんだから、曲がって違う景色が見えるとプチパニックに
なったもんだ。免許を取ったすぐの頃は、どこへ行くにしても、行き帰りは
同じ道を通っていた。変に近道なんて探さないし、迷ってしまう。
理論的には3回左折を繰り返すと元の道に戻ると思ってやってみると
見た事もない道に戻った事がある。こうなればプチパニックでは済まない。

友人達とF1観戦で鈴鹿に行った時の事。高速で帰ろうとしたら事故が
あったらしく通行止めになっていた。下を通って帰る事になったが、
誰も道を知らない。方向はわかるが道はわからない。
そのとき一人が自信マンマンに言った。

「これであってるって!」
この友人、妙な自信である。草津温泉が滋賀にあると思っていた友人が。
「道知ってるの?」って聞くと、
「いや、でも前の車“京都”ナンバーやん。」

なるほど!と思ったが、僕にはコレが出来ない。
彼曰く、わかる所迄行けばラッキー。わからなければ、
次は大阪ナンバーを探せばいい!って事らしい。
でも、もっとわからない所へ行ってしまうかも知れない危険性はある。

以前、道がわからなくなって、一台の車の後を付いていった事がある。
どんどん淋しくなる山道を抜けて、細い一本道を付いていくと、
山里離れた一軒家に行ってしまった事があった。
あの運転手はどう思ってたのかな?

話を元に戻そう。とにかく、僕は人に道を訪ねられるのが苦手だ。
今回の老夫婦に聞かれた所は、約9キロ先にある。
頭の中では色んな道順が浮かんでくるが、適確に且つわかりやすく
説明する事が出来ない。

幸い、目の前の道をただひたすらまっすぐ行けば目的地には
辿りつく。高齢という事を言い訳にして、
「近道を教えてあげても、覚えられないかも知れない」
と自分に言い聞かせ、遠回りになるが、その一本道を教えてあげた。

煙草を買ったあと、
「いや、待てよ。もっと簡単な道があるじゃないか!」

あわてて店を出たが、すでに老夫婦の姿はなかった。
あの二人は無事に辿りつけたのだろうか?
少しだけ後悔した。


コメント
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