一匹の蝿が迷い込んできた
朝からいるのはわかっていた
季節ハズレと言うか、何もこんなに寒くなってから
出てくることはないのにぃ~!なんてからかってると
いつの間にか
僕の小さな作業部屋へと入って来ていた
これは厄介
さてはこの蝿、僕が虫を殺さない漢だと
知っているのだろうか?
そう、ご存知の通り、僕は虫を殺さない
こんな事を言うと、自分で自分をスターと言った
元アイドルのように、いらぬ詮索を受けて
誤解を受けそうなのだが、事実僕は無駄な殺生はしない
これは意思を持って殺生をしないわけで
知らず知らずうちに手にかけてしまった事は
参考記録の中には入れていないが
とにかく、僕は無益に殺しはしない
そんな事を知ってるかの如く、平然と飛び回る蝿
しかし、返す返す厄介なことだ
この部屋には食糧どころか水さえない
蝿が生きて行くには、少々物騒な空間だ
何はともあれ、虫を殺せない僕としては
衰弱死さえも、させたくはない
仕事を一時中断して蝿を追い出す一大作業に取り掛かる
が、どうしてこうも虫たちは
僕の願いを察してくれないのか?
そして、なにゆえ、蝿は向かってくるのか?
まさにファイターだ
部屋の戸を開け放ち、出て行くように追い詰めては
突然こっちへ向かってくる
そして、頭の横を平然とくぐり抜けては
背後へと回る
「アホか?」
呆れて呟いてみても通じない
いや、通じているのか、ずっとこっちを見ているではないか!
何度やっても同じ
外へ外へと追いやっても、すぐに背後を取られる
一番のチャンスはブラインドと窓ガラスの間に
入った瞬間
「これはこれは!」
と千載一遇のチャンス到来!
が、ことごとくこっちの裏をかく行動タパーン!
「もう、知らない!」
虫も殺さない仏の心を持つ僕だが
思わずサジを投げ出しそうになるまで
追い込まれてしまった
その時
「待てよ、これは・・・・」
脳裏に“わらしべ長者”の話が蘇った
「アレも最初は蝿だったか?」
これは何かの暗示?平和の使者なのか?お前は!
なんてファンタッスティックな干渉に浸っていると
なんとデコ目掛けて飛んできて、ピタっと停まった
『アレは、アブだったんじゃないの?』
蝿に突っ込まれた気分だった
朝からいるのはわかっていた
季節ハズレと言うか、何もこんなに寒くなってから
出てくることはないのにぃ~!なんてからかってると
いつの間にか
僕の小さな作業部屋へと入って来ていた
これは厄介
さてはこの蝿、僕が虫を殺さない漢だと
知っているのだろうか?
そう、ご存知の通り、僕は虫を殺さない
こんな事を言うと、自分で自分をスターと言った
元アイドルのように、いらぬ詮索を受けて
誤解を受けそうなのだが、事実僕は無駄な殺生はしない
これは意思を持って殺生をしないわけで
知らず知らずうちに手にかけてしまった事は
参考記録の中には入れていないが
とにかく、僕は無益に殺しはしない
そんな事を知ってるかの如く、平然と飛び回る蝿
しかし、返す返す厄介なことだ
この部屋には食糧どころか水さえない
蝿が生きて行くには、少々物騒な空間だ
何はともあれ、虫を殺せない僕としては
衰弱死さえも、させたくはない
仕事を一時中断して蝿を追い出す一大作業に取り掛かる
が、どうしてこうも虫たちは
僕の願いを察してくれないのか?
そして、なにゆえ、蝿は向かってくるのか?
まさにファイターだ
部屋の戸を開け放ち、出て行くように追い詰めては
突然こっちへ向かってくる
そして、頭の横を平然とくぐり抜けては
背後へと回る
「アホか?」
呆れて呟いてみても通じない
いや、通じているのか、ずっとこっちを見ているではないか!
何度やっても同じ
外へ外へと追いやっても、すぐに背後を取られる
一番のチャンスはブラインドと窓ガラスの間に
入った瞬間
「これはこれは!」
と千載一遇のチャンス到来!
が、ことごとくこっちの裏をかく行動タパーン!
「もう、知らない!」
虫も殺さない仏の心を持つ僕だが
思わずサジを投げ出しそうになるまで
追い込まれてしまった
その時
「待てよ、これは・・・・」
脳裏に“わらしべ長者”の話が蘇った
「アレも最初は蝿だったか?」
これは何かの暗示?平和の使者なのか?お前は!
なんてファンタッスティックな干渉に浸っていると
なんとデコ目掛けて飛んできて、ピタっと停まった
『アレは、アブだったんじゃないの?』
蝿に突っ込まれた気分だった