わずかな薄日だけの寒い一日。
先週、平日の都市公園を散歩途中で、公園内に設えられた池で、冬のゆるい日差しの中、ゆったりと時の流れの中に、ただ身をゆだねて、日蔭では、氷の張った水の中を泳ぐ水鳥達に出会った。
この地域で、水鳥といえば、鴨類だと思うけれど、胸にたっぷりと脂肪を蓄え、つやつやの羽毛は、これもまたたっぷりと空気の層を含み、揺蕩うように浮かんでいた。
冬の水鳥って・・・いいよなぁ・・・。
そのゆったりとした佇まいに、焦る事しかできなかったこれまでの自分に、もっと、もっと・・・ゆっくり生きてもいいんだよ・・・と言われているような気がした。
この公園内の水鳥達は、エサを貰っているらしい。
衣食住・・・しかも、市内の一等地で、こんなに広くて、森林もあって、やはり、衣食足りて礼節を知るのだろうか・・・。もっとも、衣は自前だけれど、コレは、食糧あってのたまもの。
同じ水鳥でも、公園内に棲息する鳥たちは、原野や山野に棲む水鳥達とは、また一線を画す存在なのだろう。
もし・・・来世。
生まれ変わりを余儀なくされて、転生先を選べるとしたら、ここの水鳥になるのもいいかもしれない。
お母さんカモになって、春になったら、たまごをたくさん産んで、可愛い雛を育てる。
初夏には、雛鳥をつれてお引越し・・・コレは、カルガモか・・・。
鴛鴦(おしどり)と鴨とは、また違うかもしれないけれど、生涯、連れそう優しい夫がいて・・・。
鴨とカルガモとオシドリが、混在してしまったけれど・・・。
そう言えば、オシドリは、羽の色が綺麗だよな・・・。
中国だとか・・・大陸系の絵画に縁起のよい鳥として描かれる。
つがいの雌雄のどちらかが死ぬまで、添い遂げる仲睦まじさ。
鳥でさえ、そうなのに、何故ヒトは、目移りするのかなぁ・・・などと、とんでもない方向にまたズレ初めてしまった。
たゆたう冬の水鳥に、こころ惹かれる大寒の頃。