穏やかに、冬晴れ。
一昨日。
何十年かぶりで、市内の商工会議所を訪れた。
就職活動セミナー参加のためであることは、一昨日の拙ブログに記載したばかりでもある。
却説。
その商工会議所。今回で、確か3度目だろうか・・・?
過去の2回は、検定試験の申込と試験で訪れた。
英文タイプの級の認定試験である。
当時・・・、自前で買ったばかりの手動のオリベッティのタイプライターを自転車に載せて、この場所を訪れたような・・・?はっきりとした記憶はないけれども。
そのとき、試験場へ続く、この建物の西側の暗い階段を上った記憶があった。
一昨日も・・・。
ゆっくりと登る仄暗い階段。
あのときも・・・たぶん、なにかに躓いていたような気がする。
タイプライターの重い重いキー。
スピードのズレで、絡まるキー。
小指、薬指には、力が入らず、単語の印字が薄れるのは、減点の対象。
同じ単語を何度も、何度も打ち間違える・・・。
折角、ノーミスできたのに、文末で、決定的な印字ミス・・・。
・・・それでも、私は、あの文末を知らせるベルの音が、大好きだった。
商工会議所の仄暗い階段の4階の踊り場から見える日光連山。
白く雪をかぶった峰々と輝くような群青を放つ雪雲。
再開発の市街地は、遠くから見ると、それ程、変わっていないような・・・もう何十年も昔なのに。
そんな遠景を見ながら、やっぱり、いまでも、躓いているなぁ・・・と思う。
いつもいつも何かに躓いているような気がする。
あの仄暗い階段の踊り場からみた遠景は、あのときとちっとも変っていなかった。
あのときも・・・そして今も、あの場所と思いは、綯い交ぜになって、過去の私と出会う記憶の遠景。