けだるい初夏の昼下がり
まだ夏にならない風が
レースのカーテンを揺らすとき、
眠り続ける金魚は真昼の夢をみる
ゆらゆら揺れる水草と酸素ポンプの間から
白昼の夢が・・・
・・・ぱちん・・・とはじける。
ゆめうつつの金魚は、ゆらりゆらゆら
シフォンのヴェールのような尾びれを微かに震わす
ゆらゆらゆらり
ゆらりゆらゆら
真夏には、まだ少し時間があるから・・・。
太陽の光で、焦げないうちに・・・
ゆらゆらゆらり
ゆらりゆらゆら
シフォンのヴェールのような尾びれを微かに震わす
ゆらゆらゆらり
ゆらりゆらゆら
一瞬の夢は、儚く消えて
それでも金魚は、夢を見る。
それでも金魚は、夢を見る。
真昼の夢。白い夢。儚い夢。
それでも金魚は、夢を見る。