夕刻より雲が広がり、御天気下り坂のよう・・・。
少し前に、『サイムダン・師任堂~色の日記』を視聴して、ハタと気が付きまして、そういえば、もう5年か6年前に買った韓流時代劇の『風の絵師』のDVDを、まだ、見ていなかったな・・・という訳で、時代絵師モノが続きました。
18世紀朝鮮に実在した金弘道(キム・ホンド)と申潤福(シン・ユンボク)のふたりの絵師の物語。
師匠と弟子の物語で、御真(王の肖像画)製作をめぐり、李朝鮮史上、もっとも困難を極めた第22代・正祖王と宮廷の政治家達の死闘に、巻き込まれていく図画署(トファソ)の画家達を描いています。
何より、奇抜なのが、弟子の申潤福(シン・ユンボク)が、女人であることを隠し、男性と偽って、その天性の画力を伸ばしていくのですが、前出のサイムダン、或いは、同時代の『イ・サン』では、画人という設定であり、側室になったソン・ソンヨンとは、ジャンルの違う風俗画であることで、ドラマが、絵画を中心に描かれておりました。
サイムダンも、ドラマの中で、絵画が出ておりましたが、何分にも、カット、カット、カットで、つないだ短縮版だったので、たぶん、オリジナルとは違っていたのだと思うのですが・・・そこんとこ、どうなんでしょうか。
オリジナル版みてみたいなぁ・・・と思います。
『風の絵師』の演出家さんが、あまりに若いひとだったので、驚きましたが、物語の展開の速さと、次から次へ、問題を起こす弟子の申潤福(シン・ユンボク)に、もっと大人しくしとらんかい・・・と、ツッコミを入れたくなりましたので、イライラするシーンは、2倍速にて視聴しましたが、国王の肖像画を描くシーンなどは、じっくり、みせてくれました。
宮廷の肖像絵師になるための選抜試験や、画力勝負などが、みどころのひとつでしょうかね(こういうのは、じっくり見たいです)。
国王・正祖役は、そのタイトルロールともなった『イ・サン』役のイ・ソジンを思い出しますが、『風の絵師』では、イ・サンの曾祖母さんに当たる『トンイ』で、トンイを守るチョンス兄さん役のペ・スビンが、静かで、怒り?に満ちた正祖役でしたし、他にも、『六龍が飛ぶ』のあのおねえ言葉の剣豪・キル・テミ(双子の兄・ソンミ)役の役者さん、『王女の男』のイ・セリョン役の女優さんが、御筝が得意なキーセン役で出演しておりましたね。
私的には、李氏朝鮮の絵画というのは、あまり好きではないのですが、サイムダンの草花の絵は、好みで、あの色と絵柄で、刺繍をしたり、服を作ったりしたら、素敵だなぁなどと思いますし、今回のシン・ユンボクの色使いも、赤と青が、とてもきれいでした。
15世紀から18世紀の西洋絵画とは、全く異質ですが、西洋絵画のコレでもかっ・・・ってくらいの行間のなさ・・・隙間のない息苦しさとは、違い、東洋画というのは、行間というか、空白が、ほっとするのは、やはり、東洋に育ったからなのだろうか・・・なんて、どうでもいいことを、思ったりして・・・。
そういえば、数日前に、フェルメールの絵画が、上野?だったかで、史上最高の9点同時展示という特番が組まれていましたが・・・フェルメールには、光と時間の行間?みたいなものがありますね。
西洋画にも、行間が、ありました・・・。