女子サッカーの『なでしこジャパン』、残念ながらアメリカに勝てなかった。4対2になった時はひょっとしたら同点になり、延長戦でも決着がつかなくてなどと夢見た。結局、試合開始の前半に4点も入れられたのが痛い。友だちは何でも自分によい方に解釈する人で、「後半だけ見れば2対1で勝っている。いい試合だった」と言う。楽天的な人だから井戸掘りをしていても、「100件ほど掘ってきたから分かります。水は出るでしょう」と、何を根拠にそんなに自信が有るのだろうと思うくらいの言い方だ。
「お天気はいいだろうか?」と言えば、必ず「大丈夫!」と答えるが本当に当たるから不思議だ。それでも今日のように、作業したくないと思うような時に少々の雨が降ってくると、「作業できないから止めましょう」と誠に都合がいい。濃尾平野と違って尾張の東部は丘陵地で粘土層がつながっている。こういう地質のところは私たちのような手掘りでは無理なのだが、「井戸は掘ってみないと何とも言えません。水が出れば、いい水でしょう」と期待を持たせる。
自信を持つことは大事なこと。自信がなければ人に勧めることも出来ない。営業していた時は商品がいかに価値のあるものかを自信満々に説明していただろう。それでいて時々、ビックリするくらい正直なことを成り行きでしゃべってしまう。我が身の正当性や自慢話のつもりだろうが、わざわざ何も知らない相手に話さなくてもいいのにと思うほど根っから正直者である。すぐ傍に井戸があるというので、どのくらい掘ったのか聞きに行ったところ、「70メートル」と言われて途端に元気をなくしてしまった。
依頼主の奥さんも確かそんな話をしていたのに、その時は聞く耳を持っていなかったようだ。さて、どうやって撤退するか、彼がどう説明するのか、ちょっと心配になる。「正直に言えばいいのです」と言うけれど、昨日までは「井戸掘りは我慢比べみたいなもの。諦めないことが一番肝心」と説明していたことと矛盾しないのだろうか。けれど、矛盾だろうと、常に楽天的に都合よく考える、このスタイルに私たちのグループは大いに助けられた。いつも「物事、楽天的でなければ面白くないですよ」と叱咤激励されてしまう。