天気が良くなったので、昨日、今日と連続して井戸掘りに出かけた。余りの暑さに根を上げながら、掘れないかと頑張った。初め掘ったところは固い粘土層に当たったみたいで、どんなに掘っても1ミリか2ミリくらいしか進まない。これではもうお手上げだと思うけれど、先輩は「場所を変えてみたらどうか」と言うので、今日、再び場所を変えて掘ってみた。
先回と同じくらいの深さまで、いや、もう少し浅いところで再び固い層に当たった。確かに根気強く、たとえ1時間に1センチか2センチでも掘れたなら、ヨシと考えるべきなのかも知れない。けれど、狭い穴倉の中で足場も悪く、老人が3人、どんなに頑張っても知れている。そう思って、今日は40代の若手を連れて行ったけれど、彼は穴倉に入って掘る道具を回したけれど、「もうダメです。ギブアップです」と言う。
私たちが手で掘ることに興味を持ち、どんな風に掘っているのかと自分も体験するつもりで来たけれど、「キツイっですね」と弱音を吐く。弱音ばかりか、飲んだものを吐いてしまう姿を見て、これは無理強いは出来ないと思った。炎天下での肉体労働は慣れない者にはきつすぎる。依頼主に何時までも期待を持たせるわけにはいかないので、「私たちの力では限界であるとはっきり言ってください」と先輩に頼む。
すぐ、ギブアップしたのでは面子がないと言っていた先輩もここまで頑張ったのだからと腰を上げ、依頼主に説明をする。「もっと深く掘る機械を持っていないのか?」と依頼主は言う。けれども私たちは手掘りでやってきた。道具も簡単なものしかないし、それも手作りに近いものばかりだ。業者のような機械を揃えるほどの資金もないし、保管場所もない。「私たちが知っている業者に見積だけでもしてもらい、その金額でどうするか考えてください」と依頼主に話す。
7年前に井戸掘りを始め、何箇所掘ったのか、キチンと数えたことはないけれど、ギブアップした箇所も20件近いと思う。やってみて、井戸掘りは相当に難しいことが分かった。それだけに、水脈に当たり、水を汲み上げることが出来た時は嬉しくて、結局その喜びがあるから続いている。それでもやはり歳をとった。もうヘトヘトだ。