ペースメーカーチェックのために名古屋赤十字病院へ行ってきた。半年に1回の検査だけれど、病院でしなければならないことなのかといつも思う。再来受付をすまし、検査センターで心電図検査を受ける。心電図検査は10秒くらいで終る。今日は看護師さんがきれいな女性だったので、来たかいがあったけれど、こんな短い時間で大丈夫なのかと心配になる。
循環器内科の前で名前を呼ばれるのを待つ。待ち時間を過ごすために文庫本を持っていくが、結構読める。名前を呼ばれて中に入るが、先生の前に座ることなく「ベッドに横になって」と言われる。技師と思われる若い男性が聴診器のようなものを左肩に置く。ズルズルとすべり落ちてしまうので、「服を脱ぎましょうか」と言うが、「いや」とか何か言って、そのまま計器に目をやり数字を読み上げていく。
それが終ると、「はい、いいですよ」と言う。私が黙っていると医師が私を振り返り、「特に有りませんから、半年後に来てください」と言う。「時々、左の乳の辺りが痛い時があるのですが‥」と聞きたかったけれど、どうも質問することがヤボな気がして辞めた。何か異常があれば言うだろうし、言われてから考えればいい、そう思うことにした。生きられるだけ生きられればいい。手術したり、薬漬けになって生きたいとは思えない。
地下鉄も電車も、乗っている人たちはみんなケイタイを眺めている。イヤホーンで聞きながら忙しく指を動かしている人が多い。何もせずにボォーとしているのは私のような年寄りだけだ。ジロジロ見るのは失礼だと思い、読みかけの文庫本を取り出して読むが、車内の女性たちが気になって時々視線がそちらを向いてしまう。夏だから女性たちはナマ足をむき出しにしている。キレイな形の足が多い。
小学校男の子が前に座った女子大生の露わな太ももを見ていた。ふと、思春期を迎えた酒鬼薔薇聖斗はなぜ異性に関心がなかったのだろうと思った。私の知り合いで学校に行かず部屋に閉じこもったままの子がいるが、彼の性への関心はどうなのだろう。私の中学1年の時は、友だちとエロ雑誌を回して見ていた。恥ずかしさと罪悪感があったけれど、今思えば極めて正常な思春期だった。