再び初夏を思わせるような暑い日となった。長女のダンナのお父さんが持っている「山」に、家族が集まるから来てと連絡をもらったのに、私はマンションの総会があり、どうしても発言しなくてはならないことがあったので、欠席させてもらった。カミさんは「お誘いを受けたのに」と言うが、総会を欠席する方が気が重い。「総会での発言、気をつけてよ」と言い残してカミさんは出かけて行った。
小学校の体育館を借りて行われた総会は淡々と進んで行った。「ご質問はありませんか」「ご異議はありませんか」と司会の声ばかりが響く。以前は、決算にしても予算にしても、一言あったが最近は発言する人がめっきり少なくなった。決算に続いて「特別案件」が提案され承認された。平成30年度の役員が選出され、ここで5分間の休憩となり、10時50分から後半の審議へと移った。
11時15分頃、全ての議案が承認され、「その他、ご意見などございませんか」と司会が言う。誰も発言しなければ「これで総会を終わります」となってしまう。地震対策について女性から発言があったので、私も続いて手を挙げた。なるべく角が立たないように「組長さん、役員の皆さん、ご苦労様でした」と切り出した。
私たちのマンションは管理会社に委託せず自主管理を続けてきた。最初に自治会を立ち上げた先輩たちは、ここに理想的な共同体を構築しようとした。それは自治会管理規定に組長を輪番制とし、役員も輪番で決めるとしたことから分かる。みんなで支え合うためにはみんなが問題を共有することが必要で、出来るだけ多くの人が役員を経験することが大事だと思う。新しい役員さんと組長さんで、来年はぜひ、新体制にしていただきたいと結んだ。
現会長は7年目でこれだけ長く続くと、会長がすべてを知り尽くしているから、次に会長になる人がいない。ひとりの有能なリーダーは、モタモタしないでどんどん実行できる。けれど、それが本当によいとは思えない。みんなが問題を共有しなければ理想的な共同体とは言えない。私の発言がどれほど役に立ったか分からないが、沈黙のままよりも良かったはずと自分に言い聞かせている。