今朝の朝日新聞be版の『悩みのるつぼ』が面白かった。回答者は美輪明宏さんで、相談者は50代の男性だった。男性は既婚者で、結婚して10年になる元同僚の女性に好意を打ち明けた。幼い子がいる彼女は「男女の付き合いは無理」と言うが、ふたりで映画を見たり飲みに行ったり、何度か手もつないだ。
しかしそれ以上に発展することが無く、男性は「もてあそばれている」と感じる。男性のことを「一番の理解者」と彼女は言うが、「交際は無理」と言い切る。「最後にもう一度会いたい」と伝えると、「子どもを連れていっていいか」と聞く。男性は「非常識」と言い、「私だけでなく、夫も子どもも大切にしていない」と怒る。
私にはこの男の気持ちが理解できない。好意を打ち明けたが、「私は妻と別れるつもりは無い」と前書し、「彼女にも夫と別れて欲しいと思っていない」とも言う。だのに、男女の関係に進まないことに苛立っている。美輪さんも呆れて、「悩む必要も、お相手を憎む必要もありません」と結んでいる。
私は中学からの友だちのことを思った。ひとりは「友だち以上恋人未満」の関係を10年以上続けてきた。あちこち一緒に行き、手もつないでいるが、男女の関係にはなっていない。好きなのに、一線を越えないでいられる彼の誠意に仰天する。彼は青春を味わっていたのだからよいが、彼女はそれで満足だったのだろうか。
もうひとりは地域の活動で知り合い、男女の関係になったと言う。共に家庭があったのに、家庭崩壊することは無かったから、互いが了解して付き合っていたのだろう。彼はおとなしくて優しく、背も高くて男前だ。ブログに孫の話もよく書いているから、家庭も大事にしていたのだろう。
美輪さんも回答の中で書いていたけど、「(相談者も相手の女性も)自分のことを誰よりも愛している」「結局、彼女にとってあなたは浮気をする魅力もなかった」と指摘する。私も同感だ。既婚者だって恋に落ちる。今度、クラス会があったなら、そんな恋愛論でまた盛り上がるだろう。