間一髪だった。夕方5時過ぎ、西の空にわずかに赤みが残っていたが周りは真っ暗になりかけていた。カミさんを役所へ送っていった帰り、T字路の南から大通りへ左折して出ようとしたが、西へ向かう車が絶えなかった。
しばらく待つと、私のいる道へ入ろうと左折ウインカーを点滅する車が走って来た。私の車が出ないと入りずらいので、アクセルを踏んで出ようとした瞬間だった。ものすごい勢いで自転車が目の前を通り過ぎたので、思わずブレーキを踏んだ。
自転車の男は、「気をつけろ」とばかりに睨みつけ、猛スピードで走り去った。ブレーキが間に合わなければ完全に轢いていただろう。首長選挙に2度も出馬した男が、哀れな末路を迎えるところだった。夕方の車の運転の怖さをまじまじと味わった。
家に戻るとすっかり暗くなっている。昨夜の皆既月食ショーが噓のように静かだ。カミさんは3度も家を出て、月食を堪能してきた。私は誘われたけれど、「ただの自然現象じゃーないの」と行かなかった。月食が終わる頃は、ベランダからも見えたので、強引に引っ張り出された。
今日のFacebookは圧倒的に皆既月食を捉えたものが多い。長女の家の周りは建物が無いから、絶好の撮影場所でダンナはいろんなことに興味を持つ人だから、きっと自慢のカメラで皆既月食の動画を撮影したことだろう。
小学生の時、皆既日食が見られるというので、ガラスにろうそくの炎の煙を受けて黒くして見たけど、感動しなかった。昨夜もみんながその時を待っていたのに、心が揺さぶられることは無かった。
今日の大事故寸前は、感動しなかった私への神様からの罰だったのか。クワバラ、クワバラ。ところで、クワバラって何?後で調べてみよう。