イスラエル政府は、パレスチナ自治区ガザへの地上侵攻の準備は整ったと発表した。ガザを実効支配するイスラム組織ハマスを、根絶すると意気込んでいる。ガザ地区から大量のロケット弾が、イスラエルに砲撃されたことへの報復という。
ガザ地区には220万人が生活しているし、イスラエルから連れ去られた人も何百人かいるはずだ。陸海空からの大規模な攻撃が準備されているというから、双方に多数の死傷者が出ることは確実なのに、ハマスからの攻撃を受け、反撃ムードが支配的らしい。
ハマスはイスラムの軍事組織だが軍隊ではない。中東ではイスラム教とユダヤ教との対立が長く続いてきた。同じ神の下に生まれた宗教なのに、いや、同じ神だからこそ対立が根深いのだろう。ユダヤ教からキリスト教は生まれ、マホメットの教えからイスラム教が生まれた。
どうして殺し合うまで憎しみ合っているのか私には分からないが、キリストは人を殺してはいけないと説き、マホメットは互いに助け合いなさいと説いたのに、争いは絶えない。信仰が国家と結びつくと、国家間の戦争になった。
ユダヤ教徒が神からの「約束の地」と言うのがイスラエルだ。古代の中東では、豊かな土地を求めて多数の民族が争った。そこで神は、ユダヤ人に永遠に住むことの出来る地を約束されたという。
ユダヤ人もパレスチナ人も、イラク人やサウジアラビア人も、同じ中東の民の子孫だろう。文化にも大きな違いは無いのだろう。日本で問題になっている統一教会は、朝鮮半島で生まれたキリスト教の土着の分派と言える。
人は何かを信じることで、生きる力や心の安定を得る。人から信仰を絶つことは出来ないのかも知れない。何を信じても構わないが、信仰によって人を傷つけたり、ましてや殺し合うのはまともな宗教ではないと悟るべきだ。