台風18号は各地に被害をもたらした。我が家もその例外ではなかった。大型の台風で猛烈な風雨を伴うと予報されていたのに、台風の進路予想図を見て、この地方はたいした被害はないだろうと勝手に推測してしまった。夜中に風雨が一気に強まって、猛烈な風が窓ガラスを叩きつける音で目が覚めた。ベランダでゴロゴロと物が転がる音がする。ベランダに置いてあったゴミ箱がひっくり返って転がっている。「しまった」。風が弱まる一瞬を待って、急いで片付ける。
朝、ルーフバルコニーを眺めてみると、我が家で一番大きな鉢植えのデイゴが倒れている。アジサイも2鉢倒れている。バラは1鉢だけが倒れているが、鉢が割れて根がむき出しになっている。鉢が割れたのはこのバラだけで、デイゴもアジサイも倒れただけだった。バラの鉢の予備はないので、割れた鉢を接着剤でつなぎ、何とか復元したが、今回はあまりに細かく割れていたので、接着したものの歪な形になってしまった。
鉢を修復しながら、もう限界だなと思った。ルーフバルコニーに植木鉢を置いている人は他にいない。春のチューリップ、夏のサルビアを長く続けてきたけれど、台風が来たり、大風や大雨に見舞われた時、まだ私は何とか後始末できるけれど、身体が動かなくなることも必至だし、この世と別れる日が来ることもある。そう思うと、来年のチューリップの時に、「今年限りに致します」と宣言した方がよいと思うようになった。
大きくなってしまったデイゴ、ミカン、椿そして金木犀は根元から切ってバラバラにしないと運び出せない。せっかくのバラだけど、やはり同様にして、土を運び出し、鉢も欲しい人に上げよう。これだけの作業だが、やり始めても半年くらいはかかるかも知れない。そう思うと、やっぱり来年のチューリップが咲き終わる時が、我が家のルーフバルコニー花壇が終了と考えるのが妥当だろう。思えばよくまあ、これだけの鉢をカミさんに内緒でここまで運び込んだものだ。