津島市で自殺を図った老人がいる。この人のカミさんは首を絞められて亡くなっていた。新聞よればカミさんは72歳でアルツハイマー型認知症と診断されていて、夫が介護していたとある。夫は市の相談窓口で、「休まる時間がない」と話し、介護の限界にあったようだ。老々介護の現実が見える。核家族が背負う宿命である。
私が通った短歌教室の先生は80歳を超えていたが、カミさんの介護で時々愚痴をこぼした。「財布がない。どこに隠したの?」とか、「箪笥のお金が無くなった。あなたが盗んだのでしょう」と言われ、「腹が立つより、それは悲しかった」と言った。挙句に家の中から外に向かって、「知らない人が家にいる。誰か助けて」と叫ばれた時はぶん殴りたかったと話した。
夫はデイサービスの利用を進められても、「いない時に(浮気などを)企むのではないか」と思うカミさんの猜疑心を心配して、自分で面倒をみてきた。夫が認知症になったりすると、女性はさっさと施設に入れたり、公的サービスを利用するのに、カミさんがそうなっても夫は意外にサービスを受けようとしないのはなぜなのだろう。
男性はプライドが高くて公的なサービスを受けることを恥のように思うのだろう。あるいはこれまでのカミさんへの償いの気持ちから自分で背負い込むことになるのかも知れない。私の周りでも老々介護が増えてきている。誰もがサービスを受けられると言っても、公的な施設は順番待ちであり、私的な施設は入所費や毎月の経費が高いのでお金がある人でないと入れない。
男性の認知症の中にも感情の起伏が激しい人もいるだろうが、私が接した限りでは女性の方が変化が激しいように思う。どうしてなのか分からないが猜疑心が強く、メチャクチャ怒り出す。男性よりも心の中に鬱積したものが多いからだろう。それだけ女性たちは日々の暮らしの中で耐えて生きているということだ。醜い争いが起きる前に、安らかに逝きたいと願う。
明日は小1の孫娘のピアノの発表会で、しかも長女の誕生日でもあるのでお祝いに出かけます。ブログは休みます。
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